視覚の科学
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30 巻 , 3 号
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巻頭言
総説
  • 三橋 俊文, 不二門 尚
    原稿種別: 総説
    2009 年 30 巻 3 号 p. 55-56
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    視覚刺激に対する被検者の反応を調べる心理物理は,様々な視覚の機能を解明してきた。心理物理に学ぶことにより,現在臨床的に行われている視力検査をこえる新しい臨床的な検査が可能になるかもしれない。本号では色,奥行き,運動視について心理物理の専門家にわかりやすい解説をお願いした。これが臨床応用を検討する手掛かりになれば幸いである。

  • 山内 泰樹
    原稿種別: 総説
    2009 年 30 巻 3 号 p. 57-64
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    色覚を司る視覚メカニズムのフロントエンドは異なる感度を有する3種類の錐体である。近年,非侵襲な方法により,これらの錐体の網膜上での存在比率を計測する技術が発達してきた。本稿では,それらの方法のうち,網膜像撮影方法と分光視感効率による推定方法について概説する。前者は,補償光学(adaptive optics)を用いて生体の網膜像を撮影する手法と,錐体の選択的な光反応特性を用いたものであり,後者は網膜電位法(ERG)により分光視感効率を求め,遺伝子解析により求めたL,M錐体のピーク感度を用いてこの分光視感効率を重みづけ,近似することにより推定する方法である。これらの方法により,L/M錐体比は被験者間で大きく異なることが示された。また全く異なる両者の結果が高い相関を有することから,両者とも有効な手法であることを示す。

  • 塩入 諭, 渡辺 裕士
    原稿種別: 総説
    2009 年 30 巻 3 号 p. 65-74
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    人間の視覚系が奥行きを知覚するために利用している手掛かり(奥行き手掛かり)には様々なものが知られている。静的な奥行知覚に対しては,手掛かり間の相互作用も含めて研究が進んでいる。同様に,奥行き方向の動きの知覚(奥行運動知覚)に関連する手掛かりにも様々なものが考えられるが,それらについての知見は限られたものである。本稿では,奥行運動知覚について二つの両眼性手掛かりを中心に概説し,その二つの手掛かりの役割の違いを検討する研究を紹介する。

  • 石子 智士
    原稿種別: 総説
    2009 年 30 巻 3 号 p. 75-83
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    マイクロペリメトリーを用いた研究から,黄斑疾患患者においては経過観察・治療前後において固視の位置が変わることがあるため,固視の位置・安定度評価や両眼検査が重要であることを解説し,偽中心固視の概念についても言及した。新しいマイクロペリメータでは定量的感度評価が可能となり,同一部位・同一条件下での測定のためのフォローアッププログラムにより,感度変化の比較が容易となった。更に任意の光刺激を眼底に投影することができるため,ロービジョンへの応用が期待される。しかし実際には眼底をトラッキングしながら検査を行い,最後に眼底写真と重ね合わせているため,重ね合わせの際に注意が必要である。また,他の視野検査装置と比べ光量が少ないなど,装置の特徴をよく理解した上で視機能評価を行うことが重要である。眼底所見,光干渉断層計所見,蛍光眼底造影所見と同一画面で視機能検査ができるall in oneの装置への期待を述べた。

原著
  • 山本 真也, 魚里 博, 川守田 拓志, 中山 奈々美
    原稿種別: 原著
    2009 年 30 巻 3 号 p. 84-89
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    目的:瞬目後に生じる一過性縮瞳が視機能に及ぼす影響について検討した。

    方法:対象は健常被検者17名17眼である。本実験は,コントラスト視力装置に電子瞳孔計を内蔵した改良型CAT-2000TM(メニコン社)を用いた。自発性瞬目と随意性瞬目にて測定し,瞳孔径は瞬目前基礎値と瞬目後最小値を評価した。そしてシクロペントラート塩酸塩(サイプレジン®)点眼後,平均瞬目前基礎値と瞬目後最小値に対応した人工瞳孔を用いてコントラスト視力の測定を行った。

    結果:瞳孔径は瞬目後に一過性の有意な縮瞳を認めた。その変化量は,自発性瞬目で約0.5mm,随意性瞬目で約0.5~1.5mmであった。コントラスト視力は,平均瞬目前基礎値から人工瞳孔が1.0mm以上縮小することで1~2段階程度の有意な上昇が認められた。

    結論:瞬目後に生じる一過性の縮瞳は,一時的に焦点深度拡大や網膜像の質の向上に寄与し,その結果,視機能に影響を与える可能性が示唆された。

  • 柏木 豊彦
    原稿種別: 原著
    2009 年 30 巻 3 号 p. 90-95
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    網膜中心窩は眼球解剖軸から耳側水平方向に偏位している。光線追跡法を用いて,眼内レンズ(IOL)光学部を水平方向に偏位・傾斜させて,前述の偏位した網膜中心窩でのスポットダイアグラムを計算した。また近軸像点や網膜中心窩に集束する光束を横からみた断面の光のエネルギー密度分布も計算した。計算は解剖軸上で無収差となる非球面IOLと球面IOLについて行った。その結果,IOLを偏位あるいは傾斜または偏位かつ傾斜させた場合に,網膜中心窩での収差が少なくなることがわかった。また球面IOLの方が,無収差の非球面IOLより焦点深度が深いことが示された。更に球面IOLの場合,最小錯乱円より近軸像点の方がエネルギー分布は鋭いピークをもつことがわかった。

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