薬学図書館
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52 巻, 2 号
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  • 薬系大学に対するアンケート調査結果から
    望月 眞弓
    2007 年 52 巻 2 号 p. 86-91
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    薬学6年制教育の開始の年にあたって, 今後の医薬品情報学に関する教育の方向性を検討するために, 医薬品情報学に関する教育の現状を調査した。医薬品情報学の講義については, 平成10年の調査時にも92%の大学が実施していたが, 今回も新設校で未定の1大学を除き, ほぼ100%の大学が実施する予定であった。しかし, 実習・演習については80%の大学が実施予定と答えるにとどまった。今回の調査が6年制教育がスタートした年の5月の調査であり, 学年進行で2年生以降に実施される科目の詳細については未定の大学も多かったため, このような結果になったものと考える。実習・演習は, 日本薬学会の「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の到達目標の「技能」に関する部分が相当するが, これらを到達するに足る書籍やデータベース類の整備についてはまだ十分とは言えない結果であった。また, 実習・演習の指導者に図書館員の方の参加がないことも課題の1つであった。
  • 黒澤 菜穂子
    2007 年 52 巻 2 号 p. 92-97
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    医薬品情報を活用するためには, その情報の内容について十分に理解し, 自らの力で取捨選択することが必要とされる。そのためには, 医薬品情報学の講義や実習だけでなく, 基礎や臨床をも含めた大学全体のカリキュラム構築が重要となってくる。本稿では, 北海道薬科大学でのカリキュラムを例に, 医薬品情報を活用できる薬剤師を育てるために行っているいくつかの取り組みについて紹介する。
  • 橋口 正行
    2007 年 52 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    薬学教育6年制の目的は, 国民の期待に応えられる質の高い薬剤師育成のための職能教育の重視と実践であり, 医薬品の適正使用を通じチーム医療・地域医療に貢献できる人材の輩出である。チーム医療において薬剤師がなすべき役割は, 端的には, 「科学的な根拠に基づく薬物治療の支援」と言える。このような能力を学生に身につけさせるためには, 医薬品情報学教育が重要である。ここでは北里大学での新カリキュラムにおける医薬品情報学の基礎教育(案)について紹介する。新カリキュラムでの医薬品情報学関連教育は, 4年生前期開講の医薬品情報学1(必修: 1単位)と, 6年生前期に開講する医薬品情報学2(選択必修: 0.5単位)とEBM演習(選択必修: 0.5単位)からなる。なお, 後者の2科目は, ペアで受講することを条件づけている。医薬品情報学1では, 情報源, 情報の収集・評価・加工・管理等の基本的知識を, 医薬品情報学2では, 臨床研究・疫学研究, EBM等を講義し, EBM演習では, 実際の文献検索, 批判的吟味, 臨床への適用などを個別に学習させる予定である。本学での6年制教育課程での, 大学における基礎教育としての医薬品情報学の講義内容を紹介した。本教育は, 病院・薬局などの臨床の場でEBMを実践できる薬剤師の育成だけでなく, 行政・製薬企業においてEBMを提供できる人材の養成のための基礎教育にもつながるものと考える。しかし, これらはあくまでも大学での基礎教育であり, さらにその上の課程におけるアドバンストな教育も必要であると考える。
  • 大津 史子, 後藤 伸之
    2007 年 52 巻 2 号 p. 104-112
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    本来, 医療において薬剤師の果たす責任は, 個々の患者の医療上の問題, 例えば, 薬剤選択や効果判定, 副作用発現などの問題を的確に識別し, 介入すべき問題を判断し, 介入し, 最善最良の医療を提供することである。つまり, 医薬品情報学教育の目的は, 薬学の各教科で得た知識を統合し, 机上の知識を実際の医療に適用できる能力に高め, 実際に医療を変革できる能力を育成することであると考える。これらの目的を達成するためには, 高い問題の識別能力と問題解決能力 (プロブレムソルビング), 具体的には, 患者情報を評価する能力, 的確な情報源を選択し, 迅速に情報を収集し, 的確に評価し, 他の専門学問の知識を総動員し, 対象に適用できる能力の育成が求められる。名城大学薬学部では, このプロブレムソルビング能力育成を目標として, 10年前から医薬品情報学の実習を行ってきた。現在, 3年生に対して2週間(8日)の実習を行っている。学生に処方せんと問診票を与え, 含まれる問題点(ノンコンプライアンスや副作用など)を識別させ, 評価し, 問題の解決を図らせる。さらに地域薬剤師会から患者役として現役薬剤師を招き, 医療面接, 患者の問題識別, 服薬説明をロールプレイ形式で訓練し, 実際の医療への応用を目指している。6年制では, 本実習の考え方を基に発展させ, 3年次および事前実習においてより実践的な教育を行う予定である。
  • 松山 賢治
    2007 年 52 巻 2 号 p. 113-115
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • ―JMEDPlusファイルの作成を中心として―
    中村 真佐子
    2007 年 52 巻 2 号 p. 116-123
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    独立行政法人科学技術振興機構 (JST) では従来より国内外の科学技術や医学などの文献に抄録・索引等を付与したデータベースの作成・提供を行っているが, 2006年4月よりさらにユーザーインターフェース機能を向上させた文献情報データベース「JDreamII」のサービスを開始している。医学・薬学系データベースであるJMEDPlusファイルを中心として収録データの内容や, その作成工程, 索引方法について概説した。また, 2006年4月より新たに運用を開始した大規模辞書と日本語異表記辞書, JMEDPlusファイルで開始されたサブヘディング索引についても触れた。
  • 佐久間 せつ子
    2007 年 52 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    医学文献情報を収録する医学中央雑誌データベースについて, その作成プロセスと, インデクシングおよび「医中誌Web」の検索で使用される「医学用語シソーラス」を中心に紹介した。
  • 宇賀神 正代
    2007 年 52 巻 2 号 p. 131-139
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    財団法人日本医薬情報センター (JAPIC) では, 検索のしやすさ, 見やすさなど利便性を追求して作成した医薬品情報データベース「iyakuSearch」の提供を2004年10月から開始し, その提供するコンテンツの1つとして医薬文献情報を提供している。医薬文献情報の特長は, 医薬品に特化したデータベースであり, 原著文献には詳細な日本語抄録がほぼ100%付与されていること, 医薬品に関連したキーワードが充実していることなどがある。データは書誌的事項, キーワード, 抄録の3要素から構成されており, データ作成工程も含め, データの収録内容, データ構成の詳細および, 検索機能について紹介した。紹介した内容を参考にしながら「iyakuSearch医薬文献情報」を日常の業務にご活用いただければ幸いである。
  • 日本製薬情報協議会関西支部勉強会での試みと毒性・新規性調査への適用の可能性
    石田 修, 中鴬 尚志, 中村 規子, 本田 直樹, 羽田 幸代, 西野 順子, 中尾 泰美, 寺浦 一正, 斉藤 郁, 鄭 兆雄, 市岡 ...
    2007 年 52 巻 2 号 p. 140-145
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    PubChemはSubstance, Compound, BioAssayの3データベースから成り立っており, 公開以来収録ソース数・収載化合物数の増加が著しい。日本製薬情報協議会関西支部ではPubChemの有用性について, 毒性, 新規性, 薬理作用, 活性情報の各方面より検証した。毒性面からの検証の結果PubChem独自の毒性情報は掲載されていなかったため, さらなる検証は行わなかった。化合物の新規性調査によく利用されるCAS® Registryファイルに未収載の化合物がPubChemに収録されていることが見いだされたが, そのうちの多くは化合物収録のタイムラグが原因でPubChemのみに収録されているものであった。新規性調査にはRegistryと併せてPubChemを利用したほうがよいと思われた。
  • Pharmacological Actionの付与状況とその応用
    網本 淳子, 石田 修, 松尾 政芳, 中江 貴彦, 中蔦 尚志, 羽田 幸代, 斉藤 郁, 鄭 兆雄, 市岡 剛宏
    2007 年 52 巻 2 号 p. 146-155
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    PubChemは様々なSourceから多数の化合物を収録し, 豊富な検索機能を備えている。しかも無償で使用できることからその有効活用方法を模索した。今回, PubChemにMeSHのPharmacological Actionが付与されたレコードがあることに着目し, その付与状況をMeSHと比較することで検証した。化合物としてはMeSHの約91%がPubChemに収録されていること, 付与された薬理作用はMeSHとほぼ100%同等であることが確認できた。その結果, 構造と活性情報の得られる化合物データベースとしての利用以外にも, PubMedを検索する際の化合物辞書としての利用, 例えば部分構造や物性条件と薬理作用を組み合わせた化合物群に関するPubMedの文献を容易に得られるなど, MeSHを用いた検索では従来難しかった事例にも対応可能なことが見出された。
  • PubChem BioAssayの特徴と創薬情報としての有用性
    小島 史照, 中野 敦子, 清玄 寺雅媛, 中村 文胤, 竹田 英樹
    2007 年 52 巻 2 号 p. 156-162
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    PubChem BioAssayは生理活性情報を有するPubChemのサブセットで, 2007年2月現在, 414の薬理および毒性試験における, およそ37万化合物の構造と, 800万弱の活性データを収録している。その情報はファクトデータであり, 大量にダウンロードして解析することができる。創薬への活用を検討した結果, 1)標的分子が明確な試験は少ない。2)特定の標的分子の活性化合物について, 他のデータベースでは得られない新たな骨格を大幅に増やせる可能性がある。3)既存データベースでは入手困難な「活性がない」という情報を大量に取得できる。以上のことから, 創薬ターゲットを広く俯瞰するような解析には利用できないが, 個々の標的分子のDrug Designにおいて有用なケースもあると思われる。近年, 標的分子が明確な試験データの収録が急速に増加しており, 今後の動向を常に把握していくべきである。
  • 加藤 和夫
    2007 年 52 巻 2 号 p. 163-170
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    医薬品の開発ステージを正しく知ること, それは特許情報や学会発表を調査することあるいは高価な開発品データベース (DB) の活用で可能になる。そのためには各DBの得意な分野, 特徴を見極めて使うことが大切になる。製薬企業が開発にしのぎを削る2型糖尿病の分野でのこれらDBの使用例を紹介する。
  • 中江 貴彦
    2007 年 52 巻 2 号 p. 171-177
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    先行技術文献とは特許文献だけを指すものではない。PCT出願の公開時のInternational Search Reportには, 各国特許調査機関が調査に使用したデータベースが記載されているものがある。これを解析し, どのようなデータベースが調査ツールとして使われているかを調べた。各国特許調査機関では先行技術調査に, 各国特許調査機関専用の調査ツールや商用の特許情報データベースのほかに, 非特許文献を検索するものなどが複数使われていることが明らかとなった。先行技術調査などの特許調査の際には特許文献の調査だけでなく, さまざまな調査ツール使用の可能性を意識する必要がある。
  • 酒井 秀紀, 岩島 誠
    2007 年 52 巻 2 号 p. 178-180
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    富山大学薬学文献研究会は, 主に富山県内製薬関連企業を会員として設立されており, 富山大学医薬学図書館への図書(学術雑誌・書籍, データベースCD-ROM)の寄贈を主な事業としている。本稿では, 薬学文献研究会の歴史や, 薬学部に与えた恩恵などについて述べる。
  • 坂田 宣夫
    2007 年 52 巻 2 号 p. 181-184
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
    最近Web版のプロトコール集が増えてきた。その1つとしてCold Spring Harbor Protocolsを中心に紹介をする。
  • 橋本 登美雄
    2007 年 52 巻 2 号 p. 190-193
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
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