植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
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80 巻 , 945 号
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  • 武田 宏, 西沢 一俊, 三輪 知雄
    1967 年 80 巻 945 号 p. 109-117
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    カワノリを含む Prasiola 属はいろいろな点でその分類学上の位置が問題とされてきた•アオサ科に近縁のものと考える見解もあったが, その形態的な特徴から一時はアマノリ属などに類縁があるともされた.しかし一方, 形態的な特徴や配偶子の性質などから, Schizogoniales 目として独立させた方がよいという意見もある. 三輪は, 緑藻のあるなかまでは, その細胞壁の化学的性質がそれらの分類学的な位置と密接な関係のあることをみていることと, カワノリの細胞壁成分の大まかなところを以前分析し, 非常に注目すべき結果を得ていたことなどから, 今回さらにこの藻について詳細な細胞壁の分析をおこなった. その結果では, 電子顕徴鏡などからの知見に基くと, カワノリの細胞壁は従来3層と考えていたものが, 少くとも4層から構成されていることがわかった. 主成分はアマノリ属にはあるがアオサやアオノリには存在しない一種のマンナンであったが, そのほかに, 少量ではあるがアマノリ属にはみられないセルロースとかラムノースを含む多糖の存在が確認された. またアマノリ属にみられるガラクタンは, カワノリにはみられなかった. これらのことから, カワノリは West などの見解のように, Schizogoniales として独立させた方が妥当だという結論が得られた.
  • 豊田 清修
    1967 年 80 巻 945 号 p. 118-122
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. ハスと他の数種の被子植物の発芽した種子のホモジェネートにおける水素の発生を研究した. 2. 水素の発生率は最初の1~2日間は, 非常に大きく, のち急減した. 3. 水素の発生率は空気によって抑制された, それはその機作にヒドロゲナーゼの関与することを示唆する. 4. ハス子葉のホモジェネートにおける水素発生の至適pHは7.2くらいにあった.
  • 和田 喜徳, 渡辺 誠子, 黒田 昭太郎
    1967 年 80 巻 945 号 p. 123-129
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. タバコ植物の2つの栽培種 (Nicotiana tabacumの Bright Yellow および Consolation 402) の一定葉位の葉の中央部分における光合成能力とクロロフィル量の消長を生育を追って測定した. 2. Consolation 402の光合成能力は Bright Yellow のそれと大差なく, 葉の生育にともなう消長も類似していた. しかし, クロロフィル量の消長については, 両者の間に顕著な差があり, BrightYellow では光合成能力の消長とクロロフィル量の消長がほぼ平行して変化するが, Consolation 402では, 光合成能力が最高となる時期よりかなり遅れてクロロフィル含量が最高になった. 3. 単位葉積あたりのクロロフィル量は, 2品種の間に大きな差があり, Bright Yellow にみられる最高値が5.2mg Chl./dm2 leaf であるのに対し, Consolation 402のそれは 2.2mg Chl./dm2 leafで, Bright Yellow に比べ42%にしかすぎなかった. 4. 実験で得られた結果から assimilation number: υA (P/mg Chl. P=0.03% CO2気中における光合成量/dm2leaf/hr.) を算出した, BrightYellow では葉位によって異るが, 生育を通じてほぼ一定の値を示した. しかし Consolation 402 では, はじめに高い値を示し, 生育につれて徐々に低下した. 終りに, 本実験を命ぜられかっ指導をいただいた当試験場 田中正雄•増田穎二の両氏および終始御鞭撻いただき, 校閲の労をとられた岡山大学理学部藤茂 宏教授に厚く感謝の意を表する.
  • 辰野 誠次, 吉田 治夫
    1967 年 80 巻 945 号 p. 130-138
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1) 本研究では, 日本産ゼンマイ科のヤマドリゼンマイ属のヤマドリゼンマイとオニゼンマイ, およびシロヤマゼンマイ属のシロヤマゼンマイの核学的研究をおこなった. これら3種類の染色体数はいずれも2n=44である. 2) 観察されたゼンマイ科の3属, ゼンマイ属, ヤマドリゼンマイ属, シロヤマゼンマイ属の植物の核型は基本的には似ているが, B型中の1染色体対において, 種の間に若干の相違が認められる. 3) 核型分析の結果から, ゼンマイ科の染色体の本来の基本数はx=11で, 本科に普遍的な2n=44 をもつ植物は四倍性と考えられる.
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