植物学雑誌
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77 巻 , 907 号
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  • 広井 敏男, 門司 正三
    1964 年 77 巻 907 号 p. 1-9
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    みかけの個体重の増加分の光合成系および非光合成系への分配の割合が遮光の程度によってどのように影響されるかを検討した結果, 光合成系への分配の割合は遮光によって減少することがわかった. ことにきびしい遮光の下では減少の程度が著しかった. さらに, このような条件の下では 光合成系の枯死の割合が高くなるので, 生きている部分のみについて与えられる C/F 比は著しく大きくなる.
    植物の物質経済の動態を把握するためには物質再生産という概念の導入が必要である. そこで, 実験期間中のすべての生育期 (各週) について総生産を求め, それの各部分への分配の割合を算出した. この場合, 同化産物から新しい器官系が構成されるさいの転形率を0.5とした. 計算の結果から, 総生産にたいする純生産および維持をもふくめての光合成系への投資の割合が遮光によって低下することがわかった. ことに, 光合成系の構成への投資の割合は遮光によって著しく低下した. この結果は, 次の期間における生産の規模を縮少することになり, このようなことがくり返されれば, 生長率の停滞, ないしは減少をもたらすことになる. きびしい遮光下にみられる植物の枯死は以上のような点から説明される.
    おわりにいろいろな光条件下におかれたヒマワリ, ヤエナリ, ツリフネソウの一種についての相対生長率を比較して, 耐陰性が, 上の配列の順に強くなることを示した. さらに, それぞれの種について, 光合成系へのみかけの個体重の増加分の分配の割合を求めて, これが, 耐陰性の強さと密接に関連しているという先の検討の結果をうらづける結論にたっした.
  • 吉田 精一
    1964 年 77 巻 907 号 p. 10-16
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    Pseudomonas ovalisをシキミ酸アンモニウムまたはキナ酸アンモニウムの溶液中で培養すると, シキミ酸は5-デヒドロシキミ酸, プロトカテチュ酸を経て代謝されてゆき, キナ酸は5-デヒドロキナ酸, 5-デヒドロシキミ酸, プロトカテチュ酸の順に酸化される. キナ酸からは上記の三種の酸のほかに, プロトカテチュ酸エステルと, デヒドロキナ酸の一種と思われる酸が同時に形成されるが, これらの機構や意義については明らかでない.
    キナ酸はシキミ酸と同程度の速さでほとんど完全に酸化される. また5-デヒドロシキミ酸はシキミ酸の形成よりも速やかにプロトカテチュ酸になる. これらの事実は, 今まで知られた芳香環形成についての知見と異なり, キナ酸もまた生体内で直ちに代謝されるものと思われる.
  • 井上 隆吉
    1964 年 77 巻 907 号 p. 17-26
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    センナリホオズキとホオズキとの苗条の維管束の配列, 行動は, 基本的にはまったく一致している. 主軸の中央葉条が, そのまま最初の anthocladiumの節間にはいり, その次の節で, その節の葉の中央葉跡条として開出する. これを母葉と側軸との癒合を示す事実と解する. Anthocladium の各節と移行節とは同じ維管束行動を示すから, 同一解釈を施しうる. それによれば, anthocladium は節毎に交代する仮軸に母葉の癒合したものが上下に重なったものである. 各仮軸は三節間よりなる. 上節は花軸となり, 基節は伸長して母葉と癒合し, 中節は短縮して二つの節が癒合する. センナリホオズキの外見上の二又分枝は, 癒合した二節からそれぞれ. 側枝が出るために起こる. 一対の枝に大小ある時, 小さい枝は, 下方の節から出ることは解剖学的に明らかである. この枝が退化すると, 双葉を有する節が生じる. ホオズキの双葉も, これと同様に説明しうることを, 維管束の行動に基づいて明らかにしえた. イヌホオズキも上記の二種の植物と原理的には同一の構造を有するが, 母軸第二節からでる仮軸では, 中節も伸長し, その上端 (この仮軸の第二節)で花序が分岐しているものと解釈した. 従来の外部形態に基づくこれらの植物の形態学的解釈と, 維管束行動に示される事実とを比較検討した.
  • 小倉 謙
    1964 年 77 巻 907 号 p. 27-34
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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