目的:片眼遮閉下と両眼開放下における中間距離の他覚的屈折値変化について検討した。
方法:対象は健常被験者18名18眼(平均22.1 ± 2.1歳)である。測定には両眼開放オートレフラクトメータWAM-5500と視標移動システムが一体となったWMT-1(シギヤ精機製作所)を用いた。タブレット端末に十字視標を提示し100–50 cmの間を定屈折速度(0.2 D/sec)で移動させ,他覚的屈折値を測定し,90–80,80–70,70–60,60–50 cmで比較検討した。
結果:80–70 cmより近方において,屈折値は片眼遮閉下と比べて両眼開放下で有意に近視化した。
結論:80–70 cmの間で相対輻湊の範囲を超えて発生した融像性輻湊によって輻湊性調節が起こり,両眼開放下の屈折値は有意に近視化する可能性が示唆された。
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