弱視は最も頻度の高い小児の片眼または両眼の視力障害である。我々臨床家が弱視診療を通じて経験してきたことが基礎研究によって確認され,逆に基礎研究によって明らかになったことが臨床に生かされて,視覚発達の機序が解明されてきている。とくにこの数年間,弱視に関する基礎研究の成果は目覚ましく,古典的な弱視に関する考え方を覆すような報告も出ている。弱視に関する臨床的,基礎的知識をあらためてまとめてみたい。
瞼裂幅がノンコンタクトトノメータの測定値に影響することは広く知られていても,論理的解析は行われてこなかった。本研究では高速度カメラなどの特殊な機材を用いることなく,性能が著しく向上したパーソナルコンピュータと数値流体力学を応用した手法を試みた。その結果,瞼裂幅の減少は測定値の増加を招き誤差の原因となっており,瞼裂幅が一定値よりも減少すると誤差が加速的に増加することが示された。また,測定に際して眼球の変形は強い噴射流による変化と考えられがちであるが,圧力波の関与の可能性が初めて実験以外の方法で示された。
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