本研究においてはジヤガイモ二倍体田山種の体細胞染色体と減数分裂における染色体の行動について調べた。
24ケの体細胞染色体中, 2対の附隨体染色体と, 1対の形態的異型の染色体の存在することを明らかにした。
日々の高気温の影響により, 減数分裂における染色体の異常行動や花粉粒形成などの異常がみられたが, 特に1対の染色体の先行的分離の行動は体細胞における1対の異型染色体との関連性が考えられ, 田山種の雜種性であることを示唆する。
しかし適温においては田山種は二倍体として多くの稔性ある花粉粒を生するので, その雜種性は高度の親和性をもつゲノムより構成されているが, 高温によつてその親和性は容易に乱されるものと推測される。
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