植物学雑誌
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76 巻 , 897 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • B. TIAGI, Narendra S. SANKHLA
    1963 年 76 巻 897 号 p. 81-88
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Orobanche lucorum の子房は2-3心皮で, 倒生はい珠をもつ. 珠皮は1枚で, 珠心はうすい. 珠心が退化するにつれて, 珠皮のじゅうもう組織がはいのうのまわりに発達する. 珠皮の表皮下にある胞原組織の細胞は, そのまま大胞子母細胞になる. はいのうは正常型で, 合点のところで湾曲している. 助細胞は受精後まもなく退化するが, 反足細胞は存在する. ときにみかける極端に大きなはいのうは, 受精しなかったもので, 早晩消滅する. 花粉管は受精後もながく存続する. 内乳は cellular の Brunella 型である. 原初内乳核はまず分裂して, 珠孔側と合点側の二細胞に一つずつはいる. 後者は吸収器官となる. ふつう2核だが, ときにさらに二つの細胞になることもある. 珠孔側の細胞は縦分裂し, ついで横分裂して, 二つの珠孔側の吸収器官始原体と二つの内乳始原体とになる. 前者は二つの単核細胞からなる大きな珠孔側の吸収器官になり, 後者がせまい連絡部と内乳そのものに発達する.
    種子の厚い網目模様は表皮の細胞で, 割合に早くからできあがっている.
  • 川瀬 義之, 柴田 萬年
    1963 年 76 巻 897 号 p. 89-91
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    われわれの知る範囲内では今日までのところ, まだチューリップの花からフラボノール配糖体を得た報文に接していないので, 二品種の花についてその存在を確かめた. 品種ゴールデンハーベスト (コッテージ系で大きな濃いレモン色の花をもつもの) の乾燥花被から1%の収量で黄色色素が結晶状に単離され, 各種のテストの結果ルチンと同定された. このフラボノール配糖体はまた品種アスリート (メンデル系で純白色の花をもつもの) の花被中にもその存在が確認されたが, 含量が少ないせいか結晶状には得られなかった. 明年以降他品種について継続研究の予定である.
  • 丸重 啓二, 丸重 靖子
    1963 年 76 巻 897 号 p. 92-99
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1) 暗所で育てたアサガオの芽ばえは, 光のもとにうつすと, 一定時間後1回の暗期に感応して花芽を形成する能力を獲得する. この日長感受性の成立に要する明期の長さは, 発芽初期に与えた暗期が長くなるほど短かくなる.
    2) 日長感受性の成立は, 子葉の乾重量の減少から増加への転換および子葉の組織分化の完了と時期 的に一致する. この時期には胚軸の生長がとまり幼芽の活発な生長だけがみられる.
  • 柴岡 弘郎, 古沢 潔夫
    1963 年 76 巻 897 号 p. 100-107
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Mn++の生長促進作用はすでに知られているが, その機作はまだわかっていない. さきにAvena子葉
    しよう切片のIAAによる伸長が, カフェー酸により阻害されることを報告したが, MnCl2 (10-3M) はカフェー酸を培養液(sucrose, 2%; IAA, 1mg/l; pH, 4.0)に加えたことによる阻害を, 部分的にではあるが回復する (第2図). しかしカフェー酸を含む培養液中のAvena子葉しよう切片の生長に対して, ほとんど影響を与えない程度 (10-4M) のp-nitrophenol添加によって, 上に述べたMn++の働きは完全におさえられる(第6表). Avena子葉しよう切片をカフェー酸を含む溶液にうかべておくと, 溶液のカフェー酸濃度が低下し, 溶液中にカフェー酸以外の生長阻害物が生じてくる. この物質はAvena子葉しよう切片のIAAによる伸長を阻害するだけでなく, IAAのSalkowski試薬による発色をも妨害する (第3表). この物質はカフェー酸と同じく, 塩化第二鉄で緑色を, 赤血塩で赤褐色を示すが, 紫外線下での螢光は認められない. また, 2, 4-dinitrophenylhydrazine により黄色を呈する (第2表). Mn++Avena子葉しよう切片をうかべたカフェー酸溶液中へこの物質が出現することを阻害するが, 溶液のカフェー酸濃度の低下はMn++を加えても加えなくても同じようにおこる (第1, 5表). しかしp-nitrophenol (10-4M)は, 溶液中に新しい生長阻害物質が出現するのを阻害するだけでなく, 溶液のカフェー酸濃度が低下するのをもさまたげる (第6表).
    以上のことがらから次のように考えることができる. 1) 新しく生成される阻害物の示す呈色反応は, この物質がカフェー酸と同じくo-dihydroxyphenol化合物であることを示している. さらにこのことは, この物質がカフェー酸由来の物質であることを示す. 2)培養液にカフェー酸を添加すると, Avena子葉しよう切片の生長が低下するが, これはカフェー酸だけによるものでなく,カフェー酸から作られる他のphenol性物質にも基因している. 3) p-Nitrophenolで新しい阻害物の生成をおさえても, カフェー酸添加による阻害に影響がないので, カフェー酸自身にも生長阻害作用はある. 4) p-Nitrophenolが存在するとMn++による回復作用がみられないので, Mn++はカフェー酸自身による阻害を回復していない. 5)Mn++は新しい阻害物の生成をおさえるので, カフェー酸をMn++とともに培養液に加えたときに観察される生長阻害は, カフェー酸だけによるものである. 6) 培養液中のカフェー酸量の減少はMn++の存否に左右されないので, Mn++添加によっておこる阻害の回復は, 新しい阻害物の生成がMn++によっておさえられた結果である. 7) p-Nitrophenolも新しい阻害物の生成をおさえるが, 同時にカフェー酸濃 度の低下をもさまたげるので, p-nitrophenolによる阻害の回復はみられない.
    ここに述べた実験の結果は, Mn++が組織中に生じる生長阻害物の阻害をとりのぞくことにより, その生長促進作用を示している可能性を示唆するものと思う.
  • 岩波 洋造, 星野 郁子
    1963 年 76 巻 897 号 p. 108-114
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1) Stamens of Portulaca grandiflora flower are situated apart from pistils in early morning, but they gradually approach each other and self-pollination takes place. During the day time almost all the flowers, which remain not self-pollinated, are pollinated by the aid of insects or wind.
    2) Although Portulaca flowers begin to burst almost at the same time, each of flowers has different closing time in the afternoon.
    3) In early morning opening and closing movements of Portulaca flower are susceptible to temperature, but in the daytime they gradually lose their susceptibility.
    4) By artificial pollination flowers of Portulaca close without fail. When the stigma was artificially kept against the pollination, the flower remained open still in the afternoon.
    5) Closing movement of the flower usually occurred after 3-4 hours from the pollination, but in early morning it occurred after 4-5 hours.
    6) The maximum speed of the closing of petals is about 4 degrees per minute.
    7) The effect of the pollination on the closing movement by pollens of “Jewel” (Portulaca sp.) was less active than that of the pollen of Portulaca grandiflora. Both the pollen of Pharbitis nil and mineral particles did not affect closing movement of Portulaca flower.
    8) Closing movement of Portulaca flowers takes place certain time after cutting of stigma or pistil.
  • 神野 太郎
    1963 年 76 巻 897 号 p. 115-119
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. 各地域より集められた6株のChelidoniummajus (クサノオウ) の染色体数はすべて2n=10であった. しかしこれらの株の核型はそれぞれ大なり小なりの差異があった. 愛媛県重信町で採集された1株の体細胞染色体の1つは特に小さく他の株では例を見ないものであった.
    2. いずれの株においても染色体の大きさは大きいものから小さいものへと次第に変化し, 小さいものは大きいものの約半分の大きさであった. 10個の染色体中大きい側の4個は第一次狭窄を次中部にもつものが多く, 小さい側の6個は第一次狭窄を次端部にもつものが多かった.
    3. 花粉母細胞の減数分裂第1中期で染色体連鎖の種々の型が見られた. No.4-11では(4)+(4)+1IIの型が最も多く現われ, No.10-5では(4)+(3)+(3) と(10)とが他に比して多く現われた.
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