(目的と背景) ESWL後に残石なしとなった症例の上部尿路結石の再発率を知るため検討を行った.
(対象と方法) 対象は1989年7月から1994年12月までにESWLを施行し, 残石なしとなった単一部位結石で6ヵ月以上経過観察しえた395例であった. 再発確認は原則KUB, 時に超音波断層で行った. 検討項目は全体の再発率および性別, 患側, 結石の数, 部位, 大きさ, 結石既往症の有無, 基礎疾患の有無, 水腎症の有無に関して検討した. また, 同時に対側再発率についても検討した. 再発期間は残石なしとなった日から起算し再発が確認された日までの実測非再発率で算定した.
(結果) 全体の同側非再発率は1年96.5%, 3年78.8%, 5年65.3%であった. 対側の非再発率は1年98.1%, 3年92.5%, 5年87.2%であった. 因子別5年非再発率は結石の数で単発71.1%, 多発31.6% (p<0.01), 既往例別ではなしが77.1%, ありが35.7% (p<0.01), 基礎疾患別でなしが67.7%, ありが35.7% (p<0.01) で統計学的有意差を認めた. しかし, 性別, 患側, 部位, 大きさ, 水腎症の有無は同側再発に影響を認めなかった.
(結論) 上部尿路結石のESWL後の同側再発では結石の数, 既往例, 基礎疾患のあるものが危険因子と考えられた. また, ESWLは従来の開放性手術に比べ再発率を増加させる可能性が危惧された.
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