浜松医科大学泌尿器科学教室は, 昭和52年4月開講された. そして付属病院泌尿器科は, 同年11月より診療を開始した. 今回, 教室開講から昭和62年3月末までの10年間の外来および入院患者の疾患頻度を中心に集計した.
10年間の外来初診患者総数は, 10,245であった. 外来初診患者の疾患別頻度順は, 以下のとおりである. 非特異的感染症 (25.6%), 閉塞性尿路疾患 (11.1%), 尿路結石 (11.1%), 奇形 (7.3%), 顕微鏡的血尿 (5.3%), 悪性新生物 (3.8%), 神経因性膀胱 (3.1%), 腎不全 (2.5%), 遺尿症 (2.2%), 男子不妊 (2.1%), 陰嚢水腫 (1.0%), 遊走腎 (1.0%), 蛋白尿 (1.0%), 副甲状腺・副腎腫瘍 (0.7%), 外傷 (0.7%), 腎嚢胞 (0.6%), 尿路性器結核 (0.3%), その他 (20.6%) である.
一方10年間の入院患者総数は, 2,064である (病床数30). 疾患別頻度順は, 以下のとおりである. 悪性新生物 (23.9%), 尿路結石 (17.9%), 閉塞性尿路疾患 (14.5%), 腎不全 (10.6%), 奇形 (9.7%), 副甲状腺・副腎腫瘍 (4.7%), 非特異的感染症 (3.9%), 腎提供者 (2.8%), 腎嚢胞 (1.3%), 神経因性膀胱 (0.9%), 男子不妊症 (0.8%), 陰嚢水腫 (0.6%) その他 (8.4%) である.
以上の検討結果より, 当教室の特徴として, 腎移植のための腎不全患者と副甲状腺・副腎腫瘍患者が多いことを, 挙げることができる.
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