植物学雑誌
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82 巻 , 972 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 岩城 英夫, 高田 和男, 門司 正三
    1969 年 82 巻 972 号 p. 215-225
    発行日: 1969年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    利根川河辺の多年生草本セイタカアワダチソウ (Solidago altissima) 群落の地上部•地下部現存量の季 節的変動を調べ, 年間純生産量を推定した. LAI の極大値は4.8 (8月),地上部現存量の極大値は 1230 g乾量/m2 (10月下旬) であった. 10月下旬までの地上部枯死脱落量 (主として葉) は約280g/m2と推 定された.
    一方, 地下部の年間生産量は 290g/m2 (地上部生産量の約20%に相当) であり, 年間純生産量は 1780 g/m2 と推定された.
    物質生産および各器官の生長には明瞭な季節性がみられた. 生育第1期 (4月) は地下茎の貯蔵物質の減 少と葉のさかんな生長が特徴的である. また, 第2期 (5月-8月) は高い生産力と茎のさかんな生長が, 第3期 (特に10月) は地上部から地下部への物質の転流と地下茎のさかんな生長が特徴的である. 月別の 純生産量は7月 (380g/m2) が最高, 4月 (80g/m2) が最低であった.
  • 辻 英夫
    1969 年 82 巻 972 号 p. 226-238
    発行日: 1969年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    イネ種子を3日間暗所で発芽させたのち24時間窒素気中に封じ, ふたたび好気条件下においた場合のめ ばえ shoot の呼吸活性の変化についてしらべた.
    1. 嫌気処理解除30分後には shoot の Qo2 はすでにかなり高い値を示している. この値は上昇をつづ け処理解除3時間後には最大値に達し, さらに4時間はこのレベルが維持される.
    2. 嫌気処理期間の途中で1時間空気に接触させたものでは, この短期間好気処理を挿入しなかったもの にくらべて嫌気処理解除後において最初からより高い呼吸活性を示し最大値への到達時間も短縮されるが, 上昇過程の完結にはなお数時間の空気との接触を必要とする.
    3. 嫌気処理を解除した材料を0°のもとにおけば空気中でも呼吸上昇の開始を遅らせることができる.
    4.発芽処理後3-4日における24時間嫌気処理は shoot の生量, 蛋白質量の増加を抑制するが子葉鞘の 伸長を20% 促進する.
    5.嫌気処理めばえから得られた shoot 切片では空気と接触後3時間以内に急速な吸水がおこりそれ以後 はほとんど吸水がみられない.
    6.shoot 当りの呼吸活性の変化についてみると, 3-4日の時期には好気対照区ではいちじるしい呼吸活 性の上昇があるのに反し, この時期を嫌気処理すると処理期間中は処理前の呼吸レベルが維持されるがそ の上昇は完全におさえられ, 空気中へもどすと呼吸活性の急激な上昇がおこって24時間後には対照区と同 レベルに達する.
    7.shoot 当りの蛋白質量, 生量の増加速度は嫌気処理期間中おさえられ処理解除とともに上昇するが呼 吸の場合にくらべると酸素の有無に対する応答が鋭敏ではない.
  • 細井 和夫, 吉田 精一, 長谷川 正男
    1969 年 82 巻 972 号 p. 239-243
    発行日: 1969年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    オオムギのめばえに, 3種の芳香族アミノ酸フェニルアラニン•チロシン•ドーパを脱アミノする酵素活 性が検出された. とくにドーパ•アンモニアリアーゼがかなり強い活性をもっていることが明らかとなった.
    チロシン•アンモニアリアーゼとドーパ•アンモニァリァーゼとはほぼ等しい活性を示したが, これに 対してフェニルアラニン•アンモニアリアーゼは前2者にくらべて10倍も高い活性をもっていた. 明暗両 条件下で育てたオオムギめばえでこれらアンモニアリアーゼ活性を比較したところ, 光によってこれらの酵 素活性がいちじるしく高まることが明らかとなった.
    また発芽の各段階でのこれらの酵素活性の消長をしらべると, 根では発芽後, 急速に酵素活性の増加が おこり, 4日目に最大に達してから徐徐に減少していったが, 地上部では実験期間中ずっと活性が増加し てゆくことが認められた. 根におけるこのような酵素活性の消長は, ホルデニン含量の消長と対応しており, 根における芳香族アミノ酸の代謝が発芽初期に活発に行なわれていることを示唆している.
  • 高沖 武
    1969 年 82 巻 972 号 p. 244-252
    発行日: 1969年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    In a previous paper the author presented a new simple volumeter for measurement of photosynthesis and respiration rates with the use of a low power microscope. This was improved to permit the measurement without the microscope. Five to seven volumeters, one being thermobarometer, were used simultaneously. Photosynthesis rate is measurable within about 10minutes, and respiration rate within about 30minutes. This apparatus is useful in measurements not only indoors but also outdoors. Presented in this report are the data obtained from measurements made indoors and outdoors on 32 species of plants; that is 1 aquatic, 3 marine and 28 land plants. The apparent photosynthesis rates are generally larger than those previously observed under near-natural conditions. This may be due to the high concentration of CO2 (2.7%), high temperature (30°), and also the use of cut leaf strips permitting large gas exchange through the cut surface. In a leaf of Ficus elastica the photosynthesis rate was somewhat higher at the more apical and near-margin parts of the leaf than at the basal and near-midrib ones, respectively. No such difference was seen on the respiration rate.
  • 金子 賢一郎
    1969 年 82 巻 972 号 p. 253-262
    発行日: 1969年
    公開日: 2006/10/31
    ジャーナル フリー
    The chromosome numbers of the five species and one variety of Hosta (H. plantaginea, H. tokudama, H. kikutii, H. crisupla, H. longipes and H. kikutii var. yakusimensis) were 2n=60. The 60 chromosomes were classifiable into 30pairs. The karyotypes of the above species were as follows: The 30pairs of one species and one variety (H. crisupla and H. kikutii var. yakusimensis) could be classified into four pairs of large chromosomes, two pairs of medium ones, and 24 pairs of small ones. The karyotypes of the other four species were as follows: In three of these species (H. plantaginea, H. tokudama and H. kikutii), the chromosomes could be classified into four pairs of large chromosomes, three pairs of medium ones, and 23 pairs of small ones. In the remaining one species (H. longipes), there were four pairs of large chromosomes, four pairs of medium ones and 22 pairs of small ones.
    H. kikutii and H. kikutii var. yakusimensis seem, judging from their karyotypes, to have both derived from H. montana.
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