植物学雑誌
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72 巻 , 848 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 中沢 信午
    1959 年 72 巻 848 号 p. 23-26
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    (1) スギナ (Equisetum arvense) の胞子は多くのミトコンドリアを有し, それらは10,000gの遠心力で遠心端に集められ?る (図1A). 正常の発芽にあたり, ミトコンドリアは仮根細胞にも原糸体細胞にも含まれている (図1 B, C).
    (2) コルキシンを含むクノープ液で胞子を培養し, 一側に尖った (卵形) 有極的な巨大化をおこさせることができた(図1E). この巨大化に有効なコルキシン濃度は0.01~0.05%であった.
    (3) 巨大化した胞子は培養液をとりかえないかぎり仮根を形成しない。他方において, 巨大化した胞子にはミトコンドリアがまったくないか, またはほとんど含まれていない(図1D). 巨大化した胞子をコルキシンを含まないクノープ液にうつすと仮根形成がおこり, また原糸体が発生する。このとき, 原糸体細胞にはやはりミトコンドリアが欠乏しているが(図1F), 形成された仮根内には正常の発芽におけると同じく多数のミトコンドリアがふたたび出現する。
  • 佐伯 敏郎, 黒岩 澄雄
    1959 年 72 巻 848 号 p. 27-35
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    層別刈取法によってえられる陸上植物群落の葉の垂直分布は多くの群落で共通であり, また湖沼の植物プランクトンの停滞期における垂直分布も同様である。光合成系の垂直分布のこのように広い共通性を説明するために, 次の仮定 -群落内の任意の深さにおける光合成系の量がそこでの生産力に比例して形成される-と, 光と光合成系の既知の量的関係から, 光と光合成系の垂直分布の形を数式化した(式(5),(6))。呼吸は光合成にくらべて小さいので, これを省略すると一層簡単な式(7)と(8)になる。これらの理論式からえられる光合式系の垂直分布の形 (Fig. 2) はしばしばあらわれる植物プランクトンの分布の形とよくにており, 陸上群落でも分布形の下の部分をよく表現する。これの実験的証明をうるため, 同形のシャーレを7~12段積み重ね, その側面を黒紙でおおい, 光は最上段の上部から透入するだけとし, 各シャーレには等量のChlorella ellipsoideaを入れ, 温室内で培養した。日時とともに各段のシヤーレにおける生長量と光の分布に差があらわれ (Fig. 3), それらは理論式から計算される垂直分布 (Fig. 2) とよく一致した。また陸上植物群落の葉の垂直分布は最上部の形において理論式のそれと差があるが, われわれは高等植物特有の形態を考慮して, 実際の分布形に一致する新しい理論式(10)を導きだした(Fig. 5)。また群落密度の変化に応じて生ずる分布形の変化も同じ式から導きうる。以上のべた光合或系の垂直分布を中心とする生産構造と, 生産力, および植吻と環境の相互作用の意義を理論式を通じて明らかにした。
  • 村上 浩
    1959 年 72 巻 848 号 p. 36-43
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ジベレリンは高等植物にも含まれていることが最近明らかになりつつある。本報告では, マメ科に属する15種の植物の未熟な種子のエーテル抽出物について, ペーパークロマトグラフイーに生物検定法を併用し,ジベレリンおよびオーキシンの分布を調べた。アンモニア性イソプロピルアルコールで展開すると, 二種のジベレリン類似の作用力がみられた。一つは, ジベレリンと同じRf値であり, 他は, 既知のジベレリンとはちがったRf値で, 新しい物質である。オーキシンについては, IAA, IANおよび “Accelerator α”.相当するRf値に作用力がみられた。このように, ジベレリンは高等植物にもみいだされ, 植物の伸長現象において, その役割の重要性が暗示される。
  • 植田 利喜造
    1959 年 72 巻 848 号 p. 44-50
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. 茎から切り離したオオカナダモの葉の中肋細胞を原形質分離させると, 一つの細胞内で有核•無核の原形質片や葉緑体集団が得られる。
    2. 無核の原形質片内の葉緑体や葉緑体集団は緑色のままで, 核なしでデンプン粒を蓄積するが, 有核の原形質片内の葉緑体は大きさや色や構造が変化し, しだいに退化してデンプン粒は消失する。
    3. デンプン粒を蓄積した葉緑体を遠心力の作用や原形質分離復帰によつて, 有核の母原形質内にもどすと, 光があつても葉緑体内のデンプン粒は数日内に急速に消失する。
    4. このような実験からオオカナダモの葉では, 葉緑体内のデンプン粒の消化には核が重要な役割を演じていることが推考される。
  • 板垣 史郎, 木下 祝郎
    1959 年 72 巻 848 号 p. 51-57
    発行日: 1959年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    木下等により発見され, Micrococcus glutamicusと命名された菌につき, 若干の細胞学的検討を行なって二, 三の知見をえた,
    1. Methylene blue および Giemsa で染出される極在性の小顆粒が認められた。本顆粒は合成培地で培養することにより顕著に生ずるが, とくに培養の初期にはっきり認められる。
    2. Cell wall 染色により長肥大桿菌形態のものは不完全分裂に基因する multicellular であることを確認した。
    3. 合成培地において, biotin 量を10γ/l.以上添加すれば完全分裂を行ない, ほとんど septaが認められない。
    4. 本菌の核分裂は無糸分裂による。
    5. 本菌は抗酸性をもたない。
    6. Glycogen および granulose をもたない。
    7. Fat droplet が認められる。
    8. Capsule の存在は認められない。
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