日本泌尿器科学会雑誌
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95 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 太田 匡彦, 大園 誠一郎, 池田 朋博, 中農 勇, 平尾 佳彦, 渡辺 秀次, 高島 健次, 平尾 和也
    2004 年 95 巻 5 号 p. 705-710
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    (背景) 最近, 健康ブームで, スポーツ人口が増加しているが, 一部に運動後血尿を認める場合があり, 運動性血尿として注目されている. そこで, 最も一般的な運動であるランニングと血尿の検討を夏季において行った.
    (対象と方法) 泌尿器科的疾患のないヘルシーボランティア109名に運動前安静時尿採取後, 5kmランニングを行い, 運動後尿を採取した. 評価可能例は90名で運動前後尿につき, 検尿, 尿沈査, フローサイトメトリーにより赤血球数, 赤血球形態について比較した.
    (結果) 運動後の尿中赤血球数増加例が83名であり, 運動後顕微鏡的血尿例 (赤血球数3個/hpf以上) は32名であった. そのうち赤血球形態学的検討で dysmorphic pattern が23名と最多であった.
    (結論) ランニングにより血尿が誘起され, 糸球体性血尿が中心と考えられた.
  • 林 典宏, 浅野 晃司, 古田 昭, 池本 庸, 岸本 幸一, 山崎 春城, 大西 哲郎, 鷹橋 浩幸, 大石 幸彦
    2004 年 95 巻 5 号 p. 711-717
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    (目的) 浸潤性膀胱扁平上皮癌 (以下SCC) の自験例ならびに本邦報告例において, 予後改善に有効な治療法を検討することを目的とした.
    (対象と方法) 最近10年間に当科で診断された浸潤性膀胱SCC18例を対象とした. 自験例の臨床像を明らかにするとともに, 治療法, stage, 予後との関連を検討した. また, 最近20年間の本邦報告例において, stage と治療法に関して予後を検討した.
    (結果) 自験例の2年以上癌なし生存例は11例であり, 7例が膀胱全摘除術施行例であった. また, 癌死例は7例であった. その内, 3例が膀胱全摘除術施行例であり, 6例は, stage III以上であった.
    本邦報告例の検討においては, 外科的摘除術単独では, TURおよび膀胱部分切除術を施行した症例は全例癌死していた. しかし, 膀胱全摘除術を施行した症例でも, stage III以上では癌死例が多かった. 補助療法としては cisplatin 主体の化学療法併用放射線療法施行例は4例全例2年以上癌なし生存していた.
    (結論) 浸潤性膀胱SCCの術式は膀胱全摘除術が最も妥当であるが, stage III以上の症例では高率に再発するため, 補助療法を併用すべきであると思われる. われわれは補助療法として, cisplatin を主体とした化学療法併用放射線療法が最も有効性が高いと考えた.
  • 吉田 宗一郎, 川上 理, 駒井 好信, 田所 学, 横山 みなと, 斉藤 一隆, 影山 幸雄, 木原 和徳
    2004 年 95 巻 5 号 p. 718-721
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    症例は46歳, 男性. 左精索部無痛性腫瘤触知を主訴に当科を受診. 左精索腫瘍の診断にて, 高位精巣摘除術を施行した. 免疫組織学的に平滑筋肉腫と診断された. pT1bN0M0; 5th TNM分類, Stage IA; 5th AJCC分類, 切除断端陰性, Mitotic index が強拡大10視野あたり4, Ki-67 index が20%と低いことより, 比較的良好な予後が見込まれるため, 追加治療を行わずに経過観察となった. 術後3年経過して再発を認めていない.
  • 新田 貴士, 小池 秀和, 深堀 能立, 羽鳥 基明, 小野 芳啓, 松井 博, 鈴木 和浩, 山中 英壽, 志川 葉子, 金澤 崇, 小川 ...
    2004 年 95 巻 5 号 p. 722-724
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    症例は8歳, 男児. 急性リンパ性白血病 (ALL) にて化学療法施行後, 完全寛解ののち, 骨髄移植を施行した. 半年後突然, 左側腹・下腹部痛・左陰嚢の腫脹と発赤・左精巣の腫大圧痛を認め, 急性陰嚢症として試験切開を試行. 精巣の腫瘍性腫大を認め, 左精巣を摘出した. 病理組織学的所見はALL浸潤であった. 術後, 放射線療法を施行. 7ヵ月後の現在再発は認められていない.
  • 石川 修平, 小山 敏樹, 熊谷 章, 竹内 一郎, 小川 大輔
    2004 年 95 巻 5 号 p. 725-728
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    SIADH様の症状を伴った原発性尿管小細胞癌の1例を経験したので報告する. 症例は53歳, 男性. 腹痛にて当院内科を初診. 腹部CTで左水腎症, 左後腹膜腔腫瘍および後腹膜リンパ節の腫大を認めた. 経十二指腸的エコー下リンパ節生検では移行上皮癌, 扁平上皮癌が混在した小細胞癌であり, 尿路系精査目的に当科紹介となった. 精査の結果, 左原発性尿管小細胞癌T3, N2, M0と診断した. SIADH様の臨床所見を合併しており, 原因として小細胞癌による異所性ADH産生が強く疑われた. MEC療法を3コース施行したところPRが得られ, 残存病変に対し左腎尿管全摘術および後腹膜リンパ節郭清術を施行したが, 初診から8ヵ月で癌死した. 摘出標本は小細胞癌成分のみ残存し腹膜浸潤もみられ, 組織診断はpT4, pN2であった. 尿管原発小細胞癌の報告は本邦9例目で, SIADHを伴ったという報告はなく極めて稀な症例と思われた.
  • 堀 淳一, 加藤 祐司, 北原 克教, 徳光 正行, 佐賀 祐司, 橋本 博, 金子 茂男, 八竹 直
    2004 年 95 巻 5 号 p. 729-732
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    症例は19歳男性, 後腹膜腫瘍と肺, 肝転移あり, 生検により卵黄嚢腫瘍と診断され, 化学療法と後腹膜リンパ節郭清術を施行した. 郭清組織の病理所見は一部奇形腫を含んだが, 大部分壊死組織であった. その後脳転移をきたしたが, 放射線照射と追加の化学療法で完全寛解を得た. 2年後精巣に石灰化病変が見つかり, Burned-out testicular tumor を疑って高位精巣摘除術を施行した. 初発から10年後, CTで後腹膜に腫瘍が見つかり, 外科的切除術を施行, 病理組織型は腺癌であった. 精巣腫瘍の再発は2年以内におこることがほとんどだが, 2年以上たって再発してくる晩期再発, 特に本症例のように10年以上たっての再発例もまれに見られる. 一般に化学療法には強い抵抗性を示し, 外科的切除が第一選択となる.
  • 鈴木 一実, 小林 実, 徳江 章彦
    2004 年 95 巻 5 号 p. 733-737
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    19歳の男性が, 急速に増大する左陰嚢部の無痛性腫大を主訴に来院. 左陰嚢内腫瘍の診断のもと, 左高位精巣摘除術および陰嚢皮膚の一部合併切除を施行. 病理学的検索および全身精査にて, 左精索原発胎児型横紋筋肉腫, 多発性肺転移 (Intergroup Rhabdomyosarcoma Study Group IV) と診断となり, エトポシド (VP-16), シスプラチン (CDDP), イフォスファミド (IFO) による全身化学療法 (VIP療法) を施行. IFOが原因と思われるてんかん様発作を呈したが, ジアゼパムの投与にて軽快した. 我々が調べ得た限り本邦におけるIFOによるてんかん様発作の報告は殆どない. 一方VIP療法2コース目終了後肺転移巣はCRとなった. IFOは横紋筋肉腫に有効である可能性があるが, 様々な神経系の副作用を来しうることを念頭におかなければならない.
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