植物学雑誌
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81 巻 , 965 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 池田 泰治
    1968 年 81 巻 965 号 p. 517-527
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    暗所に生育したインゲンマメのプラスチド内に生ずるプロラメラボディを, 連続切片によって電子顕微鏡 で観察し, その立体構造について考察した. 同一のプロラメラボディでも切片の厚さが異なると, その観察 像には大きな違いが現われることを認めた. 切片作成に当って, プロラメラボディに対する方向と厚さを調 節することの必要から, それが可能であるモデルを作成し, 切削の方向と厚さを調節したモデルの切片像と 電子顕微鏡像とを比較検討した. この方法によって, インゲンマメのプロラメラボディでは1個の中心点か ら出る長さ, 太さ, および互いになす角度の等しい4本の腕が基本構造となり, そのような中心点が12個 組み合って一つの単位を作っていること, およびこの単位の繰り返しによってプロラメラボディがつくられ ていることを確かめた.
  • 坂口 謙吾, 谷藤 茂行
    1968 年 81 巻 965 号 p. 528-534
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    ソラマメ芽生えの根組織を材料として, 32P無機正リン酸 (32Pi) のRNAおよびDNA への取り込みに対する 8-ethoxycaffeine (EOC) の効果を生化学的に調査した.EOC (3×10-3M, 6×10-3M) と32Piを含む溶液, また対照である32Piのみの液で, 2および4時間処理した根組織から, STS法によってRNA, DNA両分画を抽出して放射能の比活性を比較した. するとEOCはRNA, DNA両者への取り込みをともに阻害することが知られた.EOC (5×1O-3M, 10-2M) と32Piとの混液によって4時間処理をした芽生えの根組織, また EOC 無しの32Pi液で同時間処理をした材料から, フエノール処理とSLS処理からなる分別的抽出法, またSLS-フエノール法によって得られた核酸試料を MAK-カラムクロマトグラフイーで分画し, 特にRNA種に関し, EOCの取り込み阻害効果を比較した. EOC処理は, M染色体の二次狭さく部域 (核小体形成部域)での極めて特異的な染色体切断をもたらすものであるが, 本実験でのEOC処理によっては, 32PiのrRNAへの取り込みだけが阻害されるめではなく, すべてのRNA種への取り込みも, ほゞ同程度に阻害されることがわかった.
  • 武藤 信子
    1968 年 81 巻 965 号 p. 535-544
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    生長様式を異にする植物の, それぞれの生育過程において, 生理的活性を表徴するリンの動態を, 生態学的観点から解明する目的で, アカマツ (常緑針葉樹) 及びカラマツ (落葉針葉樹) について, 種子より2年目 (8月まで) までの, 各器官のリン含有量, 及びその収支が, 野外条件下で, 検討された.
    両種とも, 乾重量に対するリン濃度は, 葉において最も高く, その変動の幅は, カラマツの方が大きい.乾重量, 並びにリン含有量の季節変動は, 落葉現象 (カラマツ) に伴って, 若干の相違がみられるが, 生長の過程から考察すると, 基本的には, 両種とも, 共通の様相を呈する.
    即ち, カラマツにおいて, 落葉時, 乾重量の著しい減少にもかゝわらず, 個体当り全リン含有量はほゞ一定に保たれることから, 落葉に先だち, 葉の中のリンの殆どが, 他器官へ回収された, と考えられる. 生育開始時の急速な新器官の生長は, このように保持された旧器官からの供給に負うところが多く, アカマツでは, 新器官に供給した後で, 旧葉は枯死する. 両種とも, このようにして新器官に供給される量は, 前年に蓄積された量のほゞ1/2であった.
  • 塙 順
    1968 年 81 巻 965 号 p. 545-555
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    生長抑制物質 Amo-1618 はゴマにおいて双生葉を形成させる効果がある.播種後6時間以内に, 胚から子葉の1つをその基部から取り除いて, 200ppm の Amo 溶液を滲ませた濾紙上で48時間処理すると, その後生長してくる第1葉は, 子葉を除去した側で, 双生葉となる. 播種後9時間以上経った胚を同様に処理しても双生葉は生じない. また子葉が2個存在すると, 処理時期の如何にかかわらず双生葉は生じない.
    2,4-D (0.5ppm) を子葉の1つを除去した胚に24時問作用させると, その第1葉は葉縁において合着して筒状の構造となる. その合着は残存する子葉に面した側では葉の基部だけに限られるが, 子葉を除去した側ではより上方にまで及ぶ. 従ってそれは Amo による双生葉に似た点も持っている. Amo と異なり,2,4-D は2子葉が存在しても, また播種後24時間を経過した胚に対しても葉の合着を起させる効果を持つ.Amo が, 1子葉の不在という条件下で, 葉原基の発育を抑圧しつつ茎頂分裂組織の体制に変化を起させることにより双生葉の形成をもたらすのに対し, 2,4-D は茎頂分裂組織の葉原基間の部分を刺戟することによって葉縁の合着をひきおこすものと考えられる.
    CCC, IAA, NAA, GA および MH はすべて双生葉形成または葉縁合着をひきおこすのには無効であった.
  • 中村 佐兵衛, 赤川 久義, 猪川 倫好, 川野辺 英昭
    1968 年 81 巻 965 号 p. 556-565
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    食用にする海藻数種類について, ヌクレオチドを 抽出して, 陰イオン交換クロマトグラフィーを用い て分離して, その構城と各成分の性質を調べた. 材 Table 3. Contents of the main nucleotides isolated from two kinds of seaweeds. 料によって異なるが, アサクサノリおよびヒジキの ヌクレオチドは種類も量も共に多かったが, その他 の海藻では少なかった. アサクサノリは生および乾 燥したものも AMP はほとんど含有せず, IMP が 多量に存在する. 材料により IDP も検出された. しかし, 採集時期やその後の取り扱いかたにより, ヌクレオチドの種類や量は大巾に変動するようであ る. またアサクサノリには AMP デアミナーゼが 検出されたので, この酵素の作用によりAMP, や ADP および ATP が IMP や IDP などに変化し たものと考えられる. IMP はヒジキをはじめ, その 他の海藻では検出されなかった. 動物に広く分布す る IMP がアサクサノリにだけ検出されたことはひ じように興味深い. ヒジキには IMP は検出されな かったが, AMP や UMP が多く, ついで CMP や GMP も含有されている. なお, ヒジキには UDP-D-グルゴースをはじめ幾種類かの糖ヌクレオ チドが検出された.
  • 塙 順, 植田 利喜造
    1968 年 81 巻 965 号 p. 566
    発行日: 1968年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
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