植物学雑誌
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63 巻 , 750 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 國谷 雄三郎
    1950 年 63 巻 750 号 p. 255-259
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    膨壓の變化によつて組織の電氣的條件は一定の變化を來し, 膨壓の増加は電流計にポジテブの振れを, 減少は反對のネガテブの振れを起す。液の上昇によつて膨壓の増加を來す植物では體内の液の上昇は電流計がポジテブの方向に振れることによつてわかる。
    Impatiens balsaminaの鉢植えを用いて, そのしおれかけたものに, 莖に電極を上下2つ装置して實驗を行つた。根より第1接點Aまでの距離をd, 灌水してから電流計の第1反應までの時間をtとすれば, 上昇速度はv=d/tである。次に上昇液流は第2の接點に達し前と反對の方向に電流計が振れる。この第1から第2の反應までの時間をt', 第1第2接點間の距離をd'とすれば, 2點間の移動速度はv'=d'/t'である。根と第1接點との距離は, 第1第2接點間の距離の如くには正確に決定出來ないから, 後者によるのがより正確である。熱電氣法による測定 (KUNIYA 1950) の結果によると, 莖の基部に於ける液流速度は莖の上方部よりも一般に速い。しかし本實驗に於ては, 莖の基部に於ける速度も上方部に於ける速度も大體同程度を示してはいるが, 一般に基部に於けるものが遅くなつている。このことは, 水が根に吸収されるまでに時間を要し, この時間が速度計算に加わるものと考えられるのである。この時は, 二極法 (Di-phasic method) によつて除去することが出來る。
    上昇速度は夫々表に示されている如くである。
    この實驗は, 1948年及び1949年の夏に行つたもので, 東北大學生物學教室山口教授の指導並びに助言を忝うし, 深く感謝する次第である。
  • 今堀 宏三
    1950 年 63 巻 750 号 p. 260-264
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
  • 高嶺 昇, 出田 幸男
    1950 年 63 巻 750 号 p. 265-269
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    三重縣志摩郡菅島村にある名古屋大學理學部附厩臨海實驗所を中心として菅島澹岸に於ける海藻類を昭和19年以來採集に着手し次に記載した線藻19種, 褐藻50種, 紅藻103種を採集した。但し終戰の年の空襲で名大理學部生物學教室が全焼したので之等標本類記録等を焼失したので其次の年から更に再び採集に着手し記録を新にした。稍や深海性のものは引網が職後は設備の都合上出來なかつたので專ら沿岸へ打上げたものを参考資料に供した。尚昭和20年より同22年にかけて日本學術振與會第74小委員會の催しで植物性食品め顯徴鏡的研究をした際に下記海藻の内若干のものにつき其細胞含有物について二三の顯微化學的反應を高嶺が試みた結果をも茲に附した。
  • 澤井 輝男
    1950 年 63 巻 750 号 p. 270-277
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    1. In the plant cell vacuoles, preliminarily stained in vivo with thiazine dyes (but excepting methylene blue), there appear numerous crystals of the dyestuffs, when they are treated with the solutions of thiocyanide, iodide, bromide, chloride or nitrate of alkali metals (Na, K, or Ca). These demixed crystals show various types of spiral shape.
    2. This demixing reaction is accelerated with the increase of the concentration of the dye-solution used, but also related to the sort of the anion of the salt employed, giving the following anion-series, concerning the acceleration of the reaction:
    SCN->I->Br->NO3->Cl-
    3. The same demixing reaction is proved to take place in the mere water solutions of the dyestuffs, when they are treated with solutions of the same salts through a semipermeable membrane of collodion or pig bladder. The anion-series obtained from these model experiments perfectly coincide with the one obtained from the vital stainings of cell vacuoles.
    4. It may be concluded, therefore, that the demixing of the spiral formed thiazine dyes in plant vacuoles has been aroused by a simple reaction of salting-out of dyecrystals in solutions. Although their shapes were various and often curious, no parts would be played by the constituents of cell saps or cytoplasms.
  • 飯島 衛, 平岡 俊佑
    1950 年 63 巻 750 号 p. 278-282
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    A critical study of the occurence of silver nitrate reduction in plant cells was carried out with the following results.
    1) Minimum amount of ascorbic acid (reduced form) clearly detectable with acidified silver nitrate solution after GIROUD is 300mg% at 25°C and 150mg% at 40°C (Table 1). At 25°C, 150mg% ascorbic acid is clearly detectable with a si1ver nitrate solution at pH6. 3 (Table 2).
    2) As a rule, the more contains the tissue ascorbic acid (reduced form), the more markedly occurs the reduction of silver nitrate. But this relation does not hold good in some cases (Table 4).
    3) In most cases, chloroplasts remain colourless when a tissue is treated with acidified silver nitrate solution after GIROUD in darkness.
    4) When the tissue treated with the acidified silver nitrate solution is immersed in ordinary alcohol, the alcohol causes a secondary blackening of chloroplasts.
  • 板橋 美智子, 江上 不二夫
    1950 年 63 巻 750 号 p. 283-287
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
  • 殿村 雄治, 小倉 安之
    1950 年 63 巻 750 号 p. 288-290
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    我々はペルオキシダーゼ及びカタラーゼ反應の速度に及ぼす透電恒數の影響を追求し, こら酵素と基質及び受容艦との三重結合物の速度恒数kDの關係が∂lnk/∂ (D-1/2D+1) const.(正の大きい値) で與えられることを見出した。このことから年重結合物の分解反鷹臨界状態においては蛋白構造を通じての電子の移動の結果新に大きい双極子能率が誘起されいることを推定した。
  • 湯淺 明
    1950 年 63 巻 750 号 p. 291-308
    発行日: 1950年
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    1) シダ植物の葉緑體は, 基質とその中にふくまれた緑ラセン (green spiral) とからなり, 基質の外圍はうすい原形質膜につつまれている。緑ラセンは不規則に廻旋し, 多くは, その上にふくらみをもつ糸で, この中に葉緑素がふくまれている。白色體 (leucoplast) および有色體 (chromoplast) も, その中にラセン構造を藏しているものと思われる。
    2) シダ植物以外の高等植物では, 固定染色したときに, 原則としてラセンづくりがつられるが, ときにラセンは圓板状體に連絡したり (ヒルムシロ屬の1種), また粒状體がラセンの糸によつて結ばれた形 (ハマユウ) となつていることもある。生體でも緑ラセンのみえることが多い。また, デンドロビウムのように同化産物が大部分で, 緑ラセンはきわめて歩なく, したがつて, 粒状にみえることもある。
    3) 目かげまたは暗所におくと, 一様構造にみえた葉緑體にも緑ラセンが明かとなる。2/5MNH4Cl水溶液によつて, コンテリクラマゴケの葉緑體などは, 緑ラセンはふくらんで, ラセンづくりは不明瞭となる。ある植物では, 一様にみえる葉緑體も酸, アルカリ, 固定液などによつて, 緑ラセンを示す。緑ラセンを示す葉緑體は, 日かげまたは暗所に12時間くらいおくと, 緑ラセンはさらに明瞭となる。
    4) 盛に原形質流動をしている細胞中で, 葉緑體は緑ラセンの明瞭な状態と不明瞭な状態との間に, うつり變わりをする場合もある。
    5) 色素體の基礎構造は緑ラセンであるが, granaまたは一様構造との間に天然にも, また人爲的にも可逆的變換がある。つねに緑ラセンを示す植物もある。緑ラセンからgranaにうつるときは, ラセンづくりのみのこして, 葉緑素がgranaにあたる部分にあつまつてgranaを構成し, granaが緑ラセンにうつるときには, 葉緑素がラセンづくり全體にふくまれるようになるものと思われる。
    いろいろな植物の色素體の構造をつぎのように示すことができる。[1] つねに緑ラセンを示すもの (イワヒバ, オモト, サンショウモ, その他多くのシダ植物)。これらの状態は, 人爲的に一様構造に變わることができる。[2] 自然状態で, 一様構造と緑ラセンとの間に轉換するもの (シクモ, フラスモ, ツノゴケその他)。これらの變換は人爲的にも行わせることができる。[3] Granaが細い糸で, つづけちれているもの (ヒルムシロ屬, ハマユウなど)。完全にgranaの状態になつている場合もある。また, granaから緑ラセンにうつり變わる途中の状態にも, このようすのみられることがある (たとえばマツモ)。[4] Grana状と緑ラセン状との間に, 變換しうるもの (スギナ, イヌワラビ, ジャゴケ, タマネギ, マツヨイグサ)。
    6) 色素體の緑ラセンや基質のと, 膨潤, 失潤, 色素體の可逆的凝固などによつて, 緑ラセンの變換は説明できる。
    7) Heitz (1936, 1936) のgranaは, 緑ラセンの光學的斷面, 緑ラセン自身のふくらみ, ちみつにまいた部分, 同化産物である場合のほかに, 實際granaを示して, 緑ラセンとの間に變換する場合もあると考えられる。從來, あみ状, せんい状, 一様, 粒状などと考えられた場合, 電子顯微鏡による像など竜, 緑ラセンを元とのて説明することができる。
    8) 葉緑體の外圍には, 形態學的にはみにくいが, 内部と構造のちがう膜部分があると考え得る。
    9) コンテリクラマゴ, ケタチクラマゴケ, イワヒバなどでは白色體, 有色體, 葉緑體は, 部分によつてふつう型, 二割型, および縦割型の三つの型の分裂を行う。
    10) 分裂に要する時間は, ふつう型は平均約14時間, 二割型は平均約12時間, 縦割型は60分くらいである。色素體分裂と澱粉粒形成との間には, 密接な關係がある。ふつう型の分裂は, 夜は19~ 翌日2時に終るものが多いが, 書間も澱粉形成と關係しつつ分裂がおこなわれており, ほとんどつねに分裂期にあるものがみられる。
    11) イワヒバ屬では, 色素體分裂において, 緑ラセンの行動は規則正しく, とくに縦割型の場合には, そのようすが明かである。しかし, 他の植物では, このような規則正しさは失われている。
    12) 色素體分裂における緑ラセンの行動は, 染色體のラセン糸の行動と似ており, 前者はこれによつて色素體の基本構造が2娘色素體に等しくわけられるしくみであり, 後者は遺傳子が2娘核に等しく分配されるしくみである。また, 色素體と核との構造もラセンづくりで等しいことは, 色素體が元來, 核と關係が深いものではないかということを思わせる。
    13) いろいろな試藥の中に, イワヒバ屬の葉を入れて色素體分裂を行わせてみると, 分裂がやや早くなるもの, 阻害されるものなどがあり, 適當な方法によつて, 分裂促進の可能性があると考えられる。
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