日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
14 巻 , 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 安藤 嘉子, 片岡 ひとみ, 加藤 昌子, 酒井 透江, 土田 敏恵, 三富 陽子, 渡邉 光子
    2010 年 14 巻 2 号 p. 212-220
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、ストーマ保有者が一般社会においてストーマを正しく認知してほしいと希望しているかどうかを明らかにすることと、認知を求める背景にWOCナースによるケア経験が関係しているかを明らかにすることである。まずストーマ保有者が認知を希望する理由について質的に分類した。この結果をもとに1000名のストーマ保有者に対して自記式質問紙調査を行い、WOCナースによるケア経験の有無で層別化し統計学的分析を行った。その結果、8割以上のストーマ保有者が一般社会・医療従事者・家族に正しく理解されたいと希望しており、その背景にWOCナースによるケアが関係していた。しかし、WOCナースによるケアのみでは解決できない問題もあり、今後の課題であることが分かった。

  • 祖父江 正代, 前川 厚子, 竹井 留美
    2010 年 14 巻 2 号 p. 221-229
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     目的:ストーマケアにおける患者と看護師間の相互行為と自己適応との関連性を明らかにする。
     方法:対象者は大腸がんによる結腸ストーマ保有者15名。術前から退院後に感じたことなどについて半構造化面接を行った。
     結果:患者と看護師間の相互行為のなかでも看護師からの日常生活やストーマ局所管理に関する情報とストーマ局所管理技術はストーマ保有者と看護師との関係性、ストーマ保有者のケアへの姿勢、自己適応の過程の【日常生活やストーマ局所管理の経験と新たな生活パターンの取り入れ】に影響を及ぼしていた。【看護師から得た多くのストーマケア情報の知覚】、【漏れないストーマ局所管理の実施】、【看護師との信頼関係の築き】、【ストーマケアへの主体的参加の姿勢】が抽出された者は相互浸透行為が得られ、生活への自信を抱いて自己適応していた。

  • 高橋 都, 加藤 知行, 前川 厚子, 小池 眞規子, 甲斐 一郎
    2010 年 14 巻 2 号 p. 230-238
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     わが国のEnterostomal Therapist / Wound, Ostomy, Continence(以下ET/WOC)ナースによる性相談の実態を把握する目的で、日本ET/WOC協会会員全看護師560名を対象として2008年に郵送自記式質問紙調査を実施し、204名より回答を得た(有効回答率36.4%、回答者平均年齢39.1歳)。回答者のうち121名(59.3%)は過去に患者・家族から性に関する悩みを相談されていた。相談は成人ストーマ保有者本人、特に男性患者から寄せられることが多く、パートナーや家族からの相談はきわめて少なかった。回答者に寄せられた性の悩みの内容は、勃起機能不全、射精障害、性交痛などの身体的変化だけでなく、その結果引き起こされる心理的衝撃やボディイメージの変化、障害の回復可能性や治療の余地、性行為時の留意点、パートナーとの関係の変化、妊娠出産の可能性や管理など、多岐にわたった。回答者のうち、ストーマ保有者に普段から提供する性関連のアドバイスを自由記述欄に記載した者は97名(47.5%)であり、過去に性の悩みを相談された経験がある回答者のアドバイス記載率が有意に高かった(P=.004)。アドバイスの具体的内容としては、性行為時の留意点、医師との連携、相談勧奨、積極的声かけなどがあげられた。
     本調査により、ET/WOCナースには性に関して種々の相談がよせられていることが明らかになった。ストーマ外来は性の悩みの相談先としての機能が期待され、ET/WOCナース向けの教材や研修機会の充実によって相談活動がより円滑になる可能性がある。

  • 焦 麗娟, 飯坂 真司, 須釜 淳子, 松尾 淳子, 福田 汐里, 大場 美穂, 峰松 健夫, 田端 恵子, 杉山 徹, 真田 弘美
    2010 年 14 巻 2 号 p. 239-246
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     高齢者に対する栄養スクリーニングは低栄養の早期発見に重要であるが、患者や施設の特性により、その実施可能性が問題となる。本研究は、簡便な指標として皮膚に着目し、工学的測定による皮膚状態と栄養状態との関連を検討した。療養型病院入院高齢者90名を対象に横断調査を行った。栄養状態はBody Mass Index(BMI)、血清アルブミン値によって評価した。皮膚状態は、評価者1名が、下腿2ヵ所を測定し、pH、角質水分量、経皮水分喪失量、皮膚色のL*a*b*表色系とIndividual Typology Angle(ITA°)、皮膚形状により評価した。その結果、黄色を示すb*は両測定部位ともBMIと有意な負の相関を示した(内側ρ=-0.28, p=0.008, 外側ρ=-0.30, p=0.004)。また、低栄養リスクの有無による群間の差を検討した結果、BMI 18.5未満の群は、BMI 18.5以上の群にくらべ、内側、外側の測定部位ともに有意にb*の値が高かった(内側p=0.006、外側p=0.004)。同様に、血清アルブミン値3.5g/dl以下の群では、3.6g/dl以上の群に比較し、有意にb*の値が高かった(内側p=0.016、外側p=0.006)。本結果より、栄養状態低下と皮膚色の黄色化の関係が新たに得られ、将来の栄養スクリーニングの一つとして、皮膚色評価が有用である可能性が示唆された。

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