植物学雑誌
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78 巻 , 923 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 加藤 幸雄
    1965 年 78 巻 923 号 p. 149-155
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    モエジマシダの配偶体の発達過程において一次元生長から二次元生長への変換は光によって制御される.弱光や赤色光では糸状生長のみが続き, 平面生長には入らない. 平面生長への変換のためには強光, 十分な青色光が与えられることが必要である. 基本培地にマンニットを入れると, 白色光下では一次元生長のみが続く. マンニットのこのような影響は青色光下では完全に打ち消される. 一方可溶性デンプンは白色光下で上記の変換を促進するが, 赤色光下ではこの影響は見られない. マンニットと可溶性デンプンの間には拮抗作用があることが認められる.
  • 館岡 亜緒
    1965 年 78 巻 923 号 p. 156-163
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    Oryza eichingeriO. punctata はともにアフリカ産のイネ属植物で, いわゆる Oryza officinaliscomplex に属するものである. これまで O. eichingeriO. punctata は分類学的に数人の研究者により検討されたが, なおこの2種の形態的な差異について不明瞭な点があった. そこで筆者は1964年に東アフリカとマダガスカルにおいてイネ属植物の採集旅行をおこなったさいに, これら2種に特に注意し, また東アフリカとマダガスカルの研究機関の〓葉室において標本を調査した. 総計50点の資料について検討したが, 結果として O. eichingeriO. punctata が小穂の幅, 葉舌, 稈の基部, 花序の形, 芒, 退化外えいの形においてはっきりとした差異をもつことがたしかめられた. これら2種は独立の種類として取扱われるべきものである.
  • 郭 炳華, Timorthy MACDONALD
    1965 年 78 巻 923 号 p. 164-170
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    花粉の人工培養液中において, Ca++の添加によって花粉の生長は著しく促進されるが, このCa++添加培養液にさらに各種の水溶性の無機または有機物質をある低濃度に加えた場合には, 花粉管の伸長はさらに促進される. このことは実験に好適な植物 Crinum asiaticum の花粉を用いて詳しく研究された.
    花粉培養液にCa++を添加しない場合には, その培養液に相当多数の花粉を播くと, 同様な効果が現われる. これは花粉自身が含んでいるCa++が培養液中へ溶出するからである.
    従来, 多くの研究者が発表した各種の花粉生長促進物質の効果は, おそらく一定量の培養液に対して, 多数の花粉を用いた場合の効果であり, これは人為的にCa++を添加した場合と同じ結果になることがわかった.
    花粉の生長におけるCa++と各種の水溶性無機または有機物質との相互作用は, 生長しつつある花粉管壁において起るものであると推論した.
  • 衣川 堅二郎
    1965 年 78 巻 923 号 p. 171-176
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    キヌガサタケは“.gg”.呼ばれるとき既に内部で托 (傘, 茎, マント) が完成し, 胞子も成熟している.茎とマントは無数の小胞からなり, “egg”.中では小胞の壁は折りたたまれている. 壁の細胞が吸水して大きくなると折りたたまれた壁は伸びて小胞も大きくなり, 茎は“.gg”.上端を破って急伸し, マントは展開する. 細胞容積は伸長前の約12倍になる. このとき, 栄養や水分を“.gg”.外側から与えなくてもよい. 細胞が吸水するための水源は, 小胞や茎中央の空所に初めあった寒天様物質 (浸透価は約2気圧)であろう. 伸長は“.gg”.らとりだした茎やマントを小片にしても起こる. 小片から寒天様物質をできるだけ取り去った後伸長させると(水欠乏状態), 細胞搾汁の浸透価は初めの約9気圧から約14気圧に昇るが,正常に伸びたものや水中で伸びた小片では上昇しない. 細胞内には伸長する前, グリコーゲンがみられるが, 伸長に比例してなくなり, 還元糖が増える. 伸長の終りには, グリコーゲンは検出されなくなる.
    細胞伸長の原因は主として細胞壁の自発的伸長とみられる. このとき, 水の吸収は細胞液と寒天様物質との間の浸透価の差に基づいて行われる. グリコーゲンの分解による溶質分子の増加は, 水欠乏の状態で伸長させたとき細胞搾汁浸透価が増大することの原因になっていると考えられるが, 正常な伸長の場合には, 細胞容積が増して細胞液浸透価が低下することを防ぐのに役立っているのであろう. また, 細胞容積が増えると細胞壁の平均曲率半径は大きくなる. 膨圧によって細胞壁を引き伸ばすように働く張力は壁の曲率半径に比例するから, 細胞液浸透価が変らなくても細胞直径が増すと張力も増大する. この力も細胞伸長の1要因として考えなければならない.
    分解したグリコーゲンがどれほど細胞伸長のエネルギー源として使われたかについてはまだわからない.
  • 鈴木 時夫, 中野 保正
    1965 年 78 巻 923 号 p. 177-186
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    Seit die Hochstaudenwiesen in Japan zuerst durch H. Nakano (1930) bekannt geworden sind, wurden einige weitere aus den montanen und subalpinen Stufen Nordostjapans von K. Yoshioka und anderen Autoren pflanzensoziologisch untersucht. Wir haben eine neue Assoziation der Hochstaudenwiesen aus der alpinen Stufe der japanischen Nordalpen und aus dem Hakusan-Gebirge gekennzeichnet. Es ist das Cirsio-Aconitetum senanensis, das sich durch sechs Kennarten von den anderen Krautgesellschaften oberhalb der Waldgrenze klar unterscheidet. Aconitum senanense und Rumex arifolius kommen auch in den japanischen Südalpen vor, eine verwandte Assoziation wird also auch dort vorhanden sein. Die. Aassoziation wächst zerstreut auf den Schutthalden der Leeseitabhänge des Wintermonsuns, wo sich der Schnee im Winter ansammelt, aber nicht zu spät wegschmilzt. Mit den gemeinsamen Vertretern der Gattung Aconitum und der Cirsium-Carduus-Gruppe zeigt sie eine gewisse Verwandtschaft mit dem europäischen Adenostylo-Cicerbitetum. 6 Arten unserer Tabelle kommen auch in den Hochstaudenfluren des Adenostylo-Cicerbitetum der Schweizer Alpen vor; Rumex arifolius, Viola biflora, Senecio nemorensis, Polygonum bistorta, Milium effusum, Polytrichum juniperinum. Eine gewisse Verwandtschaft mit Kamtschatka zeigt Galium kamtschaticum.
    Die Gesellschaft besiedelt sandigen Kiesboden, wo der A-Horizont unmittelbar auf dem Mineralboden aufliegt. Oft säumt sie ein karartiges Gelande. Gegen oben schliefßt sie mit einer scharfen Grenzlinie an das Zwergkiefer-Preißelbeer-Gebüsich (Vaccinieto-Pinetum pumilae) an, das von der Windseite übergreift. Unten gegen die Talsohle entwickeln sich gewöhnlich Schneebodengesellschaften. Der Boden ist unreif infolge der begrenzten Vegetationsperiode und der ziemlich steilen Neigung (30°-40°). Die Assoziation hält sich meist etwas oberhalb der Waldgrenze.
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