日本泌尿器科学会雑誌
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85 巻, 9 号
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  • 生存率の向上および膀胱温存に貢献できるか?
    内藤 克輔
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1313-1321
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
  • 原 暢助
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1322-1326
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    1983年から1988年の5年間に自然排出された蓚酸カルシウム結石105個を赤外分光分析にてCOM結石 (蓚酸カルシウム1水化物結石) 51個とCOD結石 (蓚酸カルシウム2水化物結石) 54個に分類し, 1) COM結石の21.6%, COD結石の5.6%はそれぞれCOD結石, COM結石の外観を呈し, 2) 全体では結石重量に差はないが, 100mg末未満の73個ではCOD結石はCOM結石よりも大きく (p<0.05), 3) 燐酸カルシウム含有量はCOM結石よりもCOD結石に高い (p<0.01) ことを示した. 次に, COM結石を排出した51症例とCOD結石を排出した54症例を比較し, 男女比や結石の既往を有する症例の割合に差はないが, 4) COM結石症例の年齢はCOD結石症例よりも高く (p<0.05), 5) 再発率はCOM結石症例よりもCOD結石症例に高い (p<0.05) ことを指摘した.
    以上より, COD結石症例ではCOM結石症例よりも厳重な経過観察が必要であり, 蓚酸カルシウム結石を1水化物, 2水化物結石に分類することは臨床的に有用であると考えられる.
  • 山口 康宏, 熊本 悦明
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1327-1335
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    糖尿病における性機能障害の一般的な実態を調査するため, 外来通院可能な男性糖尿病患者201例 (22~76歳) に対して札幌医大式性機能質問紙を施行した. 対照として健康男性6,426例を用い, おもに性欲, 勃起について年齢の因子を考慮しながら検討し, 以下の結果を得た.
    1. ニューロパチーのあるものはないものに比べ早期に勃起能が低下していた. また勃起能低下例はニューロパチーのないもの134例中24例 (18%) に対してニューロパチーのあるものが67例中30例 (45%) と, 低下の頻度も高かった.
    2. 性欲, 勃起とも, 糖尿病症例では健康男性に比し, 若年群でさほど低下せず, 60歳を過ぎるころより低下が著しくなり, 加齢により障害が加速されていた. 60歳以降に勃起得点の低下を示したものは, ニューロパチーのないもの31.7%, ニューロパチーのあるもの61.1%であった.
    3. 重回帰分析では, 勃起に寄与する因子として第一に加齢 (寄与率27.2%), 続いてニューロパチー (寄与率7.4%) が挙げられ, この2つの因子が糖尿病の勃起障害の説明因子として約1/3を占めていた. また加齢因子は血管障害をより加速することで性機能障害と強く結び付くことが推測された.
  • 仔豚を用いた実験手術と前立線癌・膀胱癌21例の臨床経験
    榊原 尚行, 小山 敏樹, 信野 祐一郎, 森田 研, 野々村 克也, 佐々木 芳浩, 田端 哲也, 窪田 理裕
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1336-1341
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    腹腔鏡下骨盤リンパ節摘除術の手技を確立させる目的で体重12~15kgの仔豚を用いて実験手術を行った後, 1991年11月から1993年10月までの2年間21症例 (前立腺癌10例, 膀胱癌10例と前立腺癌・膀胱癌合併例1例) に対して病期診断を目的に臨床応用を試みた. 仔豚を用いた実験手術は静脈麻酔で手術施行可能で皮下脂肪, 後腹膜の脂肪の少なさより外套管穿刺, 外腸骨動静脈や閉鎖神経の同定も容易で初心者には至適の実験モデルと思われ, 手術手技の修得に有用であった. 臨床応用を行った21例の平均手術時間は137分で, うち1例で転移を認めた. 術後疼痛は軽微で9例 (43%) では鎮痛剤を使用せず, 経口摂取・歩行開始も殆どの症例が2日以内で可能であった. 主な合併症としては腹腔穿刺に起因した腸管損傷 (1例), 出血 (2例) を経験した. 手術後平均1.5g/dlのHbの減少をみた. 18例では引続き根治手術を施行したが, 術後7日以内に行った症例では術後8日以上の期間をおいた症例に比較してリンパ節切除部位の癒着の程度は軽微で剥離も容易であった. 腹腔鏡下骨盤リンパ節摘除術の侵襲は軽度で, 膀胱癌・前立腺癌の根治手術の術前7日以内に施行するのが望ましいと思われた.
  • 前立腺集団検診結果より
    舛森 直哉, 熊本 悦明, 塚本 泰司, 伊藤 直樹, 小六 幹夫, 田中 吉則
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1342-1347
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    1982年より1991年までの10年間に北海道における前立腺集団検診に参加した50歳以上の男子1,476名を対象に, 排尿に関する自覚症状 (尿勢の減弱, 排尿時間の延長, 夜間排尿回数, 切迫性尿失禁) および他覚所見 (最大尿流量率) の加齢変化を検討した. 直腸診上中等度肥大以上の前立腺肥大は全体では10.3% (572名) に認められたが, この割合は加齢とともに増加した. 排尿に関する自覚症状に関しては, 閉塞症状, 刺激症状ともに加齢に伴い症状を有する人の割合およびその程度が増加した. また最大尿流量率および最大尿流量率―ノモグラムに関しても加齢に伴い排尿状態不良の症例が増加した. 前立腺サイズとの関係では, 直腸診上の前立腺サイズの増大とともに, 排尿に関する自覚症状を有する人の割合が増加し, 最大尿流量率も有意に低下した. そこで, 直腸診上の同一前立腺サイズ内で排尿に関する自覚症状および最大尿流量率の加齢変化を検討したところ, いずれの前立腺サイズにおいても加齢が進むに従って自覚的な排尿状態不良の症例の割合が増加し, 最大尿流量率も低下した. 以上の結果は, 前立腺サイズのみならず, 加齢現象も排尿状態を規定している可能性があることを示唆していた.
  • 藤田 公生, 村山 和夫, 井田 時雄, 住吉 義光, 吉田 和彦, 高羽 津, 加治 慎一, 北川 道夫
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1348-1352
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症外来患者1,542例について細菌尿の頻度を調査した. 63例 (4.1%) は尿路感染が受診の理由と考えられた. 前立腺被膜下摘除および経尿道的前立腺切除術を受けた患者が細菌尿を生じる比率はそれぞれ30/59 (50.8%), 252/776 (32.5%) であった. カテーテル留置に際して抗菌剤を投与しないと10日, 投与しても30日でほぼ全例に細菌尿が発生した. 細菌尿の頻度は年齢とともに増加する傾向がみられた.
  • 佐々木 正人, 橋本 博, 八竹 直
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1353-1362
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    膀胱粘膜の薬物透過性を増強する試みとして, これに影響を与えると考えられる三種類の物質 (DMSO, hyaluronidase, saponin) をラット膀胱内に注入し, この結果生ずる膀胱粘膜の超微形態や薬物透過性の変化を検討した. 薬物透過性の変化については, 三種類の物質による処置後にランタン粒子を膀胱内に注入し, その組織内移行を観察する検討と, 同じく膀胱内に注入した抗癌剤 (4′-O-tetrahydropyranyldoxorubicin (THP)) の組織, 血漿中濃度を測定する検討とを行った. DMSOによる処置では表層細胞が剥離脱落している状態が観察され, ランタン粒子は粘膜下層まで移行していた. THP濃度は組織, 血漿中ともに対照群に比し増加していた.
    hyaluronidase の場合は組織学的変化は少なく, ランタン粒子は表層細胞質内へのみ移行していた. THP濃度は血漿中のみ増加する傾向を認めた. saponin による処置では, 表層細胞の空胞化, 膨化が認められ, ランタン粒子は表層細胞と中間層細胞の間に良く移行していた. THPの組織内濃度は対照群に比し有意に増加していたが, 血漿中濃度は対照群と差がなかった. 以上のように今回用いた三種の物質は膀胱粘膜の薬物透過性に対しそれぞれ異なる影響を与えていた. 臨床応用を考える場合にはそれぞれの特性を考慮する必要があり, 例えば抗癌剤THPの膀胱内注入においては, その組織内濃度のみを増強する現象から考えて, saponin による処置が適していると思われた.
  • 水澤 隆樹, 郷 秀人, 今井 智之, 武田 正之, 佐藤 昭太郎
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1363-1367
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は nonpalpable testis の治療における腹腔鏡の有用性について検討を加えた.
    1991年8月から1993年9月の間に, 当施設にて, nonpalpable testis の10症例11精巣 (両側1例, 片側9例) に対して腹腔鏡検査を施行した. 11精巣中3精巣 (両側例を含む) が腹腔内精巣, 8精巣が内鼠径輪より下方の, おそらく鼠径管内精巣と診断された. 3腹腔内精巣に対しては同時に腹腔鏡下精巣血管結紮術を施行, 約6ヵ月後に二期的 Fowler-Stephens 精巣固定術の第二期手術を施行した. 鼠径管内精巣が疑われた8精巣は, 腹腔鏡検査後直ちに鼠径部切開で外科的に検索されて, 1精巣は一期的精巣固定術を, 7精巣は極めて小さいために精巣摘除術を施行された. 術後約1年では, 精巣固定術を施行された3精巣に萎縮, 挙上は認めていない.
    腹腔鏡は nonpalpable testis の評価及び治療に有用な手技であると考えられた.
  • Open Surgery より Endoscopic Surgery へ
    岡村 菊夫, 山田 幸隆, 加藤 隆範, 三宅 弘治, 小野 佳成, 山田 伸, 大島 伸一
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1368-1373
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    膀胱尿管逆流症に対する開腹および内視鏡的三角部形成術の有用性を, 手術成績, 合併症, 術後の疼痛, 膀胱刺激症状に対する鎮痛剤使用状況および入院期間を基準として検討した. 内視鏡手術を試みた6例のうち1例はトロカール留置に失敗し手術の途中で開腹手術に変更したので, 対象となった症例は開腹手術が7例 (9腎尿管), 内視鏡手術が5例 (7腎尿管) であった. 平均手術時間は, 開腹下で143±48分, 内視鏡下で185±54分であった. 開腹手術では9腎尿管中8腎尿管 (89%) で逆流が消失し1腎尿管で増悪, 内視鏡手術では7腎尿管中6腎尿管 (86%) で逆流が消失し, 1腎尿管で grade IIから grade Iに改善した. 手術合併症は開腹手術では認めなかったが, 内視鏡手術ではトロカール留置失敗と気腹の各1例を認めた. 術後早期の合併症は開腹手術では膀胱出血2例を認めたが, 内視鏡手術では認められなかった. 術後の疼痛, 膀胱刺激症状の程度は内視鏡手術の方が軽微であり, 鎮痛剤の使用期間も短かった. 術後の入院期間は, 開腹手術で16.7±3.2日, 内視鏡手術で14.4±2.9日であった. 三角部形成術は確実な逆流防止術であり, 特に内視鏡的に行った場合には侵襲性が低く創も目立たないため, 内視鏡的三角部形成術は minimally invasive surgery として有用であると考えられる.
  • 篠島 弘和, 柿崎 秀宏, 野々村 克也, 山下 哲史, 金川 匡一, 小柳 知彦, 南谷 正水, 松野 正
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1374-1379
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    小児神経因性膀胱例で回腸利用膀胱拡大術を行った12例中3例に膀胱結石の発生を認め, 結石形成までの期間は術後9ヵ月, 10ヵ月, 1年7ヵ月であった. 膀胱結石形成を認めた例はすべて尿禁制保持手術が併用されており, かつ持続的細菌尿が陽性であった. 結石成分は2例がリン酸マグネシウム・アンモニウム, 1例がリン酸カルシウムで, すべて内視鏡的に砕石可能であった. 腸管利用膀胱拡大術後の膀胱結石形成には尿禁制保持手術の併用と術後の持続的細菌尿が関与していると考えられた.
  • 小林 裕, 湯沢 正行, 菅谷 泰宏, 菊池 敬夫, 森田 辰男, 徳江 章彦
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1380-1387
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    現在, 進行性腎細胞癌に対する十分な治療法は確立されていない. インターフェロンによる免疫療法においても, その有効率は20%前後である. 今回著者らは, 近接効果においてIFN-αが奏功した進行性腎細胞癌患者2症例を経験した.
    これら2症例について末梢血中リンパ球サブセットを two-color flowcytometry を用いて測定し, その値と臨床経過とを比較検討した.
    この結果, 病勢とほぼ一致して変動したリンパ球サブセットはTc (CD11b-CD8+), TSI (leu8+CD4+), ATS/C (CD8+HLA-DR+), ATH/SI (CD4+HLADR+) であった.
    さらに, これらの症例においてはインターフェロン投与前および投与開始後のTH/TS, CD4+/CD8+の比が値が高値を示していた. 以上の結果から, 進行性腎細胞癌症例においてTH/TS, CD4+/CD8+の値が高値を示す症例はIFN療法の responder となる可能性があると考えられた. またTSI, TC, ATH/SI, ATS/Cのリンパ球サブセットは病勢を判定する免疫学的指標になると考えられた.
  • 橋本 敏, 井坂 茂夫, 岡野 達弥, 島崎 淳
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1388-1394
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    精巣腫瘍の後腹膜リンパ節転移巣の診断や化学療法の治療効果判定は従来より2方向測定により行われていた. しかし精巣腫瘍の後腹膜リンパ節転移巣は, 複雑な立体的構造を示すため, 立体画像を用いて病状の把握と治療効果の判定を検討した.
    後腹膜リンパ節転移を有する Stage IIB以上の精巣腫瘍21症例を対象とした.
    コンピューター画像解析装置を用いCT画像から立体画像に再構築し, 手術を行ったときは, その組織化学所見との関係をみた. これより体積縮小率と臨床効果および組織効果を比較し, 化学療法の評価を行った.
    立体画像の観察により腫瘍と周囲臓器との立体関係の把握が良好に行われた. 体積評価は2方向評価よりも, 組織学的治療効果とその後の経過をより適切に反映した. 体積縮小率が65%未満のものでは, 全て摘出組織に viable tumor cell が含まれていた. 体積縮小率が90%を越えても viable tumor cell を含むものが6例中1例に認められた. 腫瘍体積で評価すると, 化学療法前に100cm3以上で化学療法に50cm3以下と縮小したものは全て組織は necrosis であった. 立体画像の観察より, 体積縮小率と残存腫瘍体積の両者を加味して治療効果判定を行うことは, より適確に予後を把握できると考えられた.
  • 奥井 伸雄, 富田 京一, 木村 彰光, 上兼 堅治, 河村 毅, 手島 伸一
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1395-1398
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    症例は8歳男児. 約1年半前, 左精巣垂捻転症にて左精巣垂摘除術を施行. 4日前から右陰嚢部痛が出現したため1991年2月18日当科受診. 触診上右精巣上部に圧痛を認めるが硬結が有り, また陰嚢内超音波断層法にて腫脹した精巣垂と思われる陰影を認め, 右精巣垂捻転症と診断された. しかし, 持続性の疼痛を認め, また反応性精巣上体炎をおこす危険性があり, 同日右精巣垂摘除術を施行した. 径5mmに腫大した右精巣垂を2つ認めた. また病理組織学的には小量の出血および間質の浮腫が著明で精巣垂捻転症に起因するものと考えられた. 術後陰嚢部痛は消失した. 両側精巣垂捻転症は極めて稀で, 自験例は14例目である. 精巣垂捻転は, 両側に発症することもあり, 精巣上極に圧痛のある小腫瘤を触知したときは, 睾丸精巣垂捻転も考慮すべきである.
  • 中川 晴夫, 浪間 孝重, 相沢 正孝, 内 啓一郎, 折笠 精一
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1399-1402
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    神経ベーチェット病による神経因性膀胱の3例を報告した. 症例は24, 35, 54歳のいずれも男性であった. 症例1と3の主訴は頻尿と尿失禁, 症例2の主訴は尿閉であった. 尿流動態検査を各例2回以上行った. 膀胱活動は症例1と3では蓄尿期に過活動, 排尿期に正活動あるいは低活動であったが症例2では, 蓄尿期に正活動, 排尿期に無活動であった. 括約筋機能は全例DSDを認めた. 全例に対しCICを導入した. 症例2おいて6ヵ月後に尿失禁が出現し尿流動態検査を施行したところ蓄尿期に膀胱機能が過活動に変化していた. 神経ベーチェット病よる神経因性膀胱においては蓄尿期の過活動と排尿期のDSDが特徴的と考えられた.
  • 関戸 哲利, 樋之津 史郎, 赤座 英之, 小磯 謙吉
    1994 年 85 巻 9 号 p. 1403-1406
    発行日: 1994/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    肉眼的血尿の原因と考えられた前立腺部尿道 Fibroepithelial polyp を2例経験したので報告した. Fibroepithelial polyp は, 外国の文献上10歳以下の小児での報告がほとんどであるが, 本邦報告例では中高年者に認められることが多い. 自験例2例はそれぞれ本邦で11例目, 12例目と考えられた. 自験例を含めた本邦12例中肉眼的血尿が6例に認められたことから, 肉眼的血尿の精査として膀胱鏡を施行する際には, このような病変も念頭において尿道も良く観察する必要があると考えられた.
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