植物学雑誌
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81 巻 , 964 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 長谷川 正男, 赤堀 洋子
    1968 年 81 巻 964 号 p. 469-472
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    形態の似ている Adiantum 属2種,A. aethiopicumA. monochlamys (ハコネシダ)のフラボノイド配糖体を同定し, その比較を行った. A. aethiopicum からはプルニン,ナリンギン,アストラガリン,イソクエルチトリンおよび未同定のケンペロール配糖体, ハコネシダからはプルニン, アストラガリン,トリホリン, イソクエルチトリン, ヒペリンと未同定のケンペロールおよびクエルナチンの配糖体を検出した. 2種類の植物のちがいは特に結合糖に現われ, A. aethiopicum ではブドウ糖, ハコネシダでは主にガラクトースであり, ブドウ糖もみられた. ハコネシダのフラボノイドは A. aethiopicum のフラボノイドにさらにガラクトースの配糖体が加わった型のものであった.
  • 河野 昭一, 井原 正昭, 鈴木 昌友
    1968 年 81 巻 964 号 p. 473-490
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. マイズルソウは外部形態の変異において著しい地理的勾配を示すことが明らかとなった. 北米西部沿岸からアリューシャン列島, カムチャッカ半島, 千島列島, サハリン (樺太), 北海道, 本州東北より北陸地方, さらに朝鮮半島にかけては全体剛壮で, 大型, 心臓型の茎葉をつける集団群が広く分布する. 草丈,花序の長さ, 花の数, 茎葉の長さ, 巾, 葉面積, 葉柄の長さなど, 各形質の変異の巾は, これら北方の集団群では一般に非常に広く, 変異は固定していない. 一方, 本州太平洋岸に面した山岳地域, 中国地方, 四国九州にかけての地域からは全体非常に小型で, 卵型もしくは三角状卵型の茎葉をつける, 非常に変異の巾のせまい, 固定した集団群が分布することが明らかとなった.
    2. マイズルソウは生態的には温帯性夏緑樹林および亜寒帯針葉樹林林床にその主な生活は “場” があるが, 分布の南限近くでは必然的に高い山岳部の林床にとじこめられていることが多く, 集団も小さい. しかも, 各集団間には地理的, 生態的に強い隔離が働いているといえる. 本州北陸から東北にかけての地域以北ではマイズルソウの生活圏は海岸近くの林下より高山帯下部にかけての広い地域にまたがっており, 連続した“.iche”.占有する.
    3. 千島列島, 海馬島, 御蔵島, 屋久島, ウツリョウ島など, 離島の集団からは著しい変異の浮動が見出された. しかし, 北海道登別, 本州日光, 赤城山などの地域集団にみられた著しい地域変異は, 離島以外の集団においても変異の浮動があることを示している. 現在, こうした変異の要因を明らかにする資料は多くないが, 過去における日本列島を含む北太平洋地域全域の地史的および気候的変遷を土台として考察してみると, 温帯林, 亜寒帯林の氷期における南下と後氷期における北上とが, マイズルソウの種内分化, 隔離の背景をなしていることがわかる.
  • 勝見 允行, 小川 幸持, 小清水 弘一
    1968 年 81 巻 964 号 p. 491-497
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    6種類の検定法を用いて,GA18とGA3との生物活性を比較した. GA18の綾性イネ (小丈玉錦) の葉鞘と綾性エンドウ (Progress No. 9) の茎に対する伸長促進効果はGA3の1/10以下であった. 綾性トウモロコシd1およびd5の葉鞘伸長促進効果は, 0.1 と1μg/Plant でGA3とGA18とは同程度であったが, GA18の活性は1μg/plant で 1evel off した. GA18はまたイネの胚乳からの還元糖の放出と, 胚乳中のα-アミラーゼの活性を促進した. しかしGA18の活性がみとめられるには, GA3よりも長い処理期間を必要とした.GA18はキウリとレタスの下胚軸に対して伸長効果を示さなかった. これらの諸結果を,GA18がGA3の前駆体であるという見解と関連づけて論議した.
  • 下斗米 直昌, 安達 貞夫, 益森 静生
    1968 年 81 巻 964 号 p. 498-505
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    1. 筆者らはキノクニシオギクについて細胞学的,形態学的および地理学的研究を行なって次の結果を得た.
    2. キノクニシオギク は従来8倍体 (2n=72) であるとされていたが, この研究の結果, 8倍体のほかに10倍体 (2n=90) があることがわかった.
    3. 8倍体と10倍体は地理的分布が異なり, 前者は紀伊半島の西南の海岸に分布しており, 後者は同半島の東南の海岸および志摩半島の海岸に分布している.
    4. 8倍体と10倍体の地理的分布の接触点は潮ノ岬の東の出雲崎付近である. この付近ではこの2型の間の自然交雑によってできた種々の染色体数の雑種が見出され, そのなかにはF1に近いものがあり,その減数分裂は比較的多くの1価染色体の出現のために著しく異常を示した.
    5. 8倍, 10倍の両型ともに全分布区域にわたりある程度雑種形になっているが, これは両型の間の自然交雑による形質の移入が相互の間に広く行なわれたためと思われる.
    6. 外部形態が8倍体はシオギクに, 10倍体はイソギクにそれぞれかなり似ており, また染色体数が8倍体はシオギクと, 10倍体はイソギクとそれぞれ同じである. これらの事実から元来8倍体はシオギクであり, 10倍体はイソギクであって, 両種の間の移入交雑によって現在のキノクニシオギクができたものと推定される.
  • 加藤 直子, 代谷 康, 吉田 精一, 長谷川 正男
    1968 年 81 巻 964 号 p. 506-507
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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