植物学雑誌
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80 巻, 951 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 染色体数および核型
    河野 昭一, 井原 正昭, 鈴木 昌友, Hugh H. ILTIS
    1967 年 80 巻 951 号 p. 345-352
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    マイズルソウ属 (Maianthemum は僅か3種, dilatatum, bifolium および canadense よりなるユリ科の小さな属である. これら3種の染色体数, 核型を各地より集めた材料で調べた. いずれも2n=36の体細胞染色体をもつことが明らかとなった. bifolium および dilatatum より2n=30, 32, 42などの染色体数がStenar1), Löve and Löve2), Matsuura and Suto7) らにより報告されているが確認できなかった. またSato, Sokolovskaya らにより3倍体, 2n=54が dilatatum, bifolium で報告されているが, 発見できなかった. これら3種の基本的核型構成は非常に類似しており, K(n)=18=2V(1V1+1V2)+8J+8v(4j+4v)で表わすことができる. 3種間相互の類縁関係は未だはっきりとしない.
  • 小山 鐵夫
    1967 年 80 巻 951 号 p. 353-356
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1666年秋台湾の知本附近の河原で採集したテンッキの一種は検討の結果新種と判明したので Fimbristylissubinclinata T. Koyama として記載する. 本種は F. podocarpaに近いものと解釈されるが, 果実が白っぽくなく褐黄色に熟し, その表面の格子様紋が非常に細かいほか, 鱗片の形質等も異り判然としている.図解した様な傾下性の花序も本新種の特性の一つである. 更に F. podocarpaの学名について, 昨年 F.affinis の副規準標本を検討の結果, 双方同一種であるので先取権の原則に従って F. podocarpa とされる植物の正名は F. affinis Roth とすべき事を述べた.
  • 赤色系花弁におけるアントシアンの量的効果に関する色彩科学的研究
    安田 斉
    1967 年 80 巻 951 号 p. 357-362
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    赤バラおよび黒バラの花弁について, アントシアン含量と花色との関係を色彩科学的に研究した. 用いた品種は赤バラとしては Happiness, Crimson Glory, Karl Herbst, 黒バラとしては Bonne Nuit, Charles Mallerin, Josephine Bruceである. 花色は花弁の分光反射率曲線からC.I.E.標準表色系によりx, yおよびYを求め, これからI.S.C.C.-N.B.S. 方式により具体的な色名として表現した.
    得られた結果は次の通りである.
    (1) 赤バラ花弁ではアントシアン含量が大体150γ/cm2から800γ/cm2に高まるにつれて, 花色は deep or dard purplish Red→very dark purplish Red→very dusky Red の順で異る.
    (2)黒バラ花弁では色素含量が大体300γ/cm2から1000γ/cm2に高まるにつれて, 花色は verydusky purplish Red→very dusky Red Purple→purplish Black→reddish Black の順で変化する.
    (3) 黒バラにおける赤色花弁では, 赤バラ花弁の場合と同じ順序で変化する.
    (4) 赤バラの花色の変化と黒バラのそれとの間には, アントシアン含量による連続的な関係は見られない.
  • 小野 莞爾
    1967 年 80 巻 951 号 p. 363-372
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. 日本産チョウチンゴケ科の Mnium 属の4種: オオバチョウチンゴケ (M. vesicatum), ナガハシチョウチンゴケ (M. longirostrum), オオヤマチョウチンゴケ (M. hornum), ナメリチョウチンゴケ(M. laevinerve), の核学的研究をおこない, 構造的性染色体を発見した.
    2. section Mnium の2種: オオバチョウチンゴケ, ナガハシチョウチンゴケ, の構造的性染色体は前報告1) の sect. Mnium の種のそれと同型である.
    3. section Polla の2種: オオヤマチョウチンゴケ, ナメリチョウチンゴケ, の構造的性染色体は,sect. Mnium とは異質染色質の分布の異なる新型である.
    4. これら両型の構造的性染色体は, 異質染色体H1で, YはXより常に多くの異質染色質を待つ.
    5. 4種の核型はつぎのようである.
    Mnium vesicatum M. longirostrum}……
    {K(n)=7=V(H1X)+V(H2)nh
    +2v+J+j+m(h)
    K(n)=7=V(H1Y)+V(H2)nh
    +2v+J+j+m(h)
    M. hornum ……
    K(n)=7=V(H1X)+V(H2)nh
    +2v+2j+m(h)nh
    K(n)=7=V(H1Y)+V(H2)nh
    +2v+2j+m(h)nh
    M. laevinerve ……
    K(n)=7=V(H1X)+J(H2)nh
    +v+J+2j+m(h)nh
    K(n)=7=V(H1Y)+J(H2)nh
    +v+J+2j+m(h)nh
  • 松原 聡, 中平 良一
    1967 年 80 巻 951 号 p. 373-374
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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