日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
15 巻, 4 号
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第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会会長講演
第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会教育講演
第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 トピック「アドバンスト・スキンケア THE 浸軟」
第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 シンポジウム1 皮膚・排泄ケア認定看護師の失禁管理
第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 シンポジウム2 アドバンスト・ウンド・マネジメント THE テクニック
第20回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会 シンポジウム3 皮膚・排泄ケア分野における特定看護師(仮称)への道を探る
総説
  • 峰松 健夫, 山本 裕子, 長瀬 敬, 仲上 豪二朗, 須釜 淳子, 真田 弘美
    2012 年 15 巻 4 号 p. 278-281
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     皮膚浸軟は、失禁関連皮膚炎(IAD)の主要因、あるいは褥瘡のリスクファクターとして広く認識されているものの、浸軟により皮膚の中で何が起きているのか、これまでの知見はきわめて限られている。そこで、私達は浸軟皮膚の構造的、機能的解析を行い、問題の本質の一端を明らかにしてきた。一般的に皮膚浸軟は皮膚表面の角層が白く膨張する現象として捉えられている。実際に角層では角質細胞の軟化や細胞間脂質構造の破綻などが起きているが、加えて表皮深層における細胞間連絡の減少によって皮膚の外力耐性が低下していることが示された。さらに、構造変化に伴ってバリア機能が低下し、高分子までも真皮深層にまで到達し炎症を引き起こしていることが示唆された。こうした現象が、IADや褥瘡に繋がる皮膚浸軟の本質的現象であり、新たに以下のような皮膚浸軟の定義を提案したい。「皮膚浸軟とは、過剰な水分に暴露された皮膚において、角質細胞間脂質や角化細胞間接着などの構造的変化により、皮膚バリア機能および外力耐性が低下した状態である。」

原著
  • ~質的帰納的研究成果に基づいた尺度項目の信頼性と妥当性の検証~
    西澤 知江, 戸ヶ里 泰典, 真田 弘美, 須釜 淳子
    2012 年 15 巻 4 号 p. 282-291
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー
     本研究は、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN)が褥瘡管理体制を組織化するための調整力自己評価尺度の信頼性と妥当性の検証を目的とした。尺度は先行研究より項目を抽出し作成した。調査方法は、全国の病院に勤務するWOCNに無記名自記式質問紙調査を実施した。妥当性の検証は因子妥当性、判別妥当性、併存妥当性の観点より分析した。信頼性の検証は、内的一貫性の観点より6ドメインにおける各因子のクロンバックα係数を算出した。その結果、尺度は、対病棟管理者調整力1因子、対スタッフナース調整力3因子、対医師調整力1因子、対管理組織調整力1因子、対多職種調整力1因子、褥瘡を治癒させるスキル1因子の計64項目で構成された。各ドメインの累積因子寄与率は46~61%であり、因子妥当性が検証された。WOCN歴3年以上群は、褥瘡を治癒させるスキル以外の5ドメインで合計得点が有意に低く、経験年数が多いほうが調整力が高かったことから、判別妥当性が検証された。褥瘡ハイリスク患者ケア加算導入の有無で5ドメイン、WOCNが横断的に活動できる環境の有無で6ドメインの合計得点で有意差がみられた。このことから、一部併存妥当性が検証された。信頼性の検証では、1因子以外すべてα係数0.80以上であり、内的整合性が検証された。以上より、本尺度は、WOCNの調整力をアセスメントする参考資料としての活用可能性が示唆された。
資料 災害緊急対策報告
資料
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