植物学雑誌
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77 巻 , 914 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 柴田 萬年, 石倉 成行
    1964 年 77 巻 914 号 p. 277-282
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    暗紫色のユズリハの果実には4種類のアントシアニンが含まれており, 今回そのうちの1種が delphinidin, キシロース, グルコース各一分子から構成されていることを明らかにした. このような組成のアントシアニンはまだ文献に記載がないので, 植物の学名にちなんでこれをダフニフィリンと命名した. この物質について抽出, 精製, 結晶化, 化学的性質, 元素分析, 加水分解, 糖, アグリコン, 吸収曲線, Rf値などを調べた結果, これは delphinidin-3-xyloglucoside であることが確認された.
  • 賀来 章輔
    1964 年 77 巻 914 号 p. 283-289
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ハラン•サンゴジュおよびヤツデの葉組織における過冷却点 (過冷却が自動的に破れる限界温度) を各組織片の凍結曲線から測定し, 成熟葉 (前年葉) と未熟葉 (当年葉) における過冷却点と耐凍性との関係,ならびに過冷却点に及ぼす冷却速度の影響をしらべた.
    1. ハランとサンゴジュの成熟および未熟両葉組織片について, 凍結曲線をとりながら, その凍結過程の任意の時期に冷却を中断し, その際における表皮組織の生存率から耐凍性を比較すると,両植物いずれにおいても成熟葉は未熟葉より高い耐凍性を示す. すなわち, 未熟葉では組織の凍結開始後まもなく生存率が低下しはじめるのに対し, 成熟葉では組織の凍結がほとんど終了するまで生存率は高い.
    2. 葉組織の過冷却点は, 一定の冷却条件下では, 植物の種類•組織の成熟度に応じてそれぞれ比較的狭い温度域にあつまり安定した値を示す. ハランおよびサンゴジュの成熟葉は未熟葉にくらべ耐凍性が高いが, 過冷却点については, ハランでは成熟葉が未熟葉より低く, サンゴジュでは逆に未熟葉の方が成熟葉より低い. したがって, 葉組織の耐凍性と過冷却点との関係は, 植物の種類によってことなり, 過冷却点の値を直ちに耐凍性判定の指標にすることはできない.
    3. 過冷却点に及ぼす冷却速度の影響を, 0゜において1゜-7゜/分の冷却条件でしらべると, 夏期のハランおよびサンゴジュでは, 冷却速度が小さいときほど過冷却点の温度域は狭く, 冷却速度が大きくなるにつれて次第にその幅は拡大する. しかし, このような傾向は冬期には認められず, 各冷却速度において温度域の幅はほとんど等しい.
    4. 冷却速度が大きくなるにつれて, 過冷却点は次第に下降する. すなわち, 急速に冷却すると, よく過冷却するが, この状態は不安定で早く破れやすく, ゆっくり冷却すると過冷却の状態は時間的に長く続くが高い温度で破れる.
  • Sudhakar MISRA
    1964 年 77 巻 914 号 p. 290-296
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    Flaveria repanda の胚発生は四細胞期以後の分裂順序には変化があるが, コンギク型サワギク亜型に属する. 不完全な受精による異状発生にはすでに多くの記載があるように, 本種においても認められた.場合によっては, 一つの助細胞が破壊されずに残り,その基部は反足細胞とともに, かなり長く, おそらく吸収器官として残存している. Endothelium は, 初め珠皮から栄養を吸収してこれを内乳に供給するが,子葉形成期には退廃し, クチン化した内壁は内乳の表面に押しつけられて, クチクラ状を呈する. 珠皮の表皮細胞は伸長すると同時に膜肥厚が起り, 内部の退廃した組織とともに種皮を形成する. 子房壁は受精以前に, めいりょうに内外二層に分化している. 内層は10-12稜を有し, 各稜に1管束がある. 稜間の部分には離生間隙ができ, 内層と外層とを分かつ. 受精後, 間隙に面する細胞は, 分泌細胞となり, 間隙内にタンニン様物質を分泌する. 分泌作用は外層の細胞に著しく, 内層の表面の細胞はしだいに繊維化して,果皮の内壁となる. 内層内部の細胞は, 管束周囲をのぞき退化する. 稜間部の細胞間隙は, 後に外層の細胞の膨出によって, ほとんど埋められる.
  • von Riclef GROLLE
    1964 年 77 巻 914 号 p. 297-299
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    スエーデンの Uppsala 大学の標本室に Marsupella africana Steph. と同定されていた資料は Nardia属であり, しかも既知のものと異なる一新種と考定されるので, アフリカの苔類研究に顕著な業績のあるDr. S. Arnell を記念して, Nardia arnelliana Grolle と名づけた. Nardia 属は現在まで14種が知られているが, N. arnelliana, N. breidleri, N. unispiralis (日本産) の3種は sect. Breidlerion Grolle (sect. nov.) として他の種類から区別される
  • 大橋 裕, 田川 敦子, 江 寿満
    1964 年 77 巻 914 号 p. 300-307
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ケシの発育および有用成分などにおよぼす処理温度の効果を明らかにする目的で, 1957, 1961年度の2回, 種子をことなった4段階の温度, 20゜,13゜,6゜, 2゜で, それぞれ20日間処理した. 処理中の種子含水量は13゜, 6゜, 2゜処理は種子重の50%,20゜処理のみは処理中の発芽をさけるために35%に制限した.
    6゜および2゜処理においては, 両年度とも発育の促進, アヘンの増収, およびアヘン中のモルヒネ含量の増加がみとめられた. ところが20゜および13゜処理は実験年度によりことなった結果がえられ, 再現性にとぼしかった.
    1962年度には, 処理中の種子含水量の影響を明らかにする目的で, 種子含水量を50, 40, 30, 20,10%に調節した種子をもちい, 温度6゜で20日間処理した.
    発育促進は50, 40, 30%処理でみとめられ, アヘンは50, 40, 30, 20%処理で増収し, アヘン中のモルヒネ含量は各処理とも増加した. ただし, いずれの場合にも, 種子含水量が減少するほど処理効果が低下した.
    以上の結果より, 春化処理においては, 処理温度が重要であるのみならず, 処理時の種子含水量も無視できないことがわかる. ケシにおいては低温と高い種子含水量が好結果をもたらす.
  • 村上 進
    1964 年 77 巻 914 号 p. 308-318
    発行日: 1964年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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