植物学雑誌
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71 巻 , 844 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 山田 義男
    1958 年 71 巻 844 号 p. 319-325
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    花粉の生長に必須な微量金属要素をきめるために, キレート試薬, 種々の重金属 (硫酸塩として与えた)ならびにこれらの金属キレート化合物が花粉粒の発芽, 花粉管の伸長および花粉粒の呼吸におよぼす影響をしらべた。 用いた材料は主としてテッポウユリ (Lilium longiflorum) である。 その結果, コバルトのいちじるしい効果を見いだした。
    すなわち, Co イオンは単独で花粉の生長にいちじるしい促進効果を示し, 同時に酸素消費も明らかに対照よりも増加した。 さらに, EDTA, oxine の毒性はコバルトの添加により抑制されるのみならず, むしろ促進効果を示した。 なお, マンガンにも多少このような拮抗作用が認められた。これに反して, 他の重金属の添加はキレート試薬の毒性をさらに増大させた。
    以上のことから, 少くともテッポウユリでは, Co イオンはその生理的機能は不明ではあるが, 花粉の生長に必須な微量金属要素であると推定される。
  • 植田 利喜造
    1958 年 71 巻 844 号 p. 326-334
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    生細胞をすりつぶし法などで破壊して葉緑体を細胞外にとり出すと光合成は行われなくなるが, 最近Arnon ら(1954, 1955)は同じすりつぶし法で遊離したホウレンソウの葉緑体が完全な光合成系であることを唱え, 続いて Thomas ら (1955, 1957) はアオミドロの遊離葉緑体でも生細胞でと同程度の光合成を行うことを報じた。
    私は1949年にオオカナダモやアオミドロの細胞を用いて, 超音波作用で葉緑体や葉緑体片を液胞内に遊離させ, それらが光でデンプン形成を行うことを予報した。
    ここではその後に得た実験結果をも加えて, これらの遊離葉緑体の光合成によるデンプン形成について, より詳しく報じた。 その大要は次のごとくである。
    1. 適当な強さの超音波作用でオオカナダモの葉の葉緑体や, アオミドロの葉緑体片を液胞内に遊離させることができる。
    2. これらの遊離葉緑休は細胞質や核を伴う葉緑体の場合よりも多量のデンプンを形成する。
    3. 遊離葉緑体は生きた細胞の液胞内で55日間も生きている。
    4. オオカナダモの遊離葉緑体は正常な緑色であり, その母原形質内の葉緑体はしだいに小さく, また黄化し, 退化の徴候を示すが, アオミドロでは遊離葉緑体片だけでなく母原形質内の葉緑体も緑色のままである。
    5. デンプン形成能をもつ遊離葉緑体が真に細胞質を伴っていなかったかどうか, また光合成能がないとされた遊離葉緑体は, 遊離に際してその微細構造に物理化学的変化をうけなかったかどうかについて論議した。
  • 木下 祝郎, 板垣 史郎
    1958 年 71 巻 844 号 p. 335-342
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    一般的な細胞学的研究に関連して, 放線菌胞子の核物質の観察を行い, A群に属する 9 株につき報告した。
    (1) 6株はほぼ完全に単核である。 核の形は, 一般に球形または楕円形である。
    (2) 4株, すなわち S. coelicolor 9023 (13%), S. griseoluteus P-37 (6.5%), S.griseoflavus #305(4%) および S. albogriseolus NRRL-B-1305 (稀) において 2 核を認めた。
    (3) S. griseoluteus P-37 において, きわめてまれながら, 明らかに核を認めた。 4核以上の多核胞子は 9 株中いずれにも認められなかった。
    (4) S. coelicolor 9023, S. griseoflavus #305, S.griseoluteus P-37 およびS.albogriseolus NRRL-B-1305 の 4株において, 桿状あるいは亜鈴形核を認めた。
    (5) S. flavovirens ATCC-3320 において, 異常大型核を認めた。
  • 中沢 信午
    1958 年 71 巻 844 号 p. 343-346
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    (1) スギモク Coccophora Langsdorfii では未受精卵の表面の数カ所において透明な小突起を生じ, それらは囲卵腔に放出される。 放出された小体の数は 1 個から数個におよび, 小体の中央はアセトカーミンで染色される。 これは小体が核物質をもつことを示す。
    (2) 小体の放出は蔵卵器の減数分裂によって生じた8個のハプロイド核のうち不用の核 (理論上7個)の全部あるいは一部が排除される現象とみられる。
    (3) 受精後約 1 時間たつと小体の放出はおこらなくなる。 これは受精によって卵膜の性質に変化がおこっていることをあらわす。
  • 広瀬 弘幸
    1958 年 71 巻 844 号 p. 347-352
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. ラン藻類の一員とされ, Cyanidium caldarium の名で通っていた温泉藻の1種, イデユコゴメの特徴が, 著者のすでに行った研究と今回の研究とにより, さらに深く明らかにされた。その特徴を列記すると。
    (1) 植物体は単細胞性で, 球形を呈する。
    (2) 単細胞性の1個体細胞は1個の扁在した布状の葉緑体を有し, 葉緑体上にはピレノイドは存しない。
    (3) 本植物の生殖はつねに内生胞子形成だけによる。
    (4) 細胞内に存する色素の種類は, 葉緑素aと, フィコシアンだけであって, 葉緑素bもフィコエリトリンも存しない。
    (5) 光合成による炭酸同化産物として, けっしてでんぷんを作ることはない。紅藻でんぷん, あるいはグリコーゲン, あるいは可溶性のデキストリンであるかと想像される。
    (6) 原形質の分化として, ラン藻にみられるような, 中心質と周辺質との別ではなくて, はっきりした外形をもった, 染色質の明らかな集合体, すなわち核とよばれる構造を呈する。
    2. チノリモ科のすべての属とPhragmonema科のPhragmonema属の, それぞれの特徴をチャート式に比較した。
    3. 最後的結論として, イデユコゴメはラン藻類に所属するものではなく, 紅藻に所属すべきものであり, チノリモ科の新属とみなさるべきことを主張し, 新属名として Rhodococcus なる名前を与え, 種名として Rhodococcus caldarius (Tilden) Hirose の名を与える。
  • Feng-hwai CHEN
    1958 年 71 巻 844 号 p. 353-358
    発行日: 1958年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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