株式会社サンメディアは,第20回学術情報ソリューションセミナーon the Webを2022年6月29日,30日,7月1日の3日間開催した。講演,事例報告,出版社からの最新情報提供,業務に役立つ情報の紹介など,オンライン開催ではあるが,会場型開催時と変わらない多彩なセッションが設けられた。また,Special Chatというオンラインツールを使った懇親会も開催された。開催にあたって1日目の挨拶は,学術論文の品質保証のための査読制度の最近の状況についても紹介された。
研究成果を科学コミュニティに迅速に流通させるためにプレプリント(査読前の論文)の公開が世界的に広まっている。日本におけるプレプリントの公開を促進するため,国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)では2018年よりプレプリントサーバの検討,構築を進め,2022年3月24日に「Jxiv(ジェイカイブ)」の運用を開始した。Jxivは,自然科学の分野のみならず,人文学・社会科学あるいは学際融合領域すべての研究分野を対象としており,また,英語および日本語の論文を受け付けている。今後Jxivの普及を図り,日本発のプレプリント公開がより進むように努めていく。
札幌医科大学附属総合情報センターでは,急激に世代交代が行われている。正職員が担っていた業務を非常勤職員や外部委託に転換することにより正職員の定員が削減されたうえ,正職員は専門職ではなく,異動のある一般事務職へと扱いが変化した。開学以来の大きな変化であるこの出来事の記録として,世代交代と非専門職化の影響をメリット・デメリットの両面から考察した。大学の職員であるという立場の中で,図書館の専門性をどのように確保していくのか,現在行っている対応についても触れる。
2022年6月に開催された株式会社サンメディア主催の学術情報ソリューションセミナー2022において,電子リソース管理について事例報告を行った。本稿では,同セミナーでの報告内容をもとに,西南学院大学での電子リソース管理の現状を紹介するとともに,電子リソースの担当者が抱える課題に触れる。
東邦大学習志野メディアセンター(以下,メディアセンター)の利用統計は右肩下がりの状況が続いており,対面授業が再開されても新型コロナウイルス感染症(以下,コロナ)前の状況に戻っていない。これまで,利用者サービスはマーケティング,イノベーションおよびエモーショナルマーケティングの考え方で推進してきたが,ペルソナの考え方も取り込むことにした。利用者サービスにペルソナの考え方を取り込んだのは,コロナ禍中に学生の学習環境が自宅と大学とで変化したことから,これからもメディアセンター離れが広がると判断したからだ。2022年度の利用統計はコロナ前の水準に回復していないが,減少にブレーキがかかりつつある。最後に,私がマーケティングを身につけるのに重読してきた本のなかで,今回の取り組みに関連する4冊を紹介する。
株式会社サンメディアが提供するWEBベースの文献依頼プラットフォーム「ARROW」と文献の電子配信サービス「Article Direct」について,新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に普及したテレワークでどのように活用されているかを紹介していく。まず,ARROWは,オプション機能となる「管理者承認機能」を主に説明する。次に,Article Directとデジタル著作権利用許諾契約の関係を踏まえ,Article Directについて紹介をする。