日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
16 巻 , 3 号
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原著
  • 内藤 亜由美, 大江 真琴, 岡島 静子, 山本 裕子, 長瀬 敬, 貝谷 敏子, 竹原 君江, 飯坂 真司, 玉井 奈緒, 峰松 健夫, ...
    2012 年 16 巻 3 号 p. 257-267
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/07
    ジャーナル フリー

     難治性のために患者のQOLの低下を招く静脈性下腿潰瘍のケア介入につながるアセスメントツールの将来的な作成上の基礎資料とするために、本研究は肉眼的に観察可能である静脈性下腿潰瘍に特有の治癒のプロセスを明らかにすることを目的とした。6ヵ月間に、静脈疾患が専門の医師が勤務する一般病院に受診した患者の静脈性下腿潰瘍10部位の変化を縦断的に記述し、グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析を行った。分析の結果、静脈性下腿潰瘍は、<下肢のうっ滞の改善>に伴い、<創周囲皮膚の正常化>、<滲出液の量と質の改善>、<創面の付着物の減少>が同時期に起こる結果、<肉芽の浮腫の改善>が起こる。その後、<良性肉芽の出現>、<色調変化のある肉芽の出現>がみられ、最終的に創周囲から、または周囲および創内部からの島状の<上皮化の開始>が生じて創閉鎖にいたるというプロセスが抽出された。特に、今回、新たな知見として、①肉芽内部の点状の陥凹部分から島状の上皮化が起こること、②褐色の肉芽部分からも上皮化が起こることの2点が静脈性下腿潰瘍の治癒過程の特徴として初めて明らかになった。本研究の結果により、静脈性下腿潰瘍は他の慢性創傷とくらべて特徴的な治癒過程をたどること、したがって、静脈性下腿潰瘍特有の創面のアセスメントツールが必要であることが示唆された。

  • ―インターナショナル・コンセンサスのリスク分類に基づいて―
    大江 真琴, 真田 弘美, 長瀬 敬, 大橋 優美子, 植木 浩二郎, 門脇 孝
    2012 年 16 巻 3 号 p. 268-277
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/05/07
    ジャーナル フリー

     糖尿病足潰瘍予防ケアの重要性が認識される一方、日本で予防ケアのニーズを検討した報告はない。そこで2007年9月から2008年3月に大学病院糖尿病代謝内科を受診した糖尿病患者579名に神経障害、血管障害、足変形、足潰瘍の既往、非潰瘍病変、自覚症状を調査した。インターナショナル・コンセンサスに基づきリスクを分類し、定期的観察と診察、教育、靴の適用、非潰瘍病変の治療のニーズを検討した。診療録より足外来受診率、足潰瘍発症率を算出した。
     リスク分類の分類0(1年に1回の観察と診察)、1(半年に1回)、2(3ヵ月に1回)、3(1ヵ月に1回)はおのおの72.5、21.3、5.7、0.5%であった。579名のうち、教育、靴、非潰瘍病変の処置の適応はおのおの6.2、31.8、3.6%、36ヵ月後の足外来累積受診率と足潰瘍発症率はおのおの16.4、0.6%であった。非潰瘍病変の保有率は白癬感染のびらん、胼胝、乾燥(18.5、15.7、14.4%)、自覚症状ではこむら返り(52.3%)が高く、自覚症状と医療者の評価との関係では乾燥・亀裂の感度(45.0%)が最も低かった。
     足外来の受診率は低く、糖尿病足潰瘍の予防対策は不十分な可能性がある。今後、医療者による観察や白癬、胼胝、乾燥の予防ケアを発展させる必要がある。

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