植物学雑誌
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76 巻 , 898 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 広井 敏男, 門司 正三
    1963 年 76 巻 898 号 p. 121-129
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    陽生植物であるヒマワリをそれぞれ100, 75, 50 (または53), 22, 10 および 5 (または4) % の自然光下で育て, 生長過程を物質生産の面から解析して, 既報のヤエナリでの結果と比較した.
    1. 個体重, 葉重および葉面積の生長は被陰によって明らかに抑制された. ことに強く被陰された区(22, 10, 5%) ではそれが著しかった. これはヤエナリの葉面積生長は全光下よりもむしろ軽度の被陰下で良好であったのと異なる.
    2. 相対生長率(RGR)は光の減少に伴なって減少した. 強く被陰された区では生育の後期に負のRGRがみられた.
    3. 純同化率 (NAR) も被陰下では小さくなった.
    4. 葉面積比(LAR)はある程度まで光の減少に伴なって増大する傾向を示した. 生育の初期 (発芽後1~4後週間目の平均) でLARの最大値は22%光でみられた. ヤエナリでは10%光で最大値がみられた.
    5. 葉面積/葉重比(F/F)はLARと同様な光に対する反応を示した. ヤエナリに比べるとその値は明らかに小さかった. 葉重/個体重比(F/W)は光の減少に伴なって少なくなった. その値はヤエナリより大きかった. F/F, F/Wの光に対する反応を比べて, LARの光に対する性質にF/Fの方がより多く関与していることが推定された.
    6. 非同化器官/同化器官の重量比 (C/F) は被陰の程度に伴なって増し, その傾向は生育の進むほど著しくなった.
    7. NARを葉の光合成率, 呼吸率, 非同化器官の呼吸率, 生長解析の結果にもとづいて計算した. その結果は多少のくいちがいはあったが, 生長解析の結果得られた値と近かった.
    8. 以上の結果よりヒマワリの耐陰性の低さは, 被陰されることによってC/F比が大ぎくなること, またF/Fが小さいということによると推定された.
  • 駒嶺 穆, 佐藤 満彦, 下郡山 正巳
    1963 年 76 巻 898 号 p. 130-137
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. ハッショウマメの暗所でそだてためばえの上胚軸の上部をきりとり, そのまま暗所に保つと, 切口からカルス状組織がいちじるしく発達することがみとめられた. (このばあい, カルスという言葉を広義に用いて, この組織をカルスとよぶこともできるが, カルスの意味する内容が人によってまちまちに解されているので, 本報では, 植物体にコブ状に形成されるもの一般をよぶのに用いられている 'outgrowth'を, さしあたり使うことにした).
    2. ソラマメ, エンドウのめばえについて, 同様の処理をおこなったが, ハッショウマメにみられるようなoutgrowthはできなかった.
    3. このoutgrowthは, 植物しゅようとしての特性をいくつかもっている. すなわち, a) 外見がクラウンゴール•遺伝的しゅよう•ビールスしゅようなどの植物しゅようとにている. b) 組織培養した場合, 外からオーキシンを加えることなしに, ある程度の生長がみとめられる. c) 正常の組織とくらべて分化の程度がはるかにひくい.
    4. このoutgrowthはクラウンゴールと外見はにているが, Agrobacteriumを接種せずに無菌的な条件下で, 上胚軸を切りとることだけで生成するから, クラウンゴールとはちがうものである. また, 遺伝的内因でできる遺伝的しゅようやオーキシン類で誘発されるしゅようなどの 'outgrowth' ともちがうあたらしい型のoutgrowthである.
    5. 光はoutgrowthの生成に阻害的であるように思われる.
    6. 上胚軸の先端から1cmまでのところに生長帯があるが, 生長帯の部分をきっても, outgrowthはできない. Outgrowthのできるのは, それよりも下の部分である. Outgrowthの生成が切断した場所 に左右されるのは, 諸実験から先端の部分にoutgrowthの生成に対する阻害物質が存在するためではなくて, むしろ切った部分の複雑な反応性によるものであるように思われる.
  • 藤田 哲夫
    1963 年 76 巻 898 号 p. 138-141
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ホウズキの幼植物の葉序は, まず2枚の子葉が対生し, そのすぐ上の葉からは2列互生になり, ついで1+2の交走斜列をもったらせん配列になる. ところが生長して花をつけるようになった葉条部では, 一節から大きさのやや異なる2枚の葉がほぼ100°の開度をもって双生し, しかも2葉間のすぐ上のところに1個の花をつけた異様な葉序が見られる. この1対の葉のうち比較的大きいものを+葉, 小さいものを-葉とすれば, 各節の+, -葉はけっして十字対生をなさず, それぞれ茎の側方にジグザク状に配列している. このようにホウズキの葉序が他の植物とはかなりちがっているのは, ホウズキの茎が単軸でなくて, 仮軸になっているからである. すなわち各節ごとに+葉の腋芽が発育して主軸状になって, それまでの下方の軸と入れかわり, 下方の軸の先端は側方にそれて花になり2葉間に終わっているのである. すなわち花をつけるようになった葉条部は, いわゆるanthocladiumを形成しているわけである.
    各腋芽には2枚の葉しかできず, その中の最初の葉 (-葉にあたる) が, 下方の軸の2番目の葉 (+葉にあたる)とともに対をなして1節に双生しているのである. 葉の発生の初期には, 1節につく+, -葉の 始原体の着生位置は上下にわずかながらへだたっているが, その後葉は著しく大きく生長しても葉の節間 はほとんど伸びないために, 生長後は同一の節上に生じたようになるのである. ときにその節間が伸びた ために2葉が対にならず, 上下に著しく離れている場合も見られる.
  • 丸重 啓二, 丸重 靖子
    1963 年 76 巻 898 号 p. 142-148
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    アサガオ子葉の日長感受性発現に伴なう光合成•呼吸能の変動を調べた.
    1) 日長感受性の発現は光合成能および葉緑素含量の増大と並行しないが, 光合成能が呼吸能に比して高くなる時期と一致する.
    2) 日長感受性の発現と呼吸能の変動との間に並行関係はみられないが, azide, arsenite, malonate, hydroxylamine, fluoride, monoiodoacetateの呼吸阻害作用の高まりとほぼ並行して日長感受性が発現•増大する.
  • 山根 銀五郎, 東 四郎
    1963 年 76 巻 898 号 p. 149-154
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. Rhizobium phaseoli (インゲン菌) のDNAを1M NaClにて抽出し (ジフェニールアミン反応陽性•分光光度計の吸収258mμのピークを示す), Rhizobium leguminosarum (エンドウ菌) のマンニット•酵母エキス液体培養のものに加え, 30分間作用させた. これを集菌し, Rh. phaseoli宿主植物である Phaseolus vulgaris (インゲン) の無菌砂培養に加えたところ, インゲンの根に根粒が形成され た(第3表).
    2. 同上のRh. phaseoliから抽出したDNAをDnase (結晶, Worthington Biochemical Corp)にて処理したのち, 上と同方法でRh. leguminosarumに作用させると, インゲンの根には根粒形成がまったく見られない (第4表).
    3. 同上のRh. phaseoliから抽出したDNAを別の方法で不活性化さすべく熱処理 (100°, 30分間)をする. これをRh. leguminosarumに作用させたのち, この処理菌をインゲンの根に接種したところ, この方法によっても根粒形成能が極度に低下することが判明した(第5表).
    4. 以上の結果から. Rh. phaseoliから抽出したDNAで処理したRh. leguminosarumがインゲンの根に根粒を形成する能力は, Rh. phaseoliにより持ち込まれたものと判断される.
    5. Rh. phaseoli DNA処理をしたRh. leguminosarumによって形成されたインゲンの根粒からとった菌を, PisumPhaseolusに接種したところ, そのいずれの根にも根粒形成が見られた. またこの菌は1961年秋から現在にいたる継代培養を通じてこの性質を持ちつづけた. これについては他の形質 の転換 (電顕による形態, 糖の発酵性など) に関するデータとともに次報に報告する.
  • 長 秀彦
    1963 年 76 巻 898 号 p. 155
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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