臨床で看護師が実践しているおむつ装着動作を明らかにし、おむつ装着時の快適性との関連性を検証することを目的とした。高齢女性人形に対して看護師がテープ止めおむつと尿とりパッドを装着している場面で、ネットワークカメラと3 次元動作計測装置を使用し、おむつ装着動作9 項目と上肢の動かし方の大きさとして肘関節の屈曲伸展回数と角度差を測定した。おむつ装着による快適性指標は、「尿が仙骨部に流れ込まず、パッドに吸収された尿が逆戻りせず、おむつから尿の溢れ出しがないこと」と、「腹部と鼠径部を締め付けずおむつが接触すること」とした。快適性指標とおむつ装着動作および上肢の動かし方の大きさとの関連性について統計学的に解析した。研究対象者は女性17 名で、施行した170 回を分析した。快適性指標とおむつ装着動作の関連性は、多変量解析の結果、尿取りパッドを山型に成形して当てる動作(OR 7.87、95%信頼区間2.29-27.01)と、鼠径部に近いテープ止めおむつの立体ギャザーを把持しながら当てる動作(5.17、1.65-16.15)が快適性を促進させ、おむつ装着後に鼠径部に指を入れて確認する動作(0.27、0.09-0.77)が快適性を低下させた。また、テープ止めおむつを鼠径部に締めつけることなく接触させた上肢の動かし方は、肘関節を約6秒間で12 ~ 13回小刻みに屈曲伸展させる細やかな動かし方であった。
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