植物学雑誌
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80 巻, 954 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 特に遊離アラニンとの関連において
    菅野 延彦, 林 孝三
    1967 年 80 巻 954 号 p. 481-486
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    前報において明らかにした遊離アラニンの動向とフェノール性化合物生成系との関連を調査するために,L-アラニン-U-14C, ピルビン酸-1-14C, ピルビン酸-3-14C, 酢酸-1-14C, 酢酸-2-14Cの計5種類の14C-標識化合物のシアニジンおよび桂皮酸類への取り込み実験をおこなった. その結果, 14Cの取り込みは酢酸が最も効果的であり, 次いでL-アラニン-U-14Cとピルビン酸-3-14Cがほぼ同レベルで, ピルビン酸-1-14Cははるかに低いレベルで, これらフェノール性物質に取り込まれることが明らかとなった. したがって, アラニンの炭素骨格はまずピルビン酸に移行し, さらに “Dicarboxylate shuttle” を経由して, 直接これらフェノール性化合物の炭素骨格に取り込まれるものと思われる. これに対して, 酢酸-1-14Cと-2-14Cとの間で取り込みにさほどの相違がみられないことは, それらの放射性炭素のかなりの量が14CO2に転換した後, 炭酸固定の反応によりフェノール性化合物の生成系へ流入することを示すものと思われる. また, 酢酸の桂皮酸類へのこのような取り込みはほとんど前例がなく, 従って正常組織とはかなり異なる一次代謝型が本実験に用いた Cell aggregn に台頭していることを示唆している. これらの知見に基づいて, 遊離アミノ酸および呼吸系有機酸の各代謝プールとキントキニンジン細胞におけるフェノール性化合物生成系の活性化の機構との関連について若干の論議を試みた.
  • 西田 誠
    1967 年 80 巻 954 号 p. 487-497
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    前報1)に引き続いて4種の材化石を報告する. そのうち3種は明かに新種である.Brachyoxylon nipponicum sp. nov. は B. notabile に似ているが髄線が2列になり, しかも細胞高が高いことによって区別される. B. raritanense も本種に似ているが, 分野に1-9個の小眼形の膜孔があるので本種と区別される.
    Planoxylon choshiense sp. nov. は仮道管の切線壁上にも連接する有縁孔を有する点でこの属の他の種と区別できる. その他髄線の構造にも特徴がある. Protocedroxylon japonicum sp. nov. はスピッツベルゲンや南カラフトから知られている P. araucarioides に最もよく似ているが, 髄線の細胞高が高く, 分野の膜孔が少いので区別できる. 第4の種 Araucarioxylon sp. は A. kiiense と似ているが, 髄線の細胞高は低く, かつ常に1列である点がちがう. Dadoxylon sidugawaense にも, 年輪がないという他はよく似ている.
  • 小野 莞爾
    1967 年 80 巻 954 号 p. 498-507
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1) 日本産チョウチンゴケ科の Mnium 属の3種, Trachycystis 属の2種で核学的研究をおこない, こ れら5種に構造的性染色体を発見した. それらの核 型は次のごとくである. Mnium sapporense……{♀K(n)=7=V(H1X)+V(H2)nh+2v+J+j+m(h)nh ♂ K(n)=7=V(H1Y)+V(H2)nh+2v+J+j+m(h)nh} M. immarginatum……{♀K(n)=7=V(H1X)+V(H2)nh+2v+2j+m(h)nh ♂ K(n)=7=V(H1Y)+V(H2)nh+2v+2j+m(h)nh} M. punctatum……{♀K(n)=7=V(H1X)+J(H2)nh+2v+J+j+m(h) ♂ K(n)=7=V(H1Y)+J(H2)nh+2v+J+j+m(h)} {Trachycystis microphylla T. flagellare}……{♀K(n)=7=V(H1X)+V(H2)nh+2v+J+j+m(h)♪ ♂ K(n)=7=V(H1Y)+V(H2)nh+2v+J+j+m(h)}
    2) 既知のチョウチンゴケ科12種の構造的性染 色体は3型: Rhizomnion, Polla, Mnium 型にわ けられ, Trachycystis 属の種および Mnium 属の 同一 section の種は同じ型の構造的性染色体を持つ (Table 3).
  • 総説
    太田 次郎
    1967 年 80 巻 954 号 p. 508-518
    発行日: 1967年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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