植物学雑誌
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76 巻 , 895 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 美濃 羊輔, 服部 静夫
    1963 年 76 巻 895 号 p. 1-5
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    いろいろな植物の器官にポリフェノールオキシダーゼが含まれているという報告は数多くあるけれども, 細胞内におけるこの酵素の分布にかんする研究はほとんどない. 著者らは100余種の植物から単離した葉緑体について, モノフェノラーゼ, ジフェノラーゼ, ラッカーゼの活性をしらべるために, 代表基質としてそれぞれハイドロキノンモノメチルエーテル, カテコール, ハイドロキノンを用いて実験し, 次の結果を得た. これらのオキシダーゼが必ずしもすべての植物の葉緑体に含まれているとはかぎらず, また含まれているものについても種々の型があることが判明した. モノフェノラーゼが単独に存在することはなく, ジフェノラーゼが存在している場合にはほとんどモノフェノラーゼを伴っているが, わずかの例についてはジフェノラーゼが単独で存在している. また二, 三の植物においてラッカーゼが含まれていることが明らかになった. さらに同じ科のなかにおいても種によってこれら三つの酵素の分布の型が異なっていることがわかった. したがってフェノール酸化酵素の分布とこの植物の系統的な位置との間には関連があるとは考えにくい. また水生植物と陸上植物におけるこれらの酵素の分布からみてもそれらの間に統一的な関係はみいだしがたいようである.
    ただし葉緑体を破壊したものについてまだこれらの活性をみていないので膜の透過性, 葉緑体中での酵 素の存在様式, 阻害剤の有無などについて問題が残っている.
  • 石倉 成行, 林 孝三
    1963 年 76 巻 895 号 p. 6-13
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    著者らはさきにダイコンの一品種「岩国赤」の赤色根皮の色素がペラルゴニジン三糖配糖体 (pelargonidin 3-diglucosido-5-monoglucoside で raphanusin と命名) の有機酸エステルであり, ペーパークロマト法による分離試験の結果から, 根皮では少なくとも2種類のcomplex glucosides (raphanusin AおよびB) が混在すると述べた.
    今回, この点をさらに確かめるために, 原色素をカラムクロマト法で分別し, ついで〓紙電気泳動法で各分画を調べた結果, 根皮には5種類の complex glucosides が混在することが判明した. それらは本文(6ページ) に列記したとおりである. これらのうち, raphanusin A およびB-1, B-2が量的に優位であり, C-1, C-2はきわめて少量である.
    なお, 各成分の吸収スペクトルの研究から, 構成有機酸はいずれも raphanusin中の3個のグルコースのどれかの水酸基とエステル結合をしていることが結論された.
  • 西林 長朗, 猪野 俊平
    1963 年 76 巻 895 号 p. 14-23
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Alaria valida, チガイソ, エンドウコンブ, チヂミコンブおよびアラメの胞子のう群の発生が観察された. これらの胞子のう群はすべて葉体の形成表皮 から発生する.
    Alaria valida では, 形成表皮の二分によって作られた下位細胞から生じた突起が, そのまま遊走子のうに発生していく様式(L type)と, 下位細胞からの突起は遊走子のう細胞にならないで側糸となり, その後あらためて生じた2回目の突起が遊走子のう 細胞になる発生様式 (A type) との両者が観察され た.
    チガイソでは, A type または L type のみの場合と, この両型が混在する場合とがある. エンドウコンブでは, L type のみの個体と, A type に一部 L type が混在する個体がある. チヂミコンブお よびアラメは L type であるが, アラメの胞子のう 群が食害をうけ, その後に再生回復してきた胞子の う群は A type であった.
    下位細胞からの突起は, 生殖器官である遊走子のうに発生するが, また側糸に発生していくこともあ る. それ故, 生殖器官の分化の決定は, 発生の最終 の段階でおこなわれる. また, A type の二次側糸 が発生する性質は, 非常に不安定なものである.
  • 木村 劼二
    1963 年 76 巻 895 号 p. 24-27
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    The process of spore formation on fruit-bodies of Coprinus macrorhizus f. microsporus developed by common-B matings, e.g., AB×αB, was examined, making use of a gene marker, f. The recessive gene f controls the formation of undeveloped fruit-bodies and links neither of the incompatibility factors, A and B. Monosporous mycelia from the fruit-bodies produced by the common-B matings, e.g., ABF×αBf, were analyzed for genetic constitution by pairing with two tester haplonts abf and Abf. Since, in most fruit-bodies, the progeny haplonts of the parental types, ABF and αBf, and those of the recombinant types, Abf and αBF, appeared in 1:1 ratio, it was presumed that karyogamy and meiosis precede regularly the formation of basidiospores with a few exceptions.
  • 大野 林二郎, 武久 慎
    1963 年 76 巻 895 号 p. 28-31
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    The flower buds of Trillium kamtschaticum, while undergoing meiotic late-prophase or metaphase I, were immersed into tap-water either at 7-12°or 25°for 24, 48 and 72 hours. In the present experiment the whole body of the plant was completely immersed after anthers were laid as bare as possible without removal of sepals and petals. Cytological fixations of PMCs were made at the ends of the treatment and 24 hours intervals thereafter.
    The results showed that (1) under the treatment of water-immersion at both 7-12° and 25°the meiotic division did not proceed, accompanying a phenomenon of coalescence of chromosomes; (2) after the treatment the 1st meiotic division proceeded more slowly than that of control. Further, it is also evident that the treatment of water-immersion effected (3) no induction of chromosome breakage and (4) at 25°increase of the aberrations in telophase I which were due to abnormalities of spindle function compared with those in control.
  • 荒野 久雄
    1963 年 76 巻 895 号 p. 32-39
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. The observations of the chromosome numbers and the karyotypes were carried out on five species, one variety of Pertya and Ainsliaea.
    2. The taxonomic position of A. uniflora was considered karyotypically.
    3. The basic chromosome numbers were found to be 13 and 14 in Pertya, 13 in Ainsliaea.
    4. A karyological similarity was found between A. cordifolia and A. fragrans var. integrifolia.
    5. All the members of the genus Pertya, excepting P. scandens and P. glabrescens have peculiar karyotypes which can be called Macroclinidium type.
    6. There are some differences between the characteristics of the karyotype of Pertya and Ainsliaea.
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