視覚の科学
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総説
  • 神谷 和孝
    原稿種別: 総説
    2021 年 42 巻 3 号 p. 39-43
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/01
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    現代の白内障手術は安全性が向上し,完成度の高い手技となっており,眼科医が考える以上に,白内障手術に対する患者の意識は日々変化しつつある。実際に術後矯正視力が1.0出ていても,患者が見え方の不満を訴えることも少なくない。このように白内障手術は,確実に屈折矯正手術のとしての比重が増加していて,術後屈折誤差をできる限り軽減し,予測性を向上することが重要となっている。

    2020年JSCRS Clinical Surveyによれば,第3世代となるSRK-T式は,依然として国内において最も頻用されている。しかしながら,SRK-T式は眼軸長や角膜屈折力の影響を受けやすく,その欠点を克服すべくBarrett Universal II式,Hill RBF式,Kane式など,さまざまな計算式が提唱されており,IOL度数計算は新しい時代を迎えつつある。また,国内多施設共同研究からは,自施設のデータ蓄積による最適化の重要性が示唆される。

原著
  • 加藤 可奈子, 藤代 尚文, 広田 雅和, 中込 亮太, 松岡 久美子, 小林 克彦
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 3 号 p. 44-47
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/01
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    [目的]近視性直乱視眼における屈折度と全眼球,角膜,眼内の高次収差との相関について検討すること。

    [方法]対象は若年成人健常者77名(平均年齢21.0 ± 0.8歳)の右眼77眼とした。各被験者の他覚的屈折度と高次収差を波面センサでそれぞれ3回測定した。他覚的屈折度の乱視度数,および球面度数と全眼球,角膜,眼内における3次のコマ収差の総和,3次のTrefoilの総和,4次の球面収差との相関について検討した。

    [結果]乱視度数は眼内コマ収差,および角膜球面収差と有意な相関を認めた(眼内コマ収差:P = 0.025,角膜球面収差:P = 0.010)。球面度数と高次収差の間に有意な相関はなかった。

    [結論]若年成人健常者の近視性直乱視眼では,乱視度数は眼内コマ収差,および角膜球面収差と相関することが示唆された。

  • 間宮 紀子, 黄 丹, 田保 和也, 横田 聡, 仲泊 聡, 平見 恭彦, 栗本 康夫
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 3 号 p. 48-51
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/01
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    我々は,ヘイズ量が明るさ知覚のダイナミックレンジ(以下DRL)に影響するかを検討した。

    視機能に異常のない12名12眼に視覚ダイナミックレンジテストを使用し,ヘイズ量の異なる6条件で,背景光を3段階に変化させ測定した。得られた明暗の限界の輝度の比(R)をDRL値と定義し,dB(10 x log10 (R))で表した。

    DRL値は,ヘイズ量が増すと小さくなった(F = 8.12, p < 0.01)。また,DRL値は背景輝度が高くなると小さくなり(F = 31.1, p < 0.01),ヘイズ量と背景輝度それぞれに主効果を認めた。視標背景の輝度変化に応じた明暗限界の中間点の変動(iCS1)は,ヘイズ量による主効果を認めなかった(F = 2.02)。背景輝度によるDRL値の変動(iCS2)は,ヘイズ量の増加によりその値も増加し主効果を認めた(F = 4.20, p < 0.01)。

    ヘイズ量の増加が,DRL値とiCS2に影響を与えることが示された。ヘイズなどによる見えにくさを定量化するための視力検査以外の手法として,本ダイナミックレンジテストは簡便で有用である。

  • 原口 翔太, 川守田 拓志, 藤村 芙佐子, 庄司 信行
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 3 号 p. 52-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/01
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    目的:分光透過率の異なる黄色着色レンズのグレア下におけるコントラスト感度への影響を検討する。

    方法:健常若年者27例27眼を対象とした。コントラスト感度測定はコントラストグレアテスターCGT-2000を用い,明所,薄暮,暗所で視角6.3, 4.0, 2.5, 1.6, 1.0, 0.64 degの視標を呈示し,グレア下の測定を行った。黄色着色レンズはG1, G2, G3, G4の4種類を使用し,各背景条件下でレンズ非装用(N)1回,レンズ装用(各レンズ1回)の計5回を施行し,NとG1, G2, G3, G4間のコントラスト感度を比較した。

    結果:明所視および薄暮視,暗所視においてコントラスト感度に有意差はみられなかった(p > 0.05)。

    結論:健常若年者は黄色着色レンズ装用により,グレア下におけるコントラスト感度に影響を与えないことが示唆された。

  • 宮島 泰史, 広原 陽子, 宮川 雄, 雜賀 誠, 洲崎 朝樹, 加藤 一壽, 不二門 尚
    原稿種別: 原著
    2021 年 42 巻 3 号 p. 57-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/01
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    これまで,被写界深度延長設計ESレンズ(伊藤光学社製)装用時の遠方調節時の見やすさについて報告してきた。今回,ESレンズ装用時の動的な調節機能を評価するため,両眼波面センサーを用いて優位眼の等価球面度数を測定し,調節機能の評価を行った。等価球面度数差はないという統計結果ではあったが,ESレンズを装用することで,被写界深度延長により後方の物体を見る際の調節変化が少ないことが示唆された。

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