植物学雑誌
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79 巻 , 931 号
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  • 小川 幸持
    1966 年 79 巻 931 号 p. 1-6
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ハヤトウリ (Schium edule) の種子に含まれているジベレリン様物質の分別とその量の変化を調べた. エタノール抽出物をアンモニア性ブタノールの溶媒を用いてペーパークロマトグラフィーをおこなうと三 種類のジベレリン様物質が認められる. (Factor I Rf O-0.26: Factor II, Rf O.26-0.53: Factor III, Rf O.53-0.80). これらの総量は開花後32日目に種子当り 0.75μg Gib. A 3 当量になる. Factors I, II およびIIIは各々水溶性, 酸性および中性ジベレリン様物質である.
    酸性ジベレリン様物質は GA1-A7 のいずれかであると思われる.
  • 生嶋 功
    1966 年 79 巻 931 号 p. 7-19
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    コウガイモ純群落の水平な層別の生産力を測定し, その垂直分布と群落の現存量の季節的変化をしらべた. この群落は陸上植物のイネ科草本型の生産構造をもち, 4月下旬から11月上旬にかけて東京都•水元公園小合溜の灌概水路の静水中に生育する.
    群落は7月から9月にわたって密生する. その現存量の最大は8月に212g乾重/m2に達し, クロロフィル総量と葉面積指数は7月に1.7g/m2および9.3m2/m2であった.
    群落上層部の葉の光飽和の光合成率は12~18mgO2/g/hr. (2.1~3.6mgCO2/100cm2葉面積/hr.に換算される)で, 群落下層部の葉の値にくらべ2.8~5.6倍も高い. 上層部の葉の呼吸率は0.97~2.0mg O2/g/hr.(0.18~0.41mg CO2/100cm2/hr.)で下層部の値の1.4~2.8倍に相当した.
    光-光合成曲線と, 群落内部の任意の高さにおける光の強さの日変化を組みあわせ, さらに天気を考慮して, 群落の1日の光合成量と呼吸量の垂直分布をもとめた. 沈水群落内の光の強さは水深の増加だけでなく, 葉層の増加にともなう光吸収が加算されて, 水面下で急激に減少するため, 群落上層部の葉は快晴の日中でも最大光合成能を発揮しているとはいえない.
    群落上層部の葉は群落全体の物質生産でもっとも重要な役割をはたしている. いっぽう呼吸損失量は群落の高さに関係なく, ほぼ一定であった.
    最適葉量は天気や生育時期に左右される. 最大剰余生産は8月にあらわれ, 快晴日では最適葉面積指数6で8g乾重/m2/dayであり, 雨天では最適葉面積指数は4で4g乾重/m2/dayであった.
    繁茂期の月平均の月純生産力は6月の0.5g乾重/m2/dayと8月の3.9g乾重/m2/dayの範囲にあった. 月平均の純生産量/総生産量の比率は0.22~0.49であって, この値は生産力の大きい月ほど大きい値をとる傾向がみられた.
    イネ科草本型生産構造をとる沈水植物群落の葉量やクロロフィル量は, 陸上植物群落のそれに匹敵するにもかかわらず, 最大日純生産力が約6g乾重/m2/dayで, 多くの陸上草本や作物植物群落の最大値の約50%以上にはなりえない. これは水中葉の面積あたりの光合成率が低いことにもよるが, 群落内部の光の不足が主要因となっているためであろう.
  • 有賀 祐勝
    1966 年 79 巻 931 号 p. 20-27
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    植物の光合成にはクロロフィルのほかに種々の色素が間接的に関与しているが, 水界の主要な生産者である植物プランクトンの現存量を, 光合成に直接関与するクロロフィルの量として測定することが近年世界的に広くおこなわれるようになってきた. しかし, 水界のクロロフィル量と一次生産量との関係についての解析的な研究はまだほとんど見られない. そこで, 水中のセストンがすべて植物プランクトンで占められているような理想的な状態を仮定し, しかも水中の各層に植物プランクトンが均一に分布しているものとして, クロロフィル量と生産層の深さおよび一次生産量との関係を, 水中での光の減衰と照度の日変化および植物プランクトンの光合成曲線をもとにして求めることを試みた.
    海洋や湖沼の水中の光は水および水中のセストンや溶解物による選択的吸収のために波長組成が水深にともなって変わり, このことが植物プランクトンの光合成に影響をおよぼしていることが予想されるが,こうしたことを一次生産の算定上どの程度まで考慮すべきかについての十分な資料がまだ得られていないので, 現状では光を波長別に分けて取扱っても効果があがるまでにいたっていない. したがって, ここでは培養した Scenedesmus の種々の濃度の懸濁液をつくり, 波長組成をとくに考慮しないで太陽光の下で測定したそれぞれの吸光度をもとにして種々のクロロフィル濃度の場合の水中照度の減衰を求め, 生産層の深さを一般に認められているように水表面の光が1%になる深さまでとして, クロロフィル濃度と生産層の深さおよび生産層内の全クロロフィル量との関係を求めた. クロロフィル濃度が著しく高いときには生産層は非常に浅く, 単位面積あたりのクロロフィル量は濃度に関係なくほぼ一定で900mg/m2という値が得られた. クロロフィル濃度が低くなると水中の光の透過はよくなって生産層は深くなるが, 水そのものによる光の吸収がだんだん大きくなるため, クロロフィル濃度が約5mg/l以下では生産層中のクロロフィル量は生産層が深くなるにつれてだんだん減少する. したがって, 水そのものによる吸収がほとんど無視できる深さまでを除き, 生産層が深くなるにつれて光の利用率は低下することになる.
    5月の平均照度について20°のときの Scenedesmus の光合成曲線を用いて算定すると, 1日あたりの総生産量はクロロフィル濃度が5mg/l以上ではほぼ一定で24gC/m2/day, 純生産量はクロロフィル濃度1mg/l以上ではほぼ一定で19.5gC/m2/dayが得られた. クロロフィル濃度がこれらの値以下になると生産層が深くなるにつれて総生産量も純生産量もだんだん低下する. 30°および10°の場合には20°のときの値のおよそ145%および42%の値がそれぞれ得られた.
    これに対し, 自然の水界ではつねに植物プランクトン以外のセストンや種々の溶解物が多量に存在するので光の透過は著しく悪くなり, 生産層中のクロロフィル量は水の華の時期を除き上記の値よりも著しく低い値が測定されている. 一般に水界生態系では光合成組織の量に相当するクロロフィル量は単位面積あたりで比較すると, 陸上の植物群落のクロロフィル量よりも著しく少ないといえる. また, 上に記した1日あたりの一次生産量は, 非常に好適な条件のもとで得られている最大値にほぼ近い値である. しかし,水中のクロロフィル濃度が高い場合には, 普通はCO2や種々の栄養物質が不足するため上記のように高い生産を持続することは, 人工的に種々の手段を用いてこれらの必要物を供給できる場合を除き自然界では極めて困難であると思われる.
  • 森 健志, 鈴木 秀穂
    1966 年 79 巻 931 号 p. 28-35
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    脱窒細菌 Pseudomonas denitrificans の銅を含む脱窒酵素, チトクロムなど電子伝達系成分の解析がわれわれの研究室でおこなわれてきたが, 一方, Micrococcus No. 203でこれとは性質の異った亜硝酸還元酵素, 電子伝達構造について, かつて江上研究室で,浅野, 堀らの研究があり, また, Pseudomonas aeruginosaのチトクロムc酸化酵素として2種のヘム基を備えた特殊な蛋白がえられ, それが亜硝酸還元酵素として働くことが奥貫の下で, 堀尾, 山中, 東らによって明らかにされた. 同じ類の反応がかくも異った機構を持つことは甚だ面白いことで, これらの電子伝達および脱窒反応の系統的理解に資するために, さしあたりわれわれの脱窒細菌の嫌気, 好気培養の細胞の代謝系の現象的比較研究についてここで報告する.その結果は大体本文第3表にまとめてある. なお, 亜硝酸代謝の適応的性質, その酵素適応が発育条件で10時間という長期間を要すること, ただし好気細胞にも構造的な微弱な活性の存在すること, 脱水素酵素には特に顕著な差異を認めなかったことなどが明らかにされた.
    いまのところ, 上記3種類の亜硝酸還元機構をエネルギー代謝として統一的に理解する見通しを語る段階ではないように思われる.
  • 平 宏和
    1966 年 79 巻 931 号 p. 36-48
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. ファルス亜科のうちタケ族に属するカンチク, モウソウチクおよびチシマザサ, ダンチク亜科のうちドジョウツナギ族に属するドジョウツナギおよびミヤマドジョウツナギとササクサ族に属するササクサの各種子のアミノ酸組成を, 微生物法により定量するとともに, いままでに検索したイネ科60種の種子のアミノ酸含量の平均値, 変動および相関についての観察をおこなった.
    2. ファルス亜科のタケ族試料は, 前に検索した同亜科試料と類似したアミノ酸パターンを示し, ダンチク亜科のドジョウツナギ属試料はファルス亜科に, ササクサ試料は前に検索したキビ亜科と, それぞれ類似したアミノ酸パターンを示した.
    3. ダンチク亜科は, いままでの結果よりそのアミノ酸組成において, 少なくともファルス亜科型,スズメガヤ亜科型およびキビ亜科型の3種類の型があることが認められた.
    4. ダンチク亜科を除いた各亜科のアミノ酸含量の平均値は, いままでに認められたごとく, 各亜科により特徴あるアミノ酸組成を示した. また, イネ科全体のアミノ酸含量の変動は, 各亜科により含量に相違の認められるアミノ酸に比較的大きい傾向がみられるが, 各亜科については, 変動するアミノ酸の種類は必らずしも同じではない.
    5. アミノ酸含量間の関係については, イネ科全体としては多くの相関が認められ, また, 各亜科については, ダンチク亜科, イチゴツナギ亜科に相関が多く, ファルス亜科は少ないことが認められた.
  • 小川 幸持
    1966 年 79 巻 931 号 p. 49-50
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
  • 戸塚 績
    1966 年 79 巻 931 号 p. 51-60
    発行日: 1966年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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