植物学雑誌
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80 巻, 953 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • M. L. MAGOON, M. A. TAYYAB, R. S. SADASIVAIAH
    1967 年 80 巻 953 号 p. 427-439
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    顕著な形態的特徴について, 11種類の雑種とそれぞれの両親について比較研究した. それらの遺伝子の優劣の関係がいろいろの数量的な特徴についても決定された(第1表). 真正モロコシ節 (Eu-Sorghum) の13種と11雑種の減数分裂と花粉形成が研究された. これらの雑種におけるパキテン期における染色体対合の性質が, これらの種の染色体の構造変化があるかないかについて重要な情報をもたらす点で,実際に役立った. パキテン分析によって得られた結果にもとづいて, 現存の真正モロコシ節の分類にある制限をつけなければなるまい. すべての真正モロコシ節を一つの '納得のできる種' (comprehensive species) として集めてしまうという考えは現時点においては, 実際的でなく, 同時に, 真正モロコシ節に多数の種を区別する考えを支持する結果は得られなかった. 細胞学的には種を区別する必要のないものもあった. それで, 従来の分類を変えて, 適当なグループに異なる種を再排列してみる必要があることを強調した
  • におけるアントシアニンおよび桂皮酸類の生成について
    菅野 延彦, 林 孝三
    1967 年 80 巻 953 号 p. 440-449
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    赤色系ニンジン「金時」の根をホワイト基本培地, 酵母抽出物, IAAを含む寒天培地上で螢光灯照射下で培養すると, アントシアニン, およびカフェ酸を主体とする桂皮酸類を大量に生成する細胞集塊 (AGI)が分離する. さらに, これをIAAの代りに2,4-Dを含む培地に移植すると, アントシアニンをほとんど生産しない白黄色の細胞集塊 (AGID) が得られる. これらAGI, AGIDではもとの根の組織に比べ, ともに遊離アミノ酸, リンゴ酸, カロチノイドの各量が著るしく低下している. したがって, AGIにみられるようなフェノール性化合物の生産性は, オーキシンを主体とする培養条件下における一次代謝型の変動にもとづくものと思われる. とくに, AGIにおける遊離アラニン量の経時テストによって示された変動は, これらフェノール性化合物生成系との関連において注目される. したがって, アラニンのシキミ酸経路への転換もしくはこの経路を支える呼吸系と. AGIにおけるフェノール性化合物生成系の台頭との関係が論義された.
  • 松田 忠男
    1967 年 80 巻 953 号 p. 450-458
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1) 静岡県周智郡春野町秋葉山産のアキワギクAster ageratoides subsp. sugimoto に過剰染色体を見いだした. 採集した35株のうち, 約46%は1~4個の過剰染色体を持っていた.
    2) 本種の過剰染色体は, 多型的で, 体細胞分裂前期および中期の形態の差異から standard, ap, bp, cp, isop, asおよびbsの7型に区別された.
    3) 過剰染色体中最長で, 一次狭窄をsub-terminal に持つものが本種の standard accessory chromosome で, その他の過剰染色体は standardからの derivative とみなされる. これらの分化について論義された (Fig.6).
  • 赤色系花弁における表面反射光の役割
    安田 斉
    1967 年 80 巻 953 号 p. 459-465
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    花弁色発現における表面反射光の意義を色彩科学的方法によって検討した.
    黒色品種を含むバラの赤色系栽培品種の花弁の分光反射率曲線から, まつ反射率0%の横軸を基線としてI.S.C.C.-N.B.S.方式により具体的な色名を求め, 次いで表面反射光によると見られる位置まで基線を平行移動させて再び同方式の色名を求め, 両色名の相異から表面反射光の花弁色における役割りを分析した,
    その結果, 表面反射光は花弁色の発現に対して感覚的に識別し得る影響を与えており, その程度は明度Yの値によって次の3型に分けることができる(1) Yが8~13%の場合で,あまり顕著な影響を与えない型.
    (2) Yが6~8%の場合で, reddish の彩度が減少する方向に, tone のレベルで影響が見られる型.
    (3) Yが6%以下の場合で, Red を中心とした色相中 Yellow が失われて Purple が加わる方向に, 主たる色のレベルで影響が見られる型.
  • Brachytheciaceae 15 種の核型
    井上 覚
    1967 年 80 巻 953 号 p. 466-474
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    This paper deals with the results of the karyological studies on fifteen species, belonging to the family Brachytheciaceae. The metaphase and heteropycnotic chromosomes in mitotic cells of gametophytes are observed. The chromosome numbers of four species, Homalothecium laevisetum, Brachythecium buchanani, B. plumosum, Bryhnia novae-angliae, are identical with the results of the previous workers, whilst those of three species, Brachythecium populeum, B. rivulare, Eurhynchium hians are different from other reports of each species. Those of the rest, eight species, are reported for the first time by the present writer. The karyotype formulae of the fifteen species are as follows: Homalothecium laevisetum……K(n)=11=V(H)+2V+J+6(4v+2j)+m(h) Paramocladium macrostegium……K(n)=11=V(H)+2V+J+6(4v+2j)+m(h) {Brachythecium buchanani……B. wichurae……} K(n)=11=V(H)+2V+J+5(3v+2j)+m(h) {B. plumosum……B. populeum……B. rivulare……}K(n)=11=V(H)+2V+J+6(4v+2j)+m(h) B. sakuraii……K(n)=12=V(H)+2V+J+7(5v+2j)+m(h) {Bryhnia novae-angliae……B. trichomitria……} K(n)=11=V(H)+V+J+7(5v+2j)+m(h) B. tenerrima……K(n)=8=V(H)+3V+J+2(v+j)+v(h) Rhynchostegium inclinatum……K(n)=22=2V(H)+2V+2J+14(10v+4j)+2m(h) R. pallidifolium……K(n)=11=V(H)+V+J+7(5v+2j)+m(h) Eurhynchium arbuscula……K(n)=10=V(H)+V+5J+5(3v+2j)+v(h) E. hians……K(n)=7=V(H)+2V+J+2(v+j)+j(h).
    The interspecific and intergeneric similarities of these karyotypes are discussed in comparison with each other.
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