視覚の科学
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38 巻, 2 号
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総説
  • 安間 哲史
    2017 年 38 巻 2 号 p. 16-21
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/15
    ジャーナル フリー

    アノマロスコープは視角約2度の円形視標の上半円に赤色光(670nm)と緑色光(545nm)の混色光を提示し, 下半円に提示された黄色光(588nm)と等色させて, 先天色覚異常の診断をする検査器である。この赤, 緑, 黄の3種類の色光はいずれも1型色覚と2型色覚の混同色線が一致するスペクトル軌跡上にあるため, 2色覚ではいずれの型であっても, 上下の半円視野を等色させることができる。本稿では, アノマロスコープの基礎となる色度座標と混同色線について解説し, アノマロスコープの原理について述べた。また, アノマロスコープの最大の問題点である色順応の影響を避けうるための, 単一視野での色交替式アノマロスコープの可能性についても述べた。

原著
  • 高橋 啓介, 森北 早紀
    2017 年 38 巻 2 号 p. 22-29
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/15
    ジャーナル フリー

    薄明視での色弁別の特性について明らかにするために, 薄明視レベルの網膜照度, 0.07, 0.35, 0.71, 3.53, 7.07tdでの色弁別をFarnsworth-Munsell 100-hue testを用いて検討した。結果は以下のとおりであった。1)0.07~0.35tdの間の網膜照度レベルで, 色弁別は暗所視での色弁別の特徴が優勢となった。2)薄明視レベルで, 相対的に網膜照度が高く保たれている場合には黄青色混同軸に沿った色弁別の低下が生じた。3)網膜照度が暗所視レベルに接近するに伴って桿体色混同軸に沿った色弁別の低下が顕著となった。これらの結果は, 桿体信号がS錐体に媒介される色弁別に直接的に影響すること, また, 暗所視での明るさの手がかりが, S錐体の媒介する弱い色信号に匹敵する可能性を示唆している。

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