植物学雑誌
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74 巻 , 881-882 号
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  • 大島 康行
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 473-479
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    すでに報告した16-18)ササ群落の生産構造と生理機能の解析結果を基礎にして, 北海道ワイスホルン山のよく発達したおなじチシマザサ群落の物質生産をもとめ, さらに生産された物質の各器官への分配を量的に解析した.
    月平均の最高の日総生産量, 生育期間を通じての平均の日総生産量, および年総生産量は, 乾物あたりそれぞれ36g./m. 2, 28g./m. 2, 4.76kg./m. 2 に達した. この高い総生産量はおもに, 約6か月の生育期間中, 葉の高い光合成能力とその生産構造が一定の活動的な状態に維持されているためである. 一方,1あたりの呼吸消費量は乾物で夏季に最高の18.6g./m. 2 冬に最低の4.0g./m. 2, 年呼吸消費量は3.03kg./m. 2であった. この高い値はおもに非同化器官の量が大きいこと, およびその高い呼吸能18)のためである. 年総生産量と年呼吸消費量の差から得られた年純生産量は 1.73kg./m. 2 となり, すでに報告した17)各器官の年間の増分から直接に得た年純生産量 1.6kg./m. 2とほぼ同じである。
    年総生産量のうち年呼吸消費量の割合は 65%, また新しい葉の生産と, 葉の呼吸に使われる割合は22%であった. また年呼吸消費量のうち葉の呼吸消費量の占める割合は 24%, 年純生産量に対する新生葉の割合は 19% であった. 年総生産量のうち 25% は地下部と古い桿に貯蔵物質として貯蔵され, これら貯蔵物質のうち翌年新しい器官の形成に使われる量は年純生産量の約 35% にあたる.
    チシマザサ群落の示す高い現存量は, おもに高い純生産量と, 純生産量の非同化器官への分配の割合の大きいこと, および非同化器官の寿命が約10年であることによっていることが明らかになった.
  • 柳下 登
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 480-489
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    トウガラシ (Capsicum annuum L.) の2品種を用いて, 反復つぎ木によるつぎ木雑種の追試験をおこなった.
    つぎ木を3代くりかえしたつぎ穂植物 (ヤツブサ) の果実に, 台木植物 (アマトウガラシ) の果形の特徴があらわれた. この特徴は, その果実からえられた第1および第 2 の自家受精世代に伝えられた.変異果の出現率は, 1代しかつぎ木しなかった同一材料の第1および第2の自家受精世代のそれよりも, かなり高くなっていた.
    本研究の第1報と第2報とに記した実験結果を総括して, ここで論議した.
  • 鈴木 静夫
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 490-493
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    湖水および湖沼の特性を細菌の繁殖力によって推定する方法の基礎実験として, 二, 三の観察を行なった. 採集した湖水の水を滅菌し, この中に湖沼型を異にする湖水から分離した細菌を入れ, 一定条件の下で細菌の繁殖を観察すると, 湖沼型によって細菌の増殖率が異なる. これは, 各型の湖沼に棲息する細菌の性質が畑なることを示している. 調和湖のうちでも, 富栄養型, 中栄養型, 貧栄養型によって細菌の増殖のようすが異なる.
    湖泥の場合にも, 湖沼型によって同様の差異が見られ, いずれも調和湖の泥で細菌の繁殖が良好であった. これは湖泥の pH 値と関係しているものと思われる.
  • 武久 慎
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 494-497
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    葉の分裂細胞でペチュニアの染色体を調べていた際, 偶然二倍体ペチュニア (Petunia hybrida) の園芸品種名 “Snow Ball” と呼ぼれる系統のものの中の一株が, Aneusomaty を示しているのを見出した.この現象はこの個体の総ての葉に共通して起こっているのではない. 2n=14 の正常な染色体数からの変化がほとんど 3nと 4n との間にあることから, その原因と出現機構について簡単に考察した.
  • 板垣 史郎, 木幡 守, 木下 祝郎
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 498-508
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Micrococcus glutamicus はクエン酸ナトリウムあるいはリンゴ酸ナトリウムを添加した合成培地中で伸長肥大, ときに分岐などのごとく, いちじるしい形態変化をおこなうことを知った (前報) ので,さらにこのような効果をしめす物質を探求し, つぎのごとき諸点を明らかにした.
    1. クエン酸の種々の塩類のうち, ナトリウム塩に相当する効果を示すものはアンモニウム塩とカリウム塩のみである. カチオンの影響が強い.
    2. 種々の有機酸のうち, シュゥ酸のナトリウム塩は強い伸長肥大分岐効果をしめす.
    3. アミノ酸類は一般には生育を促進するが L-システィンは 50~100mg/ml の濃度で生育を阻害し, 50mg/ml の添加により伸長肥大菌を形成する.
    4. ペニシリン低濃度 (0.6~2.0mcg/ml) 添加によりいちじるしい多細胞体の形成をみた. このときの菌長は数 10μ に達する. ペニシリン添加により形成される多細胞体は, ビオチンを 100γ/l 添加することにより形成されなくなる. このことより,ペニシリンは細胞質分裂阻害より, むしろ細胞分離阻害と考えられる.
    5. ストレプトマイシンは菌形態を小型化ぜしめる. 0.4~0.8mcg/ml 添加により, 菌体中にかなり大きい液胞様構造が出現する.
    6. マイトマイシン C は, 0.2~0.8mcg/ml 添加によりいちじるしい多細胞体の形成をみ, 菌全長はときに10μを越えることもある. このような菌は, 概して末端細胞は膨大化し, いわゆるこん棒状を呈するが, その反対に, 末端が縮小したものもよく観察された.
  • 井上 浩
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 509-513
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ナンジャモンジャゴケのミクロトーム切片を作成して研究した結果, 次のことが明らかとなった.
    1.茎の生長点では, 1個の大形な頂端細胞とこれに三面で接する3個の大形細胞がみられる. 頂端細胞の分裂によって形成された3個の細胞は, ほぼ同じ大きさで背腹性を示さない.
    2. 茎の生長点付近では, 葉は頂端細胞の各分裂面に対し一葉づつ形成され, 各葉はらせん状に配列する. 茎頂部をはなれるにつれ, 各葉は位置にねじれを生じている.
    3. 造卵器の腹部は2~3細胞層の壁をもち, けい細胞は6列に配列する. 造卵器は葉と同じ起原をもち, 葉よりの分化程度は少ない.
    4. 分枝は, 茎の表皮細胞から1~2層内部の細胞が分裂組織となって形成される.
    5. ナンジャモンジャゴケの造卵器および生長点の構造は蘚類との密接な関係を示すことが多い.
  • 肥田 美知子
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 514-518
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. The bark of the twigs of Metasequoia cracks lengthwise when it is about one year old, while the bark of two to four year old twigs splits in rings. The thick periderm which covers the trunk splits vertically and gradually sloughs away from the surface.
    2. The surface of the bark of 2-4 year old twigs which peels off in rings is covered with numerous brown particles. These particles are giant cork cells. They are spherical or ellipsoidal in shape and averaging about 14, 600μ2 in their surface area. Those cells originate from the expanded parenchyma of the bast, taking a spherical or ellipsoidal shape and then separate from the tissue. The phenomenon is characteristic of the bark of Metasequoia.
    3. The first cork cambium initiates in the middle of the cortex and the 2nd periderm arises from the pericycle. The periderm of twigs of more than three years old originates in the phloem.
  • 坪 由宏
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 519-523
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    When light-grown plate culture of Chlamydomonas moewusii var. rotunda was flooded with liquid medium and kept in the dark, gamete-cells were obtained. Mating in such dark cells was poor; the activity, however, was increased by illuminating the cells. If the illuminated cells, of any mating type were mixed together in the dark with dark cells of the opposite mating type, the yield of mating pairs was as high as that obtained in a mixture of illuminated cells and the illuminated partners.
    Furthermore, it was demonstrated that the supernatant of illuminated cultures enhanced non-specifically the mating activity of dark cells. The active principle differed from that for the chemotaxis reported (Tsubo, Y., 1957; 1961) in (1) that it was heatunstable, and (2) that it was detected in cultures of both mating types. Some substances on Krebs cycle seemed to increase the mating activity of dark cells, but illumination definitely gave a higher activity.
  • 竹村 英一
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 524-531
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. L. sprengeriL. straminea の人工雑種を作り出して, その形態学的および細胞学的特徴を調べた.
    2. 人工雑種は, 外部形態的には両親植物の中間型を示すが, どちらかといえば L. straminea に近似である.
    3. 核学的には根端細胞において, 2n=19=3V+16Rを示し, 異質二倍体で, 染色体数は両親植物の半数染色体数の和である.
    4. 花粉母細胞の第一分裂前期において, V形染色体の両腕に棒形染色体がそれぞれ1個ずつ対合した異形三価染色体を形成する. このことは, ヒガンバナ属に見られるV形染色体は棒形染色体2個に相当し, 棒形染色体の癒合によって生じたという稲荷山の見解を裏付けるものである.
    5. この人工雑種は, 外部形態および染色体構成の上から, 異質三倍体である L. squamigera (ナツズイセン) の二倍体にあたるものと見なされる.
  • 中村 輝子, 石井 愃義, 八巻 敏雄
    1961 年 74 巻 881-882 号 p. 532
    発行日: 1961年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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