【目的】訪問看護師が、皮膚・排泄ケア認定看護師に対してどのようなニーズがあるのかを把握し、ストーマケア・褥瘡ケアの向上と効果的な連携がとれるような在宅ケアの判断基準の基礎資料を得ること。 【方法】訪問看護師7名に対し、質問紙と半構造化インタビューによってデータを収集し、質的帰納的に分析した。 【結果】訪問看護師のニーズを表す82のコードから13のサブカテゴリと7のカテゴリが抽出され、「院外連携の業務体制つくり」「相談連絡体制」「終末期ケアの連携」「相互の学びによる専門的ケアの提供」「訪問看護師との関係構築」「知識向上への支援」「統一したケアの提供」のニーズがあることが明らかになった。 【考察・結論】今後は連携しやすいシステム構築や、良好な人間関係をベースに相談連絡体制をつくること、お互いのより専門的な領域を学びあう研修会の開催が必要なことが示唆された。そのためには、各所属の組織にも理解が得られるよう、合意形成などの環境づくりをすすめることが必要であると考える。
目的:本研究の目的は、終末期がん患者において①どのような褥瘡が悪化するのか、②どのような経過をたどり褥瘡は悪化するのか、③悪化に影響する要因は何か、を明らかにすることである。 方法:終末期がん患者19名の創状態変化を帰納的にカテゴリー化した。つぎに褥瘡を改善群と悪化群に分け、両群の影響要因を比較した。 結果:1.終末期患者がん患者には創の中心が仙骨正中稜にない褥瘡(以下、偏位)が発生し、悪化群に有意に多かった(p=0.006)。2.褥瘡が悪化する経過には3タイプ(創縁炎症持続型、深度進行型、面積・深度進行型)があり、タイプに関係なく全員死亡退院した。3.悪化に影響する要因は、「腎機能障害(p=0.0006)」、「自力座位可(p=0.006)」、「歩行可(p=0.002)」であった。 考察・結論:終末期がん患者に発生した褥瘡の悪化は、がんの進行に伴って起こり、防ぎきれないものがあると考える。一方、座位時、ベッドからの移動時に発生する外力はケアによって減少させることができ、悪化を回避できる可能性がある。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら