医療の変革がいわれる中, “Shared Decision Making”が注目されてきたのは海外でも最近のことである。これは, 従来のパターナリズムからインフォームド・コンセント, インフォームド・チョイス, さらに一歩進んで「医療者と患者による情報 (エビデンス) を共有した上で治療の決定を行う」というコンセプトである。医療知識を身につけ, より積極的に情報収集を行うe-患者も多くなってきており, 患者は医療者と情報や意思を共有できる対等のパートナーになろうとしている。しかし, 医薬品情報についても, 患者がその信頼性や質を評価するのは難しいが, その使用者は患者であり, 患者にとって非常に重要なものである。医療者は, 患者にエビデンスに基づいたわかりやすい医薬品情報を提供し共有していく必要があり, その上で治療の決定が行われれば, 医療の質や患者の満足度を高めるのに大変有用であろうと思われる。
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