植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
Print ISSN : 0006-808X
ISSN-L : 0006-808X
64 巻 , 751-752 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 亘理 俊次
    1951 年 64 巻 751-752 号 p. 1-7
    発行日: 1951年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    島根縣邇摩郡仁万村坂灘の角礫凝灰岩 (下部中新世) には保存良好な珪化木が多敷包藏されるが, この中にオオウドカヅラ屬 (ブドウ科) の一種が見出された。構造の主要點は次の通りである。年輪は時に不明 瞭。散孔材。管孔は多くは獨立時に少數個の放射列, 獨立管孔は圓形, 薄膜, 最大切線徑220μ; 管孔群の接合膜は肥厚顯著; 導管相互間および柔細胞との間の膜孔は階段状; 薄膜のチロースが多い。繊維状細胞 はすべて隔膜繊維。柔組織は管周状, 概ね1層。髄線は異性, 趣めて高い廣髄線のみからなり幅4-10細胞; 鞘状細胞存在; 髄線中に針晶束を包藏するやや大形で薄膜の細胞が散點, 針晶束は鞘状細胞中めものは縦位, 他は横位をとる。針晶束の存在により類縁考察の範圍を狹めることができ, 結局 Leea の一種であることが判明し, 本屬植物の現在の分布と, これらの構造を比較した上, 一絶滅種と認め, L. eojapo nica Watari とした。
  • 花田 主計
    1951 年 64 巻 751-752 号 p. 8-13
    発行日: 1951年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    カラタチバナ, マンリヨウを材料として, 主として生理解剖學的に葉瘤を研究した結果:
    1. 葉瘤細菌の侵入經路には疑義が殘されて居るが, 外部より氣孔を經て侵入し, 氣孔下内部に葉瘤を形成させるに至ると見るべき節が濃厚である。
    2. 葉瘤細菌は細胞間隙に存し, また細胞内部にも侵入する。細胞内に侵入する方法は氣室下組織の極めて若い細胞の分裂直後の細胞間隙に於ける細菌が, 自體より分泌する化學的物質により, 該若い細胞膜を溶して侵入するもののようである。
    3. 細胞内に侵入した細菌は細胞内にて生活増殖し, 細菌數少量の間は尚細胞分裂に伴つて, 兩娘細胞に入る。
    4. 葉瘤組織は蛋白質を含有する。之には細菌作用の關係があると解せられる。
    5. 葉瘤に連なる維管束末梢は, 篩管部がよく發達してゐる。之は葉瘤内に生成された有機物質を寄主植物に供給する上に役立つものと解せられる。
  • 細井 曉光
    1951 年 64 巻 751-752 号 p. 14-17
    発行日: 1951年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Wagner. R.P., Haddox, C.H., Fuerst, R. and Stone, W.S.1950. The effect of irradiated medium, cyanide and peroxide on the mutation rate in Neurospora. (アカパンカビの突然變異率に對する照射培養基, シアン化物および過酸化物の影響)。Genetics 35: 237-248Stone, Wyss and Haas (1947) や Stone, Haas, Clark および Wyss (1948) は, 紫外線で照射した培養基で培養した Staphylococcus aureus は突然變異をおこすということを報告した。また, 紫外線で細菌を間接處理することによってS. aureus のペニシリンやストレプトマイシンに對する抵抗やmannitol を醗酵しえないことに對する突然變異め割合が増加しうることも示された。このような方法は, 突然變異の誘導や, 突然變異それ自身の問題に新しい道を開いた。これらの問題を研究するために著者らは材料として, Neurospora をえらんだというのは, 有性的の生活史をたやすくコントロールできること, バクテリアの細胞と同じように, 配偶子核声たやすく化學物質處理にさらされうることなどのためである。照射した培養基 のほかに,過酸化水素やシアン化カリをも用いた。それは, Wyss, Clark, Haas および Stone (1948) の報告したように, 過酸化水素は照射培養基の突然變異率に對する影響において重要な役わりをもっているからである。このことを正しいとすれば, シアン化物は過酸化水素をこわす酵素であるカタラーゼの阻害 者であるから, 突然變異誘起におけるその有効性が考えられる。理論的にも, カタラーゼは細胞中の過酸化水素の濃度を突然變異を却こす水準までもっていくものと考えられる。
    この實驗には交雜によつてえたNeurospora crassa の野性型を用いた。紫外線で豫め照射した培養基で分生子を處理した場合にも, 直接, 分生子を過酸化水素シアン化カリで處理した場合にも, かなり高い生化學的突然變異 (biochemical mutation) をえた。この變異は有性生殖を通じて維持された。出現の率は 直接紫外線で照射したものよりは低いが, それと變つてはいない。
    Neurospora におけるこの結果は, Stone 等(1947, 1948)およびWyss 等(1918)のバクテリアにおける結果をたしかめるものであり, 間接の照射によつても突然變異ができ, 照射の結果つくられる突然變異物質の一つと考えられた過酸化水素によつても同様に突然變異のできることを確めるものである。
  • 山下 知治
    1951 年 64 巻 751-752 号 p. 18-25
    発行日: 1951年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    加里供給量を異にし他の條件を可及的等しくして培養したトウゴマ•ワタ兩植物を用い, その發育初期40日間の蒸散量•生長量及び培養を打ち切った際の植物發各部の含水量•組織 粉末の容積•比重•吸濕度を測定し蒸散効果•所謂全體蒸散體及びその書夜比の算出を行い加里との關係を檢討した。本研究では根の生長量々も算入したいわゆる全體蒸散度なるものを比較することの必要を認め, 根の採取秤量を正確に行い得る樣に水耕法を用いた。實驗結果の表示には, 本研究の如き場合は從來慣用の諸表示法では夫々に誤差を伴う虞れがあるから, 專ら組織粉末法を用い, その立場から加里の水分生理學的役割を究明しようとした。成果は:
    1) 個體當り生長量(組織粉末容積)は加里の供給量減少に伴つて著しく減少し, 特に根 においてそれが顯著であった。
    2) 個體當り蒸散量も亦加里供給量と平行的に増減した。
    3) 加里供給量の減少に伴う生長量の減少率は蒸散量のそれよりも大であり, 從つて蒸散効果は加里供給量の減少によつて低下した。
    4) 植物體各部の含水度•組織粉末比重•同粉末吸濕度は何れも加里供給量とほぼ平行關係にあることが確認された。これらの事實から加里は植物體内の物質充實度を高め, 從つてまた植物體の水分保留力を木ならしめるものと推定され, 同時に加里供給量の異る植物體内の水分生理學的性能を診斷する上に, 組織粉末法を利用することの効果が認められた。
    5) 含水度•組織粉末比重及び吸濕度の測定成績から見て, 加里は特に根の吸水力•保水力を増すことに關與すると推定された。
    6) 書間 (6時-18時) の蒸散量と夜間 (18時-6時) のそれとの比は加里供給量と平行 的に増減した。すなわち加里の供給は書夜による蒸散作用の變化の幅を大ならしめた。
    7) 地下部の量をも算入しての植物體全體の組織粉末單位容積當りの單位時間内全蒸散量を全體蒸散度と稱え, これで表わした蒸散度は書夜共に加里供給量と反比例的關係を示した。
    8) 夜間における蒸散度の低下率は加里供給量の少い區において小であり, 從つて加里の減少に件う蒸散度の増大は書間よりも夜間において大である。
    9) 以上を綜合して本研究は, 加里が植物體の吸水力或は水分保留力の強化•水分浪費の 防禦•蒸散作用の調節等を通じてその水分經濟を有利に保ち, 蒸散効果を大ならしめるものであることを組織粉末法の立場から新たに確認したものということが出來る。
  • 服部 新佐
    1951 年 64 巻 751-752 号 p. 26
    発行日: 1951年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top