(目的)勃起障害(ED)治療の第一選択であるphosphodiesterase type 5(PDE5)阻害剤のシルデナフィルとバルデナフィルの2剤に関して,その有効性と安全性,さらにED以外の付随効果につき,多施設共同研究にて検討した.
(対象と方法)勃起障害患者125名(55.9±10.9歳)をシルデナフィル25mgとバルデナフィル5mgまたは50mgと10mgを同数同時に処方して,各剤それぞれ2回以上内服後に,EDに対する効果,副作用,付随効果につき調査を行った.
(結果)国際勃起指数(IIEF5)は,治療前8.87±4.10が治療後17.24±6.17と有意に改善した(p<0.0001).EDに対する有効性は2剤ともに81.6%であった.副作用発現率は,シルデナフィル13.6%,バルデナフィル5.6%とシルデナフィルで有意に高かった(p=0.032)が,いずれも軽度であった.患者自身の使用感によると,シルデナフィルがよい40.7%,バルデナフィルがよい45.1%との回答であった.さらにED以外の附随効果では,生活にハリがでた46.5%,若返った感じがする45.1%,パートナーとの関係がより親密になった38.0%,健康に気をつけるようになった28.2%,などが認められた.
(結論)シルデナフィルとバルデナフィルによるED治療は,有効性,安全性ともに高く,さらにED以外の附随効果ももたらすものと考えられた.
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