植物学雑誌
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75 巻, 893 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 柴田 萬年, 高桑 昇, 石倉 成行
    1962 年 75 巻 893 号 p. 413-417
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    紫黒色に成熟したヒサカキの果実からアントシアニンが2種類の結晶として単離された. 一つは赤褐 色, 他は燈色の針状結晶である. 元素分析, 吸収曲線の測定, ペーパークロマト法その他によって特性を しらべると, 両者はいずれもクリサンテミン (シアニジンのモノグルコサイド) であった. ただ両者は結 晶水の含量に差があり, 前者では3分子, 後者では2分子の結晶水が含まれていることがわかった.
  • 館岡 亜緒
    1962 年 75 巻 893 号 p. 418-427
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    O. latifolia とそれに縁の近い種類からなる一群のイネ属植物の分類は, イネ属のなかで最も困難なも のである. これを欧米および日本に保管されている標本にもとずいて検討したところ, 7種類 (O. latifolia, O. alta, O. grandiglumis, O. minuta, O. officinalis, O. punctata, O. eichingeri) のにわける のが最も妥当な分類であるとの結論に達した. なお, 今後の研究を要するものもあり, そのような問題点 も明確にされた. 本文に, その7種の間の形態的な区別点が明記され, またその7種の分布の概略が示さ れている.
  • 佐々木 喜美子
    1962 年 75 巻 893 号 p. 428-435
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ベゴニヤの葉の磨砕液から分離したか粒区分について, そのコハク酸酸化酵素の性質についてしらべた.
    1) コハク酸, フマール酸, リンゴ酸, およびα-ケトグルタル酸はか粒区分によって酸化され, その活 性はか粒区分を ageing するととによりかなり上昇した.
    2) か粒区分をリパーゼで処理することにより, コハク酸酸化酵素はかなり溶出し, かつその活性の上 昇が認められた.
    3) コハク酸, その他の Krebs cycle に属する有機酸の酸化のさいの最適pHは5.0付近であった.
    4) 各種区分によるコハク酸の酸化は cytochrome c の酸化によって促進された.
    5) Cyanide, azide はか粒区分によるコハク酸の酸化を著しく, また溶出区分による酸化をかなり弱く阻害した.
  • 大槻 虎男
    1962 年 75 巻 893 号 p. 436-442
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    レンズなどからカビが高張培地上に分離され, 1941年 Aspergillus glaucus var. tonophilu の名で 報告された. これに含まれる菌株には3っの型があった. a) は分生子のみを造り, b) は子のう胞子のみを造り c) は分生子•子のう胞子両者を造った. 戦争中研究室は長野県に疎開し, その間にc菌株を亡失し, b菌株は分生子を造るようになった. これらに関する分類学的記載 (1950) は簡単で不完全であったの で, ここにあらためてaおよびb菌株について詳しく記載し, 種名を発表する.
    アスペルギルス属の命名については, Thom と Raper (1945) が A. glaucus を種名からはずして, 群 (group) の名とした. なお完全態の属名としては Aspergillus より Eurotium を適当とするという Benjamin の主張もある. したがって A. glaucus var. tonophilus の学名は改変を必要としていたわけである.
    以上の事情を考慮して, a型には Aspergillus vitricolae, b型には Eurotium tonophilum の新種名を 与えた.前者は “A Manual of Aspergilli” によれば, A. glaucus group のseries restrictus には いるもので, 柱状分生子鎖頭を有し, 乾燥ガラスに容易に発育する特性がある. bはA. glaucus group のseries repens にはいることは被子器膜の一重なこと, および子のう胞子の形から明らかである.こ れの有機物要求性はより大ぎく, ガラス上にも指紋など有機物があるときによく発育する. 清浄なガラス 上の発育試験ではaがbに格段に勝る. 光学器械のくもりを起こす主犯はaであると思われる.
  • 岩波 洋造, 辻 正
    1962 年 75 巻 893 号 p. 443-448
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    マツパボタンの花の生理学的研究の一部として,花びらの開閉運動がとくに戸外における観察と, 温\度をいろいろにかえたときの花びらの開度の変化とについて調査された.
    マツバボタンの花びらが, 実際に動き始めるのは午前5時以前であり, 開花が始まるのは6時半ころである. この際光はなくても開花するので, 日の出=にともなう温度の上昇によって開花すると考えられる.
    戸外で開いた花は, 日中, 外界の温度の上下にともなって開度が大きくなったり小さくなったりしている. 日中, 直射日光のもとでは, 花の開度が多少おさえられている.
    暗室中に花をおき, 温度をあげさげすることによって, 花の開閉を行なわせることができる. この場合, 温度差が大きいほど開閉運動は急激に行なわ れ, 2°の温度差のときにも花びらの運動がみられた.
    筆者らは, 開花を支配する, 開花直前まで残され た比較的簡単な要素は温度差であると考える.
  • 小川 幸持
    1962 年 75 巻 893 号 p. 449-450
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
  • 村上 浩
    1962 年 75 巻 893 号 p. 451-452
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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