視覚の科学
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29 巻 , 1 号
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巻頭言
総説
  • 大沼 一彦
    原稿種別: 総説
    2008 年 29 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    今回は色収差を取り上げる。波長によって屈折率が異なることを分散というが,分散から説明して色収差を打ち消す方法,アッベ数についての基本的な事項について述べる。次に,眼球光学系の色収差に関する今までの研究成果をまとめて紹介する。更に,これらのデータを基に色収差の網膜像への影響を,非球面眼内レンズ(IOL)と色消しIOLの場合について,シミュレーション網膜像によって示す。更に,網膜-大脳系の処理を加えて,知覚される像を推定する。これより,球面収差と色収差により像のコントラストが低下するが,焦点の合う範囲が広がることが実感できると思われる。

  • 根岸 一乃
    原稿種別: 総説
    2008 年 29 巻 1 号 p. 12-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    色収差は様々な面で視覚およびその生理機能に関与している。ヒトの眼球光学系においては,色収差に影響するのは主として角膜と水晶体である。眼内レンズ(IOL)挿入眼においては,IOL素材の違いによる色収差の違いが視機能に影響する可能性がある。最近では,屈折型と回折型の光学部を組み合わせて球面収差と色収差の両方をキャンセルする「色消し」IOLは光学的な質を向上させ,計算上は偏位や傾斜がなければdiffraction-limited(回折の影響以外を受けない)光学系に近い多色光modulation transfer function(MTF)を示すことが報告されている。しかし,色収差の低減は網膜像コントラストを向上させる一方で,焦点深度を減少させる。したがって色収差のコントロールをすべきかどうかは今後の検討課題である。

  • 角田 和繁
    原稿種別: 総説
    2008 年 29 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    視機能の他覚的評価は,眼疾患の早期発見および治療効果の判定のために基本的かつ重要な課題である。眼科におけるイメージング技術は近年目覚ましい進歩を遂げてきたが,それらは主に解剖学的構造の把握を目的としており,視細胞をはじめとする網膜の神経活動を捉えることはできない。我々が開発した網膜内因性信号計測法は,非侵襲的な網膜神経機能のイメージング法であり,神経活動に伴って神経組織の微細構造や光反射率が変化する現象をビデオカメラで記録する方法である。この技術により,従来は不可能であった錐体視細胞,杆体視細胞の機能的マッピングを高い解像度で行うことができるようになった。動物実験における信号の閾値は網膜電図のb波とほぼ同等であることが示されており,現在ヒトでの計測のための開発を行っている。このイメージング法が実現すれば,様々な網膜疾患において精度の高い他覚的機能評価が可能になると期待されている。

  • 丸林 潤司
    原稿種別: 総説
    2008 年 29 巻 1 号 p. 22-25
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    近年,病院における診療記録の電子化が進められてきており,多くの病院において,オーダリングシステムや電子カルテの導入が進められている。そのなかで,眼科においてはその診療形態の特殊性から病院全体のシステムを利用することに関して様々な問題点が挙げられている。そのため,現在では部門システムを導入し病院システムとの共存を行うことにより,それらの課題の解決を図っている。いくつかの導入事例から,その部門システム導入による課題の解決策に関して紹介を行う。

原著
  • 太刀川 貴子, 後藤 郁子, 松原 正男, 根岸 一乃, 大野 建治, 野田 徹, 林 健史, 西尾 幸治, 福間 康文
    原稿種別: 原著
    2008 年 29 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    両眼同時自覚他覚屈折測定装置(BV-1000,トプコン社製)および片眼他覚屈折測定装置(KR-8100A,トプコン社製)によって他覚的屈折値の測定を行い,1%塩酸シクロペントレート点眼前後の測定値を比較検討した。屈折弱視群(15例 30眼,5.6±1.6歳),不同視弱視群(10例 20眼,7.6±3.3歳),正常小児群(20例 40眼,7.4±3.6歳),正常成人群(10例 20眼,34.6±7.8歳)を対象とした。正常成人群,屈折弱視群,不同視弱視群においては,BV-1000の測定値はKR-8100Aに比して調節による影響が有意に少なかった。一方,正常小児群では,BV-1000とKR-8100A間の測定値に有意差は認められなかった。しかし不同視の量は,1%塩酸シクロペントレート点眼前後でBV-1000の屈折値に有意差がなく,KR-8100Aは有意差があり,不同視の量に関しては,BV-1000により調節麻痺薬を点眼しなくてもほぼ検出可能と考えられた。

  • 川尾 美樹, 名和 良晃, 上田 哲生, 桝田 浩三, 原 嘉昭, 魚里 博
    原稿種別: 原著
    2008 年 29 巻 1 号 p. 32-35
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    近視laser in situ keratomileusis(LASIK)を受けた患者に対し,術前および術後6カ月での自覚屈折度数および他覚屈折度数の関係について検討を行った。対象は15例30眼,平均年齢29±5歳(22~39歳),矯正量は平均−4.09±1.89D(−1.5~−8.38D)であった。自覚屈折検査には自覚第二法を用い,他覚屈折検査にはオートレフラクトメータを用いて調節麻痺前後の値を,また,高次収差測定装置による4mm径および6mm径での眼屈折度数および角膜,眼球の高次収差測定を行った。術前屈折度数の結果は各群間に有意差は認められなかった。術後の結果ではプラス側からミドレフ値,自覚屈折値,ミドレフ4mm値,オートレフラクトメータ値,ミドレフ6mm値となり,オートレフラクトメータ値に対し,ミドレフ値,自覚屈折値が有意にプラス寄りの値を示した。瞳孔径の測定領域が広いと術後の球面様収差によりマイナス寄りの値になったと考えられた。

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