北海道病院薬剤師会会員を対象に, 現在の情報環境, 情報習慣, 医薬品情報ニーズ, および入手した情報の満足度を把握することを目的とした調査を行った。その結果をもとに地域別(札幌圏, 札幌圏以外), 経験年数別(5年以内, 6~10年, 11~20年, 21年以上)病院規模別(200床未満, 200~500床未満, 500床以上)に分けて分析を行った。地域における違いでは札幌圏はパソコン所有者の情報満足度が高かった。また, 地域を問わず, 複写サービス機関がないことを不満に感じており, 「利用可能な医療系大学図書館」を期待していた。さらに経験年数による違いでは, 21年以上の者は薬剤師会から情報を入手していた。「MED-LINE」,「PubMed」などのデータベースは札幌圏で大規模病院に勤務する経験5年以内の者の利用率が高かった。大規模病院と中規模病院に勤務する者は全員が「製薬会社」から文献を入手していた。「製薬会社」および「インターネット」から情報を入手している者は, 情報の質およびその信頼性に対し不安感を抱いており, 確認するための手段として「文献」が必要であると感じていた。薬学系大学図書館は, 提供サービスの積極的なPRや地域の薬剤師会との連携と共に, 薬剤師の置かれている環境を踏まえ, より細かな対応を行うことが必要と考えられた。
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