視覚の科学
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36 巻, 4 号
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総説
  • 加藤 欣也
    2015 年 36 巻 4 号 p. 89-93
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/04
    ジャーナル フリー
    レンズの瞳は開口絞りの像である。レンズおよびレンズ系の入射瞳は物体空間から見た開口絞りの像, 射出瞳は像空間から見た開口絞りの像である。別の言い方をすれば入射瞳, 開口絞り, 射出瞳はそれぞれ共役面である。  顕微鏡対物とリレーレンズを繋ぐ際, 顕微鏡対物の開口絞りとリレーレンズのそれとは共役面でなければならない。顕微鏡対物の射出瞳とリレーレンズの入射瞳が共役面であることが重要である。そうでないと視野周辺の像強度が急激に低下する。解決策は対物とリレーレンズの間にフィールドレンズを挿入することである。同様の理由で撮像素子の瞳とレンズ系の射出瞳を一致させることが望ましい。  瞳の球面収差によって視野周辺に影が生ずる。眼の移動に伴って, 影は視野内を動き回る。瞳の軸上色収差によって視野中心と周辺における色調差が生ずる。眼の移動に伴って, 視野のある部分の色調が変化する。
原著
  • 有賀 義之, 梶田 雅義
    2015 年 36 巻 4 号 p. 94-97
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/04
    ジャーナル フリー
    目的:3年以上継続して0.01%硫酸アトロピン点眼液(0.01%アトロピン)を処方された症例に対し, 0.01%アトロピンの使用率と年間近視進行度数について検討する。  方法:対象は0.01%アトロピンを3年以上継続処方した20例40眼, 観察期間は平均5.0±1.4年であった。0.01%アトロピンの処方本数を経過観察期間で割った値を0.01%アトロピン使用率とし, その使用率で0.5以上群(高使用率群)と0.5未満群(低使用率群)に分けた。そして, それぞれの群の年間近視進行度数を比較した。  結果:高使用率群は8名16眼, 低使用率群は12名24眼であった。それぞれの年間近視進行度数の平均値は, 高使用率群で-0.64±0.15D/年, 低使用率群で-0.58±0.29D/年であったが, 有意差はなかった(t検定, p<0.05)。  結論:3年以上の長期間において, 0.01%アトロピンの使用率は近視進行の抑制に影響しない可能性がある。
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