植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
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79 巻, 942 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • Eliseo A. BARDENAS, T. T. CHANG
    1966 年 79 巻 942 号 p. 791-798
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    西アフリカの重要作物である Oryza glaberrima け, 同じく2倍体の野生近縁群 O. breviligulata, O. Stapfii と共に O. glaberrima complex を形成する. これら三者の分類学的関係を知るために, 形態の解析として A)実生, B)小穂, C)葉, D)花穂における諸形質の計測をおこなった. また E) Beachell とStanselの炊飯に対する物理化学的決定因子の測定をした.アルカリ消化率では三者の諸系統は5型の反応を示し,アミロース,蛋白質の含量は O. glaberrima よりも O. breviligulata の方がやや高い. 22の形質を測定したが, O. StapfiiO. breviligultata に類似しており, その異名に下すべきものと考えると O. breviligultataO.glaberrima とは検索表に示すように別種とするに値する差異を示す. 用いた三者の全系統とも tungro virus に感染し易いことを附け加えておく.
  • 柳島 直彦
    1966 年 79 巻 942 号 p. 799-806
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ぶどう酒酵母の一系統の呼吸欠損細胞質突然変異菌を用いて, オーキシンの細胞の伸長生長におよぼす影響をしらべた. 細胞の伸長が促進される濃度のオーキシンを加えた培地では定常期の細胞数は減少する. オーキシンの細胞伸長促進作用は細胞分裂がさかんな細胞ではみとめられない. また嫌気状態や, 適当な炭素源, 窒素源がないときには, このオーキシン作用はみとめられない. オーキシンによって伸長した細胞では, 細胞あたりの核は一個であり, オーキシン無処理にくらべてRNA量はすこし多いがDNA量は多くない.
  • 笹沼 庄之助, 武田 幸作, 林 孝三
    1966 年 79 巻 942 号 p. 807-810
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    アズキの色素は, 古く黒田•和田(1934)の予備的研究によれば, おそらくアントシアン系の赤色色素とタンニン系の褐色色素とから成るという. 今回,著者らは黒アズキを用いて調べたところ, 種皮には水溶性の赤色色素と不溶性の褐色色素(おそらく細胞壁成分)とが含まれており, 前者は微量ながらピクリン酸塩として結晶状に単離され, 主として炉紙クロマト法によってアントシアンの一種である delphinidin monoglucosideと同定された. 後者の褐色色素は抽出不能のため,詳しい調査はおこなわなかった.
  • 竹葉 剛, 滝本 敦
    1966 年 79 巻 942 号 p. 811-814
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    すでに今村•滝本2) および Zeevaart4) はアサガオにおける花成刺激の移動速度を実験的に推定し, いずれも2~4mm/時間の値を得た. しかしこれらいずれの方法も重大な誤りを含んでいるので, 本論文ではそれらの点を指摘し, 新しい方法を用いて刺激の移動速度を推定した.その結果,アサガオの茎の中における花成刺激の移動速度は50cm/時間以上であることが判明した.
  • 富永 佑之, 市村 俊英
    1966 年 79 巻 942 号 p. 815-829
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    山地河川生態系の主要な一次生産者は底生藻類である. 本研究は荒川上流の山地部に定点を設置し, 底生藻類群落のクロロフィル量と光合成特性の年変化を調べ, これらの資料を基礎に流水生態系における有機物生産の機構と代謝特性を明らかにしようとした. クロロフィル現存量は冬季に多く300mg/m2から500mg/m2, 夏季には 100mg/m2から200mg/m2の変動を示した. 底生藻類群落内における光の減衰(I)とクロロフィル量(M)との関係はI0exp(-0.02M)で示され, また生産層中のクロロフィル量の最大値は200mg/m2であることを実験的に確めた. 藻類の光合成-光曲線は著しい年変化を示すが代表的な陽生型は夏季に, 陰生型は冬季にみられた.光合成能力の年変化は湖沼植物プランクトンのそれとほぼ同じで, 夏季に最高値12mgO2/chl.mg/hr.,冬季に2mgO2/chl.mg/hr. の最低値を示した. 光合成-光曲線の特性を左右する主要因は河川では温度で光合成-温度係数はほぼ2.3であった. 山地河川生態系における藻類群落の有機物生産速度をクロロフィル法で求めると最高値は7月の11.3g O2/m2/day, 最低値は冬季の2.5Go2/m2/dayである. また年総生産量は2.2kg glucose/m2である. 流水生態系における基礎生産速度は他の水界生態系に比してかなり大きいが,生態系内ではP/Rが常に1より小さいため, 系の代謝は従属栄養的と考えられる.
  • 西田 晃二郎
    1966 年 79 巻 942 号 p. 830-840
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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