植物学雑誌
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81 巻 , 961-962 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 堀田 ルリ, 原口 信夫, 清水 碩
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 347-355
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    たばこの成熟した葉や, 黄色乾燥中の葉には, 多量のフェオフィチンが見いだされることをさきに報告したが, これがどのような機構で生成されるかを調べた. クロロフィルからフェオフィチンが生成する反応は, 酸を作用させるか, 光還元することによってすすめることができるが, たばこの場合にはその可能性は低い.
    Triton X-100をもちいて, ほうれん草とたばこの葉から, クロロフィル•たん白複合体を抽出し, これにトリプシン, パパイン等のたん白質分解酵素を作用させた. たん白部分の分解がすすむにつれて, 反応液は緑色から黄色にかわり, その吸収スペクトルは, 蓚酸を加えた場合とまったく同じような変化をしめした.反応液をペーパー•クロマトグラフィーをもちいて調べると, クロロフィルはMgをうしなって, フェオフィチンに変っていた. そしてクロロフィルの時間的な変化の様子と, たん白部分の分解のそれとの間には,平行関係が見いだされた. また温度や阻害剤の影響を調べた結果も, クロロフィルの変化と, たん白質の分解とのあいだに, 密接なつながりのあることをしめした.
  • 佐藤 満彦, 加藤 直子, 長谷川 正男
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 356-361
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ユキノシタ (Saxifraga stolonifera) の葉緑体は, フェノラーゼタイプの酵素によりモノフェノール類(p-hydroxybenzoic acid, p-hydroxyacetophenone, p-hydroxybenzaldehyde および tyrosine) を, 対応するo-ジフェノール類へ酸化することができる. 反応生成物は, Rf値, 呈色反応, 紫外線吸収スペクトルによって同定された. この活性は, 他のいくつかの植物の葉緑体でもみとめられた. 一方, これらの植物の葉の可溶性分画 (13000g×30分, 上清のタンパク部分) では, この活性が葉緑体にくらべると低い.以上のことから, 葉緑体フェノラーゼのポリフェノール類代謝における役割を推論した.
  • 諸橋 征雄, 駒嶺 穆, 下郡山 正己
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 362-370
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    暗所で育てたハッショウマメのめばえの上胚軸を先端から5cmの所で切断すると, すでに報告したように, 切断後も引続き暗所においた場合 (暗条件) には, 切断面にカルスが形成されるが, 切断後明所においた場合 (明条件) には, 形成されない. この切断面から2mmまでの切断部でみられる生理的変化を, 特に呼吸代謝径路の変動という点に注目して, 明条件と暗条件とについてしらべ, 次のような結果を得た.
    1. グルコース-U-14Cからの14CO2放出速度は, 明暗いずれの条件下でも切断後増加するが, 特に暗条件下で著しい.
    2. 暗条件下では, グルコースからのCO2放出に対するマロン酸阻害率は, 切断後1日で急激に減少するが, 明条件下では, そのような激しい変化は認められない.
    3. 暗条件下での呼吸の増加は, ほとんどマロン酸に insensitive な呼吸径路の増加によっているが, 明条件下でのそれは, sensitive なものと insensitive なものとの両方によっている.
    4. マロン酸阻害率の変化と平行して, C6/C1比も暗条件下では切断後1日で急速に減少し, 明条件では,それほど顕著な変動はない.
    これらのことから, カルスが形成される暗条件下では, 切断後1日で切断部に顕著な呼吸系の変動がおこり, ペントースリン酸径路の活性が非常に大きくなるが, カルスが形成されない明条件では呼吸系の変動は比較的にゆるやかであることがわかる.
  • 菅野 延彦, 林 孝三
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 371-376
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    キントキニンジンの根から得られた赤紫色の培養細胞集塊 (AGI) と, これを2,4-培地に移植して得ら れた白黄色の細胞集塊 (AGID) との間で, フェニルアラニン-アンモニアリアーゼ, チロシン-アンモニ アリアーゼおよびDOPA (3,4-dihydroxyphenylanine) アンモニアリアーゼの活性を比較した. その結 果, 前2者の酵素活性のみが認められ (Table 2), とくに (1) フェニルアラニン-アンモニアリアーゼ活性 はチロシン-アンモニアリアーゼ活性よりも遙かに高いこと, (2) これらの酵素活性は, アントシアニンを形 成するAGIよりも, アントシアニンを形成せず且つ桂皮酸類の生成能も低下したAGIDにおいてむしろ 高いことが示された (Table 2). まず, 結果 (1) から, アントシアニンのB環およびカフェ酸などの芳香環 の形成はフェニルアラニン→桂皮酸→水酸基導入の順序で行なわれるものと思われる. 一方, 結果 (2), すなわちAGIDにおいてアンモニアリアーゼ活性が高いことから, フェノール性化合物生成系に及ぼす 2,4-Dの阻害効果は, アンモニアリアーゼそのものとは直接的な関係がなく, むしろ, AGID中における 極めて低いフェニルアラニン量から推して, 芳香族アミノ酸の生合成系ないしはそれを支える基本代謝系の 変動をもたらす点にあると推考される. なお, 培養細胞系を用いた粗酵素液の調製およびその後の反応生成 物の同定, 定量の操作は, ニンジンの根を用いるより遙かに容易であること, また, 培地組成の変更によっ て一次代謝物の含量, 色素生成能などの転換が可能なこと, 一定の環境下で育成された材料が随時に得られ ることなどにより, 組織あるいは細胞培養の技術は今後の植物生理化学の研究に大きく寄与することが期待 される.
  • 安田 斉
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 377-384
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    バラの栽培品種 Happiness (赤色種) と BonneNuit (黒色種) の花弁の酸性抽出液の透過曲線を調べた.
    これらの抽出液の最小透過波長は, 加温 (68-75°)により508mμから502mμに移動する. また,これらの抽出液の室温における最小透過波長は, 赤色花弁の色素の主成分であるシアニンの酸性溶液のものより約6mμ長波長側にずれている. このことは, 花弁抽出液における Co-pigmentation の可能性を暗示する.
    さらに, 透過曲線の比較検討から, pH3.0の抽出液はアントシアンに対して深色効果と濃色効果とを示すのに反して, pH1.0の抽出液は深色効果のみを示すことが認められた. 他方, 透過曲線の色彩学的計算から, この抽出液は赤色効果をもつといえる.
    赤色種と黒色種の花弁抽出液の透過曲線間では,その形状に明瞭な差異は見られなかった. このことは, バラ花弁の黒色性発現には Co-pigmentationの関与がないことを暗示する.
    明らかに透過曲線の移動を示す資料からは, フラボン類, タンニン類および数種の金属元素 (K, Na,Mg, Fe, Al) が検出された. これらのうち, フラボン類とカテコールタンニンとは透過曲線の移動に無関係であるが, ピロガロールタンニンは何らかの形で関与していると考えられる.
  • 塚田 松雄
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 385-395
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    花粉 (17種) の電子顕微鏡写真は, 光学顕微鏡下 で見られる模様の解釈に非常に役立つ. 平滑型•微 小突起型•皺模様型と言う術語は, 時として光学顕 微鏡の分解能を越える曖昧な花粉模様を意味するこ とがある. 例えば, 微小突起型には, 微細皺模様型 (アサ•カジノキ•ヤマグワ•オオバブナ) や微小 刺型 (カラハナソウ•アカザ•ホウレンソウ•イラ クサ属•ウラジロエノキ属•トウモロコシ) が含ま れる. これは, 電子顕微鏡的に術語の再検討の必要 性を意味している. またこれらの花粉の微細模様 (アサとカラハナソウの間に見られる様な差) は, 古生態的結論を精密にするために, 化石花粉の種の 同定に利用されなければならない.
  • 金子 賢一郎
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 396-403
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    The somatic chromosome numbers of two species and one variety of Hosta were ascertained: H. clausa and its var. normalis are 2n=90, and H. ventricosa 2n=120. Accordingly H. ventricosa is tetraploid, and the other two are triploid. The 90 chromosomes of H. clausa var. normalis were in 45 pairs, which could be classified into six pairs of large chromosomes, three pairs of medium ones, and 36 pairs of small ones. The karyotype of H. clausa differed from that of H. clausa var. normalis in the numbers of large chromosomes and medium ones. There were a number of pairs uneven in form. H. clausa is considered to be an allotriploid species which had presumably been derived from H. clausa var. normalis. H. ventricosa is considered to be an allotetraploid species of an autotetraploid origin. These three entities are, from their geographical distribution and karyotypes, considered to have descended from a common prototype.
  • 西沢 良
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 404-410
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    Electron microscopic studies were made on the cell division and fine structure of Agrobacterium tumefaciens.
    Two types of cell division were observed, the one being a division starting from the constriction at a middle part of the bacterial cell, and the other beginning with a septum formation inside the cell. The former type of division was found to be commoner than the latter.
    Concerning the fine structure of non-dividing cells, the cell was enveloped with a double membrane sandwiching a layer of low electron density. Inside this membrane, a dense protoplasmic membrane and a double-layered intracytoplasmic membrane were observed one after another.
    Within the cytoplasm, two kinds of granules were observed: the one ca. 5mμ in diameter (perhaps protein or lipid granules) and the other ca. 15mμ in diameter (perhaps protein bodies). Besides, highly electron-dense particles of about 50mμ in diameter were sometimes observed in the cytoplasm.
    A so-called 'nuclear region' of lower electron density was also observed along the long axis of the bacterial cell. This was composed of numerous filaments seemingly corresponding to DNA. Around the nuclear region, double-layered membranous structures were frequently discriminated. Fine structure studies on the nuclear region of this bacterium may serve to provide an important clue for the elucidation of the intrinsic nature of bacterial nucleus in general.
  • 長島 秀行, 中村 佐兵衛, 西沢 一俊
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 411-413
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 進一
    1968 年 81 巻 961-962 号 p. 414-415
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
  • 1968 年 81 巻 961-962 号 p. 420-421
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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