植物学雑誌
Online ISSN : 2185-3835
Print ISSN : 0006-808X
ISSN-L : 0006-808X
81 巻 , 960 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 木村 允, 本谷 勲, 宝月 欣二
    1968 年 81 巻 960 号 p. 287-296
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    縞枯山の縞枯部に成立する約15年生の Abies 幼樹林において, 生長と物質生産量, 呼吸および枯死による物質消失量を測定した. 季節をおったサンプリングにより新成器官の生長経過をみると, 芽の展開は6月末にはじまり, 新葉の生長は8月末にほぼ完了するが, 新枝の生長は10月末までつづいた.
    生育期間の終了後の生体量は 3.3kg d. w./m2であり, この年の純生産量は 0.74kg, 乾物増加量は0.52kgであった. この地方の成熟林で得られた結果と比較すると, 純生産量はその 65%に達し, 葉と枝の生産量は両群落でほぼ等しい. 両者の差は主として幹の生産量の差異による.ここに幼令林の特徴の一部がみられるようである.
    各器官の呼吸速度の季節変化を測定することによって得られた群落の年間の呼吸量は, 乾量に換算して1.25kg/m2 であった. したがって年総生産量は1.9gkg/m2であり, 純生産量はその37%に相当する. 成熟林においてはこの割合は30%程度になると推定された.
  • 高沖 武
    1968 年 81 巻 960 号 p. 297-309
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    含水量の異なる土壌に栽培した飼料ササゲの葉から粗酵素液を調整し, 土壌水分の差および葉齢の差による酵素活性の相違を6種類の酵素について比較したところ, α-アミラーゼ, β-アミラーゼ, およびカタラーゼは適湿区で活性が最も高く, それより乾燥しても多湿でも活性は低下する. 葉齢については中間のものが若いものや老令のものに比べて活性が高い. アミロホスホリラーゼ,ホスホモノエステラーゼは乾燥区のものほど, また若い葉ほど活性が高い. パーオキシダーゼ活性は土壌水分による差が顕著でないがやや乾燥区の方が低く, 葉令については若い葉ほど低い.
    これらのことから, 乾燥に順致することによって植物はその植物の若い細胞がもっている性質を帯びてくるものと考えられる.
  • 高尾 静代
    1968 年 81 巻 960 号 p. 310-317
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ツリフネソウの胚嚢の発生について調べた. 胚嚢発生はタデ型に属する. 反足細胞は短命である. megasporetetrad は, T型の一変型であると考えられる. 成熟した胚嚢の形は紡錘型である.この形は珠心の退化したあとがそのまま, 伸長してくる胚嚢によって占められたものであり, ホウセンカで西洋ナシ型の胚嚢が出来るさいに観察されたような特別な変形を行なわない. 極核はかなり大型であり, もとの核の体積の40倍から80倍にも達する. また, 胚嚢のほとんどの部分は, 発達した大きな液胞によって占められる.
  • 田中 実, 西沢 一俊, 三輪 知雄
    1968 年 81 巻 960 号 p. 318-327
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    グルタミン酸のγ-位置換体は植物界に広くその分布が確認されているが, その生理的意義ならびに代謝系路についてはほとんど未詳である. 著者等はナンキンマメ葉にvacuum infiltration 法によって与えた14C-標識化合物の放射能を追跡することによって, それら置換体の一つγ-ヒドロキシ-γ-メチルグルタミン酸 (γ-HMGA) の代謝を調べた.
    U-14C-ピルビン酸を与えるとγ-HMGAは他のアミノ酸と同様にすみやかに標識化される. したがってγ-HMGAの炭素骨格は, 少くともその一部は, ピルビン酸に由来すると考えられる.
    与えられたU-14C-γ-HMGAは比較的すみやかに代謝される. その放射能は5分後にすでに多くのアミノ酸にとりこまれるが, その際もっとも高い比放射能を示す物質は,二, 三のクロマトグラフ的性質の一致からγ-ヒドロキシグルタミン酸(γ-HGA)と推定された. しかしながら, ナンキンマメ葉から抽出された粗酵素標品によると, γ-HMGAからγ-HGAはできず, アラニンの生成を認める.
    これらの知見に基づいてγ-HMGAの代謝系路に考察を加え, γ-HGAが生ずる2, 3の可能性について議論を試みた.
  • 菊地 正彦莞, 野村 幸喬, 林 孝三
    1968 年 81 巻 960 号 p. 328-333
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    変形菌 Physarum polycephalum, 担子菌シイタケLentinus edodes,子のう菌Aspergillus oryzae,Neurospora crassaについてチアミンとその燐酸エステルの定量を行なった. また〓紙クロマトグラフ法, 〓紙電気泳動法を用いて, シイタケの子実体の発育段階に伴なってみられるエステル型チアミンの同定を行なった.1) 変形菌が乾燥して休眠状態となった菌核には多量の燐酸エステルが認められるが, 変形体へ戻った直後のものでは極めて少量となる (表1).2) 菌糸中ではエステル型チアミンが遊離のチアミンよりはるかに多い (表1,2).3) シイタケでは, 子実体の発達につれてエステル型チアミンが増量し, 胞子形成の時期に最高となり,以後は急激に低下する (表2).4) 〓紙クロマトグラム法, 〓紙紙電気泳動法による同定では, シイタケ子実体の各発育段階にみられるエステル型チアミンは二燐酸エステルで, 三燐酸エステルは検出されなかった. なお, クロマトグラム上の知見では, 二燐酸エステルのスポットの大きさはほぼ定量値と平行し, 胞子形成が行なわれる時期に最大となる.
  • 村上 浩
    1968 年 81 巻 960 号 p. 334-343
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. イネ苗テストによって, イネ, アサガオ, サツマイモの根の含水アセトン抽出物に, ジベレリンの存在が確認された. アサガオ, サツマイモの根は, イネの根の約10倍もジベレリンを含んでいた. 根は,地上部の茎葉に比較して, 生体重当りのジベレリン含量が少く, その1/5~1/20程度である.2. サツマイモの根の出液水, 100ml当り, 0.024μgGA3当量のジベレリンが検出された.3. サツマイモの苗を用いたGA3の植物体中での移動についての実験結果, および, 14C-ジベレリンを用いた他の研究者の結果から, 根のジベレリンは,根で生成されたものと結論した.4. 根は, 茎葉の生長因子の一つであるジベレリンの供給源であることについて考察した.
  • 野田 昭三
    1968 年 81 巻 960 号 p. 344-345
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
feedback
Top