植物学雑誌
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72 巻 , 857-858 号
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  • 塙 順
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 425-431
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ゴマの発芽胚および芽生えの茎頂を対生する第一葉原基を通る面で縦に切る手術を行ない, それの第一葉の形成に及ぼす効果をみた。手術を種まきの1日後に行なうと, 原基の半分から生じた第一葉はほとんど正常な形態をもち, 位置も対生のままであった。これは種まき前に手術を行なうと第一葉が対生の位置から互いに接近して双生葉となる1),2)ことと対照的である。この差異は種まき後24時間内に, 頂端分裂組織の分化が進行して, 手術に対する反応が異なつてくることの結果であろう。種まきから2日以後の手術では, 第一葉は再生が不充分で葉身の片側に欠損ができる。欠損部は手術の時期がおそくなるにつれて, 葉身の基部から先端部へひろがり, 4日後の手術では葉身の片側が全く形成されない。葉の発育段階と, 手術による葉身の欠損とを対照してみると次のことが明らかである, すなわち, 葉原基は, buttress の時期には, 二分されても完全な葉を形成する能力がある ; 葉原基は, 頂端生長を続けている時期には, 二分されても, 葉の先端部はなお左右に等しい葉身を展開することができる ; しかし頂端生長が終り, 葉縁分裂組織の活動が始まったのちは, 縦に二分された葉原基は, 葉身の片側を形成する能力を失なう。葉原基の生長に伴なう形成能力の減退は, 中肋の維管束系の構成の不完全さにも見られる。すなわち手術の時期がおそくなるにつれて主脈からの枝脈は省略されてしまう。しかし, 葉原基が縦に二分されたときは, 前形成層は切断面に露出していた筈であるが, 後に維管束は中肋の中心部に分化している。それゆえ, 前形成層は皮層や表皮の組織を形成する能力があると考えられる。
  • 阿部 幸頴, 後藤 寛治
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 432-437
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ナス6品種の花•茎および果皮のアントシアン色素をペーパー•クロマトグラフイで調べた結果, ビルマ,仙台長1号, 真墨, 帯紫およびエメラルドの主色素は Nasunin にRf値が一致し, ブラツク•ビユーテイーの主色素は Delphinidin 3-glucorhamnoside と一致した。また, ビルマから分離した主色素はp-hydroxycinnamoyldelphinidin 3,5-diglucosideに更に rhamnose の結合したものであることが判った。
    ビルマ×ブラツク•ビユーテイーの雑種第2代までの植物について茎および果皮の色素を調べたところ,同一個体内では果皮と茎との主色素は同一であり, F1植物はビルマ型組成をとり, F2植物ではビルマ型組成をもつものとブラツク•ビユーテイー型組成を示すものとが3:1の比で分離した。したがつて, 両色素の間の acylation と glycosidation に関する差異は一対の対立遺伝子の作用によると考えられる。
  • 村上 浩
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 438-442
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    先に, 著者は, ペーパークロマトグラフイーに, イネ苗試験法を併用して, マメ科の末熟種子にジベレリン が含まれていることを明らかにした。本報告には, 同様な方法を用いて, 双子葉植物の完熟種子にも広く, ジ ベレリンが含くまれているか否かを調査した結果が記されてあるヒマワリ, レタス, キウリ, スイカ, ヘチマ, ネナシカズラ, アサガオ, ルコウソウ, サツマイモ, ヨルガオ, フウセンカズラ, ノウゼンハレン, ルーピン, ソラマメ, ンゴの完熟種子にはジベレリンが含まれていた。 トマト, ナツダイダイ, ダイコンの種子では検出しえなかった。一般に, 「よじのぼり植物」の種子には, ジ ベレリンの含量が多く, 特に, ヒルガオ科の完熟種子は, 1g. 当り, 0.1~1μg. のジベレリンAに相当する 量があった
  • 奥田 光郎
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 443-445
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    アサガオのわい性種“木立”とつる性種“紫”の両種の芽生の生長点に1000ppm.のジベレリン水溶 液を滴下し,処理後10日目に観察した。
    アサガオの茎の伸長に対するジベレリンの効果は,つる性種におけるよりもわい性種においていじるしい。 細胞の大きさに対する影響は,植物体の部位によつて異なり,細胞の大きさは一般に縦の方向には長くなり, 横の方向には小さくなる。ただし胚軸の細胞では横径の増加が見られる。
    茎の伸長は,胚軸では主として細胞の伸長によるが,節間細胞では細胞の分裂と伸長との両方による。生 長点における葉の原基の分化もジベレリン処理によつて促進される。
    ジベレリン処理をした植物の第一節間では,形成層の作用は活澱でなくなり,木部の細胞は細胞膜がいち じるしく肥厚している。この厚膜化した組織は茎の周辺に環状を呈している。細胞膜の肥厚の促進は内しょ うの細胞にも見られる。
    ジベレリン処理による形成層の不活性化,および細胞膜の肥厚の顕著な促進作用とは,ジベレリンの開花 促進作用と関係のあるものかもしれない。
  • 野本 宣夫, 笠永 博美, 門司 正三
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 450-455
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    サワラの切枝について冬期の光合成が測定され,またその物質生産が春から夏にかけての値と比較され ながら論ぜられた。冬にサワラは葉を褐色に変色しているものと緑色のままのものとがあるが,前者の Chlorophy11含量は後者の約1/2であった。冬の見かけの光合成速度は緑色葉では2月中旬に実験温度 10。,光飽和のもとで0.82mg.CO2/9.(生量)/hr.で8月の最大値の約1/3であった。褐色葉では最大 光合成速度がさらにいちじるしく低下していると同時に補償点が極端に高くなつていることが確かめられた。
    異なった季節におけるサワラ同化器官の1日の物質生産をそれぞれ一定の温度条件で得られた光・光合成 曲線にもとずいて算出すると,緑色葉では冬期の見かけの光合成がかなり広い温度範囲で正の値を示してい るにもかかわらず,正の物質生産の可能なのは10。附近の比較的低い温度条件下のみに限られていることが わかった。冬の最適条件下でサワラの緑葉19は1日に3・1mg・の物質生産を行なうことができるが,こ れは夏の最大値のほぼ1/6である。さらに複色葉ではこの値は約1/15に低下している。
  • 沼田 真, 浅野 貞夫
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 456-461
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    In the description of plants some observations from the standpoint of the lifeform were not uncertain. We discussed some of ambiguous types of life-forms in the previous paper (Report II, 1956). After Raunkiaer, “Geophytes include land plants whose surviving buds or shoot-apices are borne on subterranean shoots at a distance from the surface of the ground” (1934, p. 64). On the contrary, “all hemicryptophytes have their surviving buds or shoot-apices situated in the soil-surface” (p. 41), and “the buds do not come above the surface of the ground” (p. 40). The difference between the expressions “at a distance from the soil-surface” and “in the soil-surface” is sometimes very nice, especially in shallow geophytes.
    We measured as many individuals of doubtful species as possible at different habitats (Figs. 1-10, Tables 1-3). That explains the matter there are variable species such as Desmodium racemosum and Vicia unijuga, and little-variable ones such as Ligularia tussilaginea. In the former a geophyte in a statistical meaning is sometimes like a hemicryptophyte or a chamaephyte as shown in Table 2. And the type of the life-form of species forming a dead centre (Figs. 1-2) is too apt to be misjudged in a season when the clonal connection breaks. The position characteristic of the surviving bud of variable species (Table 2) is considered to some extent as an indicator criterion, but in other plants the value as an indicator is little.
  • 柴田 治
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 462-465
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. The photoperiodic responses of a short-day plant, Salvinia natans, were studied by supplying with the organic acids of citric acid cycle. The acids used were citric, succinic, fumaric and malic acids, added to the culture solution only during the dark period.
    2. The developments of the sporocarps were inhibited by the citric acid of all Nov.-Dec. 1959 Bot. Mag. Tokyo, Vol. 72, Nos. 857-858 465 the concentrations tested, while in succinic, fumaric or malic acid of lower concentrations their developments were more or less accelerated, especially by the succinic acid.
    3. The inhibiting effect of citric acid on the photoperiodic induction was not found when the other acids were also used at the same time.
    These facts seem to suggest that the effect of citric acid on a process of the photoperiodic induction was antagonistic with that of the others, though all the acids used were available as the substitutes of carbohydrate required for the development of the sporocarps.
    4. The malonic acid combined with the acids other than citric acid made some decreases in the photoinductive effect, whereas it was notably increased when the former acid was used alone. In citric acid, however, no such decreases were observed.
    5. These facts seem to indicate that a relative quantity of the organic acids in the plants may be an important factor for an alternation from the vegetative to the reproductive phase.
  • 板垣 史郎, 古川 稔, 木下 祝郎
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 466-473
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    193株の放線菌の胞子につき電子顕微鏡観察をおこない, Pridham らの sporophore の分類に従った sporophore の形態と, 胞子の電子顕微鏡的形態の連性をしらべ電子顕微鏡的微細構造を分類上利用しうる可能性を示した。
    1. 胞子の形は spherical, ellipsoidal および cylindrical に大別されるが, この間は連続的に変化するもので, 同一菌株についてもかならずしもその形態, 大いさの斉一度は一定のものではない。
    2. 胞子の表面構造については smooth, rough, granular, short-spiny, spiny および hairy にわ(第3表) S. griseus 群の育成歴史470 植物学雑誌 第72巻 第857-858号 1959年11-12月けられる。著者らの観察した範囲では wrinkled は認められなかった。
    3. granular, spiny および hairy のごとき構造をもつ20株は, いづれも spira に属していた。
  • 有安 勉
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 473-476
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. The present work was carried out to investigate experimentally if the germination percentage and the pollen tube growth are different among various densities of pollen grains put on sucrose agar media.
    2. These pollen grains of the following plant species Camellia sinensis, C. japonica, Iris pseudacorus, Lathyrus odoratus and Oenothera Lamarkiana were used for this purpose.
    3. The greater the number of the grouping grains became the more the germination percentage and the tube growth increased. The difference of the tube growth was most conspicuous when a single isolated grain was compared with the two grains grouping set side by side.
    4. A group consisting of five or six pollen grains secures the best growth of the pollen tube on agar media, whereas more grouping grains are required to gain the best germination percentage.
    5. It was discussed that certain substances might take part in the increment of germination percentage and the acceleration of pollen tube growth.
  • 柴田 治
    1959 年 72 巻 857-858 号 p. 477
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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