1) 暗期前近赤外光をほとんど含まない10ルックス程度の昼光色螢光燈の光を8時間与えると, 限界暗期は6~8時間短縮される。
2) 上記の光に近赤外光 (120erg/cm
2./sec.)をまぜた場合, および近赤外光のみ(200erg/cm
2./sec.)を与えた場合は, 限界暗期は約4時間短縮されるに過ぎない。
3) 暗期反応の最初の6時間は10~25ルックスの昼光色螢光燈下で充分進行し得るが500ルックスではほとんど進行し得ないようである。
4) 昼光色螢光燈, または近赤外の非常に弱い光を16時間与えた場合, 開花を阻止する最低限の光の強さは, 前者で5~25erg/cm
2./sec.(1~5ルックス),後者で50~200erg/cm
2./sec.である。
5) 暗期の前後に6時間づつ10ルックスの昼光色螢光燈の光を与えると, わずか4時間の暗期で開花するようになる。
開花に必要な暗期の初期段階は, 10~25ルックス程度の弱光, または近赤外光の下で進行し得るものと考えられる。たゞ近赤外光は, 同時に其後の暗期反応を抑制すると考えられるので
2, 暗期前に近赤外光を与えた場合の限界暗期の短縮はそれ程顕著でない。
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