日本腎臓学会誌
Online ISSN : 1884-0728
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47 巻, 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 堀田 修
    2005 年 47 巻 8 号 p. 853-856
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
  • 幅 俊人
    2005 年 47 巻 8 号 p. 857-862
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
  • 平方 秀樹
    2005 年 47 巻 8 号 p. 863
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
  • 南 順一, 石光 俊彦, 松岡 博昭
    2005 年 47 巻 8 号 p. 864-869
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
    国内外の高血圧治療ガイドラインでは, アンジオテンシンII受容体拮抗薬による降圧を補う方法として少量の利尿薬の併用を推奨している。本研究の目的は, カンデサルタン単独で治療されているが有効な降圧が得られない高血圧患者を対象に, ロサルタンと少量の利尿薬の併用療法の効果を検討することである。少なくとも2カ月以上カンデサルタン8mg/日単剤で治療されているが, 外来血圧が140/90mmHg未満に達しない高血圧患者10例を対象に, ロサルタン50mg/日とヒドロクロロチアジド(HCTZ)12.5mg/日の併用療法に切り替え3カ月以上継続した。併用療法切り替え直前と切り替え3カ月後に, 携帯型自動血圧計を用いて24時間血圧を30分間隔で測定し, 空腹下で採血を施行した。カンデサルタン単独治療期の24時間血圧は134.4±8.7/88.1±6.1mmHg, 日中血圧は139.7±8.4/91.3±7.1mmHg, 夜間血圧は123.8±11.6/81.6±5.9mmHg, 早朝血圧 (6:00~8:00) は139.3±10.3/92.3±7.3mmHgであった。切り替え3カ月後の24時間血圧は126.8±9.3/81.6±7.0mmHg (p<0.05/p<0.05), 日中血圧は130.6±12.0/84.2±8.5mmHg (p<0.05/p<0.05), 夜間血圧は119.3±8.7/76.6±6.5mmHg (NS/NS), 早朝血圧は129.7±11.7/84.0±9.2mmHg (p<0.05/p<0.05) と, 夜間を除く各時間帯で有意な低下が認められた. 脈拍数, 各種糖・脂質代謝指標などは両期で差はなかった。
    以上より, カンデサルタン8mg/日単独で有効な降圧が得られていない高血圧患者において, ロサルタン50mg/日とHCTZ12.5mg/日の併用療法に切り替えることにより, 24時間にわたり十分な降圧が認められ, 特に日中や早朝の血圧低下が顕著であった。ARBのなかでもロサルタンは尿酸値を低下させることが示されている薬剤であり, このカテゴリーの薬剤のなかでは利尿薬と併用しやすい薬剤であると思われる。
  • 熊谷 天哲, 清水 英樹, 西 隆博, 三瀬 直文, 多川 斉, 杉本 徳一郎
    2005 年 47 巻 8 号 p. 870-875
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
    背景: 膜性腎症の治療法に関しては, ネフローゼ症候群を呈する症例全例に免疫抑制療法を勧める報告がある一方, 長期予後が比較的良好であることから保存的な治療法を勧める報告もある。当院での膜性腎症の症例でステロイド単独療法を含む免疫抑制療法の効果について検討した。
    方法: 1987年から2002年に当院で生検により診断した膜性腎症の34例を対象とした。ステロイド単独療法を含む免疫抑制 (IS) 療法を施行した18例 (IS群) とIS療法をしない症例16例 (非IS群) の予後について比較検討した。
    結果: 治療前の尿蛋白は, IS群が有意に多かった (4.7±2.9vs. 2.7±2.7g/日)。観察最後の臨床状態ではIS群で完全寛解 (CR) が9/18例と非IS群の3/16例に比べて明らかに多かった。IS療法により長期的な経過で寛解を維持できる可能性が示唆された。腎機能障害を呈する症例はIS群3例, 非IS群2例と両群間に有意差は認めなかった。また, IS群と非IS群で腎生存率に有意差は認めなかった (Logrank 検定, p=0.91)。腎生存率に関して Cox 比例ハザードモデルを用いて因子解析を行った。IS療法の有無, 性, 年齢, 基礎の腎機能, 治療前の尿蛋白, 巣状糸球体硬化病変の有無間質線維化の有無に関して検討した。治療前の血清Cre 1.2mg/dl以上は, ハザード比14.3 (95% CI 1.09-710, p=0.0425), 巣状糸球体硬化病変は, ハザード比5.44 (95% CI 1.28-42.2, p=0.0217) であった。
    結論: ステロイドを含むIS薬使用はIS薬非使用に比べて寛解導入に関し有利である可能性が考えられた。腎不全への進行予防に関しては, IS薬使用が有利か否かは明らかではなかった。
  • 小島 智亜里, 湯村 和子, 板橋 美津世, 岩本 正恵, 潮平 俊治, 矢吹 恭子, 武井 卓, 内田 啓子, 新田 孝作
    2005 年 47 巻 8 号 p. 876-881
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
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    症例は69歳, 女性。10年前より尿潜血, 3年前より間質性肺炎のため近医にて経過観察されていた。尿蛋白, 腎機能障害を指摘されたことはなかったが, 2004年7月に初めて腎機能障害を指摘された (Cr 2.1mg/dl). 同年11月中旬より発熱, 全身倦怠感, 紫斑が出現したため近医を受診したところ, WBC 19,540/μl, BUN 115.9mg/dl, Cr 7.5mg/dl, CRP 26.3mg/dlであり, ■当院緊急入院となった。入院時, 体温39.5℃, 背部叩打痛を認め, 尿所見では尿蛋白2+, 尿潜血3+(RBC 30~39/HPF), WBC多数/HPFを認めていた. 尿・血液培養からはE. coli が検出され, 尿路感染症による敗血症と診断し, 直ちに meropenem trihydrate (MEPM) 投与を行った。また, 腎不全に対しては血液透析を開始した。間質性肺炎の合併, 腎機能の経過, MPO-ANCA高値 (112 EU) より microscopic polyangitis (MPA) と診断した。感染軽快後の腎組織所見では, 半月体形成ほか腎盂腎炎の所見もあり, ステロイド投与による感染再燃が懸念された。そのため, ガンマグロブリン製剤を5g/日×5日間投与後にメチルプレドニゾロン500mg点滴静注を3日間, その後, 経ロプレドニゾロン20mg投与を行い, MPO-ANCA値, 肺病変, Cr値は改善, CRP陰性で経過し, 尿路感染の再燃もみられなかった。重篤な感染症を合併しているANCA関連血管炎でステロイド薬などの免疫抑制治療を行う際の感染死に対するリスクを回避する対策が重要である。ガンマグロブリン製剤投与により, 続いて行われた免疫抑制療法施行中も感染再燃をきたすことなく, 安全に MPO-ANCA を陰性化させることができたと考えられた。
  • 馬場 明子, 原 誠一郎, 佐藤 祐二, 山田 和弘, 藤元 昭一, 江藤 胤尚
    2005 年 47 巻 8 号 p. 882-886
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, シェーグレン症候群に膜性腎症によるネフローゼ症候群を合併した症例を3例経験したので報告する。3例はいずれも女性 (40, 62, 63歳) であり, 3例ともシェーグレン症候群の診断基準を満たし, 腎生検にて膜性腎症の所見を呈した。SLE の診断基準は満たさなかった。2例はSS-A抗体が陽性であり, 1例ではSS-B抗体が陽性であった. 2例で原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と橋本病を合併しており, 1例で間質性肺炎を合併していた。治療としてプレドニゾロン (PSL) を開始し, 1例は完全寛解となった。他の2例にはシクロフォスファミドを追加投与したところ, 1例は蛋白尿の改善傾向を認めたが, 1例はネフローゼ状態が持続した。
    シェーグレン症候群に間質性腎炎が合併することは知られているが, ネフローゼ症候群や膜性腎症の合併は稀とされている。しかし, シェーグレン症候群によく合併するPBCなど他の全身性の自己免疫疾患が存在すると, 膜性腎症によるネフローゼ症候群を合併する可能性があると考えられた。
  • 北浦 圭介, 浅野 健一郎
    2005 年 47 巻 8 号 p. 887-892
    発行日: 2005/11/25
    公開日: 2010/05/18
    ジャーナル フリー
    抗糸球体基底膜 (GBM) 病は急速進行性糸球体腎炎の経過を辿り, 治療開始時から透析療法を必要とする場合は予後不良とされている.
    症例は29歳, 男性。 平成15年6月末から38度以上の発熱, 倦怠感を認め近医を受診した。 尿中白血球3+, 尿蛋白2+, 尿潜血3+を示し, 急性腎盂腎炎を疑い当院泌尿器科に紹介入院となった。 入院時CRP 18.9mg/dl, BUN 20mg/dl, Cr 2.9mg/dlを示し抗生剤の投与を行うも, 第11病日にはBUN 78mg/dl, Cr 9.2mg/dlと悪化したため当科転科となった。 細菌培養は陰性であり, 急速進行性糸球体腎炎を疑いソルメドロールパルスを含むステロイド療法, シクロフォスファミドを開始し, 同時に血液透析を行った. 胸部CTでは肺病変は認められず, 腎組織では4個中2個に細胞性半月体を認めた。 MPO-ANCA, PR-3-ANCA陰性, 抗GBM抗体169Uを認め, 抗GBM抗体型糸球体腎炎と診断した。 第30病日からアルブミンを置換液とした血漿交換を6回施行した。 血漿交換後, 抗GBM抗体は28Uまで低下し, それまで乏尿であったが1カ月後には尿量1,000~1,200ml/日を認め, また, 腎機能も徐々に改善し10月末にはBUN40mg/dl, Cr 4.1mg/dlまで低下したため血液透析を離脱した。 その後腎機能障害は悪化せず■に退院した。 後日再度腎生検を施行したが, 20個中18個が糸球体硬化に至っていた。 本例は臨床的に高度腎機能障害を有し, かつ発症から血漿交換開始まで約40日と期間が長かったにも関わらず透析を離脱し得た。 本例では透析を離脱できた原因として血漿交換療法の追加・併用療法が有用であったと考えた。
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