植物学雑誌
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78 巻 , 928 号
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  • P. N. BHADURI, Malabika GHOSH
    1965 年 78 巻 928 号 p. 347-352
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    イネリ異なる変種において, 根の数や生長速度の変異が切除胚を培養したときに見られた. この変異が遺伝するかどうかを確めるために2変種, 長いが少ない根をもっ'Ashkata'と短いが多数の根をもつ'Boak' とが親として選ばれた. この交雑から得られたF1とF2の集団を分析し, つぎの結果を得た.
    (1) 2変種は根の最大の長さおよび根の数の最大限について有意な差がみられた.
    (2) 根の数と根の最大の長さについて, F2植物の変異係数はどちらの両親よりも大であった. ここでみられた変異は根の長さおよび根の数に対してポリジーンによる遺伝であることを示している. なおこの観察は芽生えの時期 (20日後) になされたが, 両親の変種による生長速度の差が遺伝的に支配されていることが明らかになった. 胚培養の技術は, イネの変種のちがいによって, 化学肥料を多量に利用する能力を含めて, 根系と関係あるいろいろな形質の遺伝型式をたやすくきめる新しい方法を開拓したもの
    である.
  • 丸重 靖子
    1965 年 78 巻 928 号 p. 353-359
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    アサガオの個体発生の過程において, 構造的に三っの生長点, すなわち1)幼形生長点, 2)成形栄養生長点, 3)花芽生長点が区別される. 芽生の主軸生長点は日長条件によって成形の栄養生長点にも, 花芽生長点にも分化する. この幼形の生長点は成形栄養生長点よりも大きくて染色性も弱く, また側方分裂組織(peripheral zone) と中肋分裂組織 (rib meristem) は中央分裂組織 (central zone) に似ていて, 構造的にも未分化である. 植物体の生長に伴って, 生長点の各層の染色性も強まり, 細胞組織学的な構造がはっきりして成形の栄養生長点となる. 主軸の成形栄養生長点は短日条件に移されても容易に花芽にならない.
  • 有賀 祐勝
    1965 年 78 巻 928 号 p. 360-365
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    植物プランクトンの光合成に関する従来の報告の大部分は, 種々の植物プランクトンが混在している試水についての研究であって, 植物プランクトンの季節的なうつりかわりの問題や二次生産との関連においては個々の種の光合成特性や生産に関する知識が不可欠であるが, この方面の研究は非常に少なく, まだ十分な資料が得られていない. そこで, 単種培養された数種の藻類およびほとんど1種類の植物プランクトンで占められている場合の自然の試水について, 種々の光および温度条件のもとで光合成を測定し光合成-光曲線および光合成一温度曲線を得た. また, 種々の温度のもとで呼吸を測定し呼吸-温度曲線を得た. 光合成一光曲線は, 緑藻 Chlorella および Scenedesmus, 藍藻 Anabaena, 珪藻 Synedra いずれの場合でも光が弱いときには同一線上に重なり, 光が強いときには温度の上昇にともなって高い値を示したが, さらに高温になると光合成の低下が見られた. また, 著しい高温の場合には光がある値より強くなると光合成が低下する傾向が認められた. 光合成-温度曲線は, 光が弱い場合には温度に関係なくほぼ一定の値を示し, 光が強くなると最適曲線の形を示すようになる. 光合成が光飽和になったときの温度曲線より得られる最適温度は, Chlorella およびScenedesmus では比較的高く, Anabaena および Synedra では比較的低い値を示した. また, 光合成の最適温度は培養するときの温度条件によってある程度まで変わりうることが, Chlorella の温度曲線から示唆された.
  • 衣川 堅二郎
    1965 年 78 巻 928 号 p. 366-376
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    植物の地上部がよく発達しているときは一般に根系の発達もよい. 樹木を長日でそだてると日長は植物体内で生産されたauxin を通じてその伸長を促進するという意見がある. また, 根系の発達と日長の間には直接の因果関係はなく根系は地上部の発達にともなわれて生長するともいうが, 日長が auxin 生産を通じて菌根形成に関係する可能性はのこる. すなわち,根の生長•側根の発生は auxin 類の施用で促進または阻害される場合がおおく, 長根に側生した短根へ根菌が侵入し共生が成立すると短根は菌根になるからである. 筆者はアカマツの菌根形成条件をしらべていたが, ここでは, 数種の温度と日長下で一年生苗をそだて, 地上部および根系の発達と菌根の形成量を測定し, 上にのべた立場からそれら相互の関係を考察した. 使用した環境条件は, 戸外 (1961年度春~秋) において連続光, 短日の光中断処理7hL+8hD+1hL+8hD)および短日 (8hL+16hD), 条件制御温室において30°と20°の各温度にそれぞれ連続光と短日 (1955年春~秋), 同じく条件制御温室自然日長下で30°と20°の各温度 (1954年秋~1955年) であった. 地上部の伸長生長は連続光および光中断処理区で促進されたが, 乾量の増加は日長それじしんよりは光合成のおこなわれる時間の長さによってきまり連続光区は光中断処理区と短日区よりはるかによく生長した. 1本の苗につく長根の数, その総長および菌根の数は共に連続光の下でもっとも大きくなり, 短日区と光中断処理区で小さかった. 根系全体の乾量にもおなじ傾向がみとめられた. すなわち, 光中断処理区で地上部は連続光区にちかい伸長をしめたが地上部の乾量と根系の発達, 乾量および菌根の発生量は短日区なみにとどまった.
    このことから, 根系の発達も菌根の形成量も地上部の光合成生産物の蓄積量と比例していて, おもに光合成のおこなわれる時間の長さにしたがうものであることがわかり, 期待したような日長の直接の効果はみとめられなかった.
    さらに観察したおもな点は次の通りである. 短日下の地上部の伸長抑制は低い温度 (20°) ほどいちじるしい, 主軸の節数は日長には無関係に一定である. 秋にまき発芽した芽生えを20°と30°の恒温室で育てると冬の自然日長下でも正常に伸長をっづける. そして翌夏までに冬芽をつけ, 冬芽はその年の秋から伸びはじめた. 発生した短根はほとんどすべて菌根になっているものとみられる. 菌根は古くなると枯死•脱落しやすく,したがってそのおおくが長根の先の方についている. 菌根には棍棒状のものと又状のもの (I型とY型) があり, 又状菌根は比較的肥えた土壌を使ったとき豊富に発生した. 短日下に発生する菌根の数は30°よりは20°で苗をそだてた方がおおくなる傾向がみられた.
    なお, 環境と地上部の生長, 菌根形成など相互の関係について簡単な考察をおこなった.
  • 進藤 公夫
    1965 年 78 巻 928 号 p. 374-382
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. Kalimeris incisa DC. of the Compositae occurs in Siberia, Manchuria, Northern China, Korea and the western part of Japan. The results of cytological investigations on records indicate that K. incisa is an octoploid species with 2n=72, but very little has been known about the properties of its populations. The present paper reports the results of morphological and cytological studies on a local population of the species found in the vicinity of Hiroshima, Japan.
    2. A sample of 72 clones were taken from the population and grown in a uniform garden. Considerable morphological variation was recognized among those clones. The variation was so extensive that extreme variants were hardly identified as the species by gross external morphology alone.
    3. Chromosome number was counted in all of the 72 clones, revealing that they were either octoploids with 2n=72 or aneuploids with 2n=70, 71, 73 or 74. Although the variation in chromosome number was limited to a narrow range of 2n=72±2, the aneuploids were found at a high frequency of 29.2 per cent. The majority of these aneuploids were with 2n=71.
    4. Observations of karyotype were made at somatic metaphase and prometaphase. By the observations at prometaphase, the structural characteristics of the chromosomes of K. incisa were made clear to some extent. The largest and larger 8 of the 72 somatic chrosomes were satellited ones, and closely similar to each other in shape, size and structural characteristics. Among the other chromosomes the largest and larger 8 with subterminal constrictions were, again, closely similar to each other in morphological and structural characteristics.
    5. Meiosis was observed in 10 clones with 2n=72. Forming 36II in the large majority of PMCs, meiosis was almost regular in those clones. A configuration with 1IV+ 34II also appeared in each of the clones, although its frequency was much lower than that of 36II.
    6. The results of the present investigation suggest that in K. incisa the individual clones that compose a local population are cytologically fairly constant as octoploids, but an enormous genetic variability is present among those clones. Since there is some indication that the formation of hybrid swarms between K. incisa and some other species is not a rare event, the possibility exists that the spontaneous intercrossing has contributed to the genetic variability of K. incisa, leaving little recognizable trace upon its cytological characteristics.
  • 藤茂 宏
    1965 年 78 巻 928 号 p. 383-395
    発行日: 1965年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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