植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
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45 巻 , 540 号
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  • 江本 義數
    1931 年 45 巻 540 号 p. 551-554
    発行日: 1931年
    公開日: 2007/05/24
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    昨秋、余ハ宮城内生物學御研究室御所藏ノ變形菌標本數個ヲ借覽シタガ、其中ニ「Physarum lateritium 類似、疑問品」トシタ一種ガアツタ、其レハ未ダ嘗テ記載セラレテ居ラヌ品種ト認メラレルモノデアツタガ、其標本ニハ完全ニ成熟ヲ遂ゲタト思ハレル胞子嚢ガ極メテ少數デアツタ。然ルニ今囘再ビ本年八月ノ新御採集ニシテ完全ニ發生ヲ遂ゲタ標本數個ヲ借覽シ、之ヲ基礎トシテ昨年ノ考ヲ確定スルコトヲ得タノデ、茲ニ之ヲ發表スル事トシタ。
    Physarum nasuense sp. nov.
    變形體ハ觀察セラレズ。胞子嚢ハ群生又ハ散生シ、柄ヲ有セズ、橢圓形又ハ短キ枕形ヲナス、時ニハ分岐ス (第一、第二及第三圖)、直徑0.35-0.5mm、赤色 (Eugenia red-Jasper red)1) ヲ呈ス。胞子嚢膜ハ二枚ヨリ成リ、外膜ハ赤色 (Scaret)1)ニシテ軟骨質、内膜ハ淡黄色透明ノ薄膜ニシテ、小石灰粒ヲ含有ス。Hypothallus及ビ軸柱ハ存セズ。細毛體ハ淡黄色纎細ニシテ透明ナル紐ト、淡黄色ノ石灰節トヨリ成リ、其節ニハ濃橙赤色ノ中心部ヲ有シ、形ハ不規則縁邊ハ角張リタルモノ、又ハ圓形ヲナスモノアリ、尚石灰節ノ石灰粒ハ球形ニシテ約 1-3μ ノ直徑ヲ有ス。胞子ハ球形ニシテ紫褐色、直徑 8-10μ、全表面ニ疣状突起アリ (第四圖)。
    産地 栃木縣那須、みづき樹幹ニ著生セシ蘚上並ビニ落葉上ニ發生ス。昭和五年及ビ六年八月。
    次ニ「Clastoderma Debaryianum var. imperatoria (?)」ト記入アル本年八月那須所採ノ一標品ヲモ借覽シタガ、之ハ一昨年三月余2)ガ本誌ニ新變種 imperatoria トシテ發表シタ者ト正ニ同一ノ者デアツタ。余ガ此變種ヲ發表シタ當時、英國ノ G. Lister 女史ハ、書信ノ序ニ此變種ノ特徴トスル細毛體先端ノ小板ニアル網目ハ、果シテ常ニ存在スルカ否カト疑ヲ抱カレタコトガアツタガ、之モ此度借覽シタ豐富ノ材料ニヨツテ、該變種ニハ常ニ此特徴ヲ有スル事ヲ精確ニスル事ヲ得タノデアル。即チ蘚上ニ夥シク發生シタ胞子嚢 (1平方粍ニ就キ5-7個アリ) カラ總計163個ヲ取ツテ檢鏡シタガ、此中網目ノ明瞭ナモノハ105個、稍不明瞭ナモノハ43個、網目ナシト認メタモノハ15個デアツタ。此結果カラ、網目ノ稍不明瞭ナモノ及ビ之ヲ缺クモノハ、恐ラク發生期ノ状態如何ニ因テ生スルモノト考ヘラレルノデアル。サレバ本變種ノ特徴タル細毛體小板ニアル網目ハ常ニ存スルモノト考ヘルノガ至當デアラウ。
    尚一昨年、G. Lister 女史3)ガ記載シタ Hemitrichia imperialis ニ關シテ少シク述ベヤウト思フ。此種ハ初メテ赤坂離宮御内苑ニテ採集セラレタノデアルガ、昨年十月、柳原正氏ガ之ヲ札幌市デ採集シタ、何レノ場合ニ於テモ未ダ其變形體ニ就テノ記載ガ無カツタノデアルガ、余ハ本年十月栃木縣日光ニ於テ、幸ニモ此種ノ變形體ヲ得、其色ハ乳白色デアル事ヲ知リ得タ。
  • 中島 庸三
    1931 年 45 巻 540 号 p. 555-559
    発行日: 1931年
    公開日: 2007/05/24
    ジャーナル フリー
  • 中島 庸三
    1931 年 45 巻 540 号 p. 560-566
    発行日: 1931年
    公開日: 2007/05/24
    ジャーナル フリー
  • 1931 年 45 巻 540 号 p. 567-575
    発行日: 1931年
    公開日: 2013/05/14
    ジャーナル フリー
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